jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

女性の結婚についての再考--プライバシーは元には戻らない。男性は100%信じるに足らない。

ドラマの共演がきっかけで結婚する有名人カップルは多い。ドラマの中で恋人役,夫婦役として数ヶ月の間,真剣に演技しているうちに,気持ちが結婚に向くことは否定できない。いわば職場結婚である。どの職場でも,その人の仕事ぶりや人となりを長い間見ていれば,そのあと何十年も一緒に生活できるかどうかの判断も間違いがないとも言える。

 一般企業は,正直言えば「男性の仕事社会+女性の補助」という男女格差のある構図が厳然と存在する。男性は中心的に働いて給料が取れることを目指し,その仕事上でのサポート役として女性が職場にいるという構図の延長で,男性の仕事を家庭の場でもサポートする役として職場結婚が存在する。会社の将来性や上司・同僚の性格も知った上での結婚なので,夫となる男性が今後仕事場でどのような立位置になるかなどの情報はある程度想像できる。友人関係での今後の付き合いや,ライバル関係も予想できる。プラス情報とマイナス情報を天秤にかけての判断も必要である。

 有名人カップルの場合は,その後も公の場に立たされる。マスコミ,ミニコミ,パパラッチなども群がる。一般人もさまざまなコメントを発信する。やれ妊娠しただの,やれ出産しただの,事あるごとに報じられ,世間の関心の的にされる。挙げ句の果ては不倫だ離婚だといったところまで追い回される。プライバシーもあったものではない。報道する側は「報道の自由」を掲げる。そういうスキャンダルを求める読者がいるのも事実である。

 ITがない時代は,刑事と同様の「張り込み」しかなかったのだろうが,今や隠しカメラや盗聴器,GPS装置など,ほぼ犯罪と同様の手段も使われているだろう。「情報源は明かさない」と嘯(うそぶ)くが,実際はほぼ犯罪行為で入手した情報が多いと思われる。

 さて,ドラマがきっかけで結婚にゴールイン,というケースは,果たして大丈夫なのかと心配になったりする。正直言えば,ドラマの魅力を支えるのは女優の配役にかかっている。そしてこの女優にはまさにトップクラスの美人が配される。美人であるだけではドラマは成り立たない。美人である以上に,演技もうまくなければならない。当然,ほかのドラマや映画,テレビ番組にも引っ張りだこになる。ただの美人ではなく,女優としてのオーラのあるタレントである。女優業を自分の仕事として意識している人たちである。その彼女たちにとって,家庭生活は「仕事と家庭」という2択なのか,それとも「仕事に加えて家庭」なのか,という難しい選択を強いられる。

 世間から見れば,結婚によって女優業を辞めてほしくはないと思うだろう。一方,両立させたとしても,子供ができれば活動を休止しなければならない。その後また復帰するのかどうかも不透明である。そもそも,仕事人として集中して人生を送って来ているので,家事をどうするかという問題にも直面する。相手の男性俳優も基本的には家庭人ではない。

 結婚を機に女優業を辞めて家庭に専念する,という選択肢もあるが,これもまた苦渋の決断になるだろう。女優を辞めたからといっても,世間の目は一般人としては見ない。さまざまなプライバシーの危機にさらされる。安定・平安を求めたはずの結婚が,さらに不安定な生活にさらされる可能性も高い。

 多くの女優や女性歌手,女性モデルが,結婚を機に世の中から身を潜めることが多い。また,結婚を巡ってさまざまな人間関係の間に押し潰されて業界から消えてしまったり最悪,命を断つ人もいる。一般人以上に,結婚への向き合い方は難しい。

 実際,男性にとって「結婚」はほとんど犠牲を伴わない。親戚づきあいが増えるのが面倒なことはあるが,身の回りの世話をしてくれる妻ができることで仕事に集中することができる。ダブルインカム状態なら,友達・恋人段階の付き合いの延長と考えれば何の犠牲もない。家事は自分でできる範囲ですれば済むだけだからである。一方で,メリットとして自由なセックスが得られる。家の外での生活は従来どおりなので,人付き合いも従来どおり。したがってほかの女性との付き合いも従来どおり,ということも可能である(一般にこれを「浮気」と呼ぶが,男性にとってあらゆる魅力的な女性はセックスの対象となりうるようにできており,実際に心も身体も反応する。これをコントロールするのが「理性」だが,正直言って1割もコントロールされていないのが現状である)。

 一方,女性にとって結婚は仕事との2択を迫られる。両立を目指すと,夫の家事協力を相当求めないと実現しない。もともと母親に甘やかされて育っている男性にとって,身の回りの処理や家事は新たな負担になる。これを楽しめる男性はいいが,こちらもおそらく1割しかいないだろう。女性にとって結婚適齢期と言われる時期は仕事にも乗り始めている。結婚して一生を捧げられる人と出会えているのか,やはり選択が難しいだろう。

 研究職でも,女優でも,仕事に生き甲斐を覚えたら,仕事を選択した方がいいと思う。まだまだ男性中心の社会の中で,女性が仕事で生きていくことは大変だが,ここは信念を貫いてほしいと思うのである。ベテラン女優の半分は,1人で生きておられると思う。仕事が生き甲斐だからだと思う。家族を作ることへの憧れ,子供を生むことへの憧れはもちろんあっただろうが,自分の使命としての仕事を選択したのではないだろうか。

 おそらく,女性が仕事を続ける上で,夫という男性の必要性は限りなく小さいと思われる。自分を理解してサポートしてくれる,と言っても,家事や夫の身の回りの世話,そしてセックスの世話は妻がしなければならない。仕事に専念できる環境ではない。むしろ,セックスなしで過ごせるように女性の妻との同性結婚の方が,世帯主として仕事に専念できる。別にLGBTQでなくても,同性同士の結婚はありうると考えているのである。

 結婚することによって,自分の生き甲斐を捨てないでほしい。男性は,結婚せずに1人で生きていても,仕事はできるし,セックスの処理もさまざまな方法がある。しかし女性は,結婚によって大きな犠牲を払う可能性がある。今の日本は,女性にとって1人で生きていくにはまだまだ不便で不条理な男性中心社会である。出産率の低下による人口減少も問題になっているが,だからといって結婚しなければならないということにはならない。女優やモデルというトップの仕事を持った以上,なかなか一般人とのマッチングは収入面なども含めて難しいだろう。かといって,男優やスポーツ選手など,飛び抜けた男性との結婚は,ものすごいストレスになるのではないかと思うのである。筆者としては,プロの道を極めてほしいと考えている。「生活リズムの不一致」による離婚事例の多さを見ると,仕事に生きてほしいと思うのである。

 とかく,男性はいい加減なモノである。100%の信頼を寄せていいとは思えない。必ずどこかにリスクを持っている。特に,女性のプライバシーを知った相手が,100%自分だけに向いていると信じることは浅はかである。最近,結婚に至った複数のカップルについて,うまく行かないんじゃないかなと心配している。女性のプライバシーは元に戻らないからである。

「業者」という呼び方に差別感

「「業者」という言葉には、本来、侮蔑の意味はありませんが、企業によっては、発注側が上、受注側が下という差別的なニュアンスを含んでいる場合もあります。」googleで「業者」を検索すると,こういうページも出てくる。

 「業者」には「専門的な事業を営んでいる人」という意味合いがある。筆者の場合,出版業なので最終的には本を作って売るわけだが,外部の編集プロダクション,翻訳家,デザイナー,印刷会社(その中も「印刷」「製本」などの専門的な事業がある)などに業務をお願いすることになる。出版社は企画を立てて書籍の内容を集めるところまでが仕事で,そのあと,形にするのはさまざまな業者さんのおかげである。

 ところが,同じ業務を委託するのに,複数の会社と関係がある場合,見積もりを取って,最終的には安い方に発注する,というのが一般的だ。同じクオリティなら安いに越したことはない。ここで「業者たたき」「業者いじめ」が起きる。なかなか対等な仕事仲間という意識になりにくい状況が起きている。

 筆者も長年この業界にいるが,ほとんどが仕事のパートナーという意識でやってきた。近年,ネット印刷など,Web画面で見積もりを依頼するようになってからは,「パートナー」から「業者」へと心情的な格下げが起こりつつある。それでもこの専門家がいなければ本が出版できないので,筆者はみんな仕事上の仲間と思うようにしており,「業者」という言い方は基本的にしていない。

 しかし,新型コロナウイルス対応ワクチンで管理上のミスで廃棄が出てしまったケースで,「配送業者が・・・」「分配作業で業者がミス」などのニュースで「業者」という言い方が使われている場合,「市町村や病院は責任はない。責任は“業者”にある」と言わんばかりに,ニュースタイトルが踊る。

 これはマスコミのエゴである。あきらかに,自治体や病院よりも配送業者,作業請負業者,冷凍庫などの機材納品業者,会場を提供した施設業者,などを見下げて「ミスの原因は業者にあり」的なステレオタイプな記事になっている。

 たしかに,最近の運送業者は,置き配の連絡もなく,置き方もぞんざいで,筆者も「コミュニケーション力がないのではないか」と書いたこともある。しかし,これもごく一部の例である。どの企業も「完全清貧」でいくことはできないだろう。

 筆者は基本的に「業者」という言い方が嫌いなので,使わない。運送担当,印刷担当と呼び,運送会社,印刷会社と呼んでいる。したがって,ニュースタイトルに「業者」が何度も登場するのが,マスコミの編集者の見識を問いたいところである。無神経だなと思うのである。

スマホ用ワクチン接種済証明書(案)を提案

2021/6/3に筆者は新型コロナウイルス対応ワクチン接種の1回目を終えた。ファイザー社のワクチンのシールももらった。そのものを持ち歩くわけにもいかないので,スマホで写真を撮り,いつでも表示できるようにした。

 しかし,「新型コロナウイルスワクチン 予防接種済証(臨時)」という文字も小さいし,パッと見何だかよく分からない。拡大してみて初めて分かる,というのでは,通行証の意味がない。

 というので,PowerPointでスライドショー風に表示できるファイルを作ってみた。残念ながら動画やスライドショーを表示できないので,3枚の画像を貼り付けてみた。

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 スライドショーファイル(.ppsx)で保存しているので,起動すると横位置で画面一杯に表示される。指でスライドすると次の画面に移る。

 1枚目が格好いいでしょ。1枚目の右側のスペースに,「EU Digital COVID Certificate」と同じ仕様のQRコードが表示されると,これで国際的にも通用するのではないだろうか。もともとMicrosoftのデザインなので,著作権は主張しない。

マスクインナーカバー[夏編]-Seria製が夏用には軍配

マスクインナーカバーのいろいろ - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/4/20で,基本5種類のマスクインナーカバーを紹介した。マスクインナーカバーに最初に出会ったのは,100円ショップで「マスクインナーカバー」を購入 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/2/11。その後,複数のカバーを試し,しゃべり仕事にダイソーのマスクインナーカバーがオススメ - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/4/29 というのが,これまでのレポートだった。

 ダイソーのマスクインナーカバーは,ほかの製品と異なり,肌に触れる部分が直線的なため,汗をかく夏場にはいいと感じていた。お化粧をする女性にも向くと思っていることは確かである。

 ところが,鼻の当たりも少なく,口元に広く空間が空いていて,顔への密着感が少ない点はいいのだが,口元の広い空間が夏場には逆効果の可能性が出てきた。というのも,吐いた温かい呼気がこの口元の空間に残り,これをもう一度吸い込むことになるため,結構暑く感じるからである。

 これに対して,一番最初に入手したCan★Do/Seria製のマスクインナーカバーは,口元の空間が少なく,呼気がマスクを通じてすぐに外に排出される。続く吸気は外気を吸い込むため涼しく,呼吸が意外にも楽なことが分かった。

 たしかに,最初に指摘したようにCan★Do/Seria製はほおに面でくっつくため,汗をかきやすいという欠点はある。しかし何しろ,一日中装着しなければならないのが現在のマスクの「新しい常識」なので,快適さを天秤にかけると,夏場はSeria製に軍配が上がるようである。

 Seria製のもう一つのいいところは,前にも紹介したが前方の穴の面積が比較的狭いことだ。面積が狭いと呼吸がしにくいかと思ったが,呼吸の際のマスクを通過する空気を集中させることで意外にも呼吸はしやすい。また,穴面積が狭い分,マスクがバタつく部分が少なく,これも呼吸抵抗が少なく感じる理由である。

 さらに,このSeria製インナーカバーを2個重ね,この間に不織布シートを挟んで両側を固定し,さらに布マスクの中に入れて使用すると,布マスク+不織布シートという組み合わせのマスクを構成することができる。実は,不織布マスクが入手できなかった時期に,何とか代替にならないかと購入した不織布シートが余ってしまっていた。これを活用できそうに思っている。

 国会でもテレビ中継でも,不織布マスクや布マスクで話をする際,マスクがずれるのを見かける。マスクインナーカバーを使えばマスクのズレをほとんど気にしなくて済むのだがなと思い,気の毒になる しゃべり仕事にダイソーのマスクインナーカバーがオススメ - jeyseni's diary (hatenablog.com)

EU方式のワクチンパスポート-日本採用か

Japan looks to debut vaccine passport this summer - Nikkei Asia 2021/6/7。海外では,いわゆる「ワクチンパスポート」の話題が盛んに議論されている。2020/10/23の段階で,デジタル検査証明「コモン・パス」が大西洋路線で実証試験が始まっている。日本では2021/3/15に実証実験がされている。一方,国際航空運送協会(IATA) が開発したスマホ用のデジタル証明書アプリ「IATAトラベルパス」も,実証実験が始まっている。アプリそのものはダウンロードできるが,今日時点では招待コードがないと登録ができない仕組みになっている。

 こうした航空業界中心のプラットフォームとは別に,EUや米国はそれぞれワクチンパスポートの仕組みを開発し,それぞれの国では実証が進んでいるようだ。その中で,上記のニュースは,日本がEU方式のワクチンパスポートアプリの導入を考えている,というニュースである。これが本当なら,望ましい動きであると筆者は評価したい。

 EUのワクチンパスポート「EU Digital COVID Certificate」は,2021/7/1に実施が決まったようだ Europe's 'vaccine passport': What to know before it starts July 1 | Daily Sabah 2021/5/22ニュース。これによりEU域内の行き来にはこのパスポートが必要になるようである。EUは,IATAのシステムと共存できるように考えている。

 EU Digital COVID Certificateのいいところは,他の国の参加も歓迎していることだ。これに日本も乗るだろうというのが,先の日経アジアのニュースである。

 基本的に,海外との行き来が必要なビジネスマンは,航空業界ないし大型市場国のシステムを使わざるをえない。アメリカに行く人はアメリカのシステム,中国に行く人は中国のシステムでワクチン接種ないし72時間以内陰性証明が必要になる。EUのシステムをアメリカが使うことはないから,いずれかになるだろうと思っている。日本人にも使いやすい2バイト系文字にうまく対応してくれれば,そのまま使える可能性は高い。筆者も早くテストしてみたいのだが,日本からダウンロードする仕組みにはまだなっていない様子である。6/1の段階で,EUでデジタル証明が取れるのは,ブルガリアチェコデンマーク,ドイツ,ギリシャクロアチアポーランドの7ヵ国 Seven EU countries roll out digital COVID certificate to ease travel – EURACTIV.com。同じ仕組みで日本でも早く始まることを望みたいが,すでにオリンピックはスタートしている(かもしれない)。世界からの選手,関係者がせっかくワクチンパスポートを持ってくるのに,日本の空港でも国内でもまったくパスポートが通用しないということになるのかと思うと,まことに恥ずかしい思いである。

 手続きとしては,Webサイトに行き,まずRequest Certification(証明を要求)ボタンから入り,「e-Citizens」として管理されることに同意することから始まるようである。しかしそもそもe-Citizensであることをcertifyするのはだれかというと,ここではEUということになるだろう。つまり「電子市民」として登録され,その電子市民に対して,ワクチン接種ないし検査陰性の証明が紐付けられ,この情報をQRコードとして画面に表示することで,これをデジタル的に読み取って通過が認められるというわけである。

 まあ,EUの人はその域内での移動の必要だから登録するだろうし,日本からEUに向かう人も,「域外の電子市民」として登録されることになるのだろう。

 ではこれを日本国内に適用しようとすると,日本人をEUのシステムに「電子市民」として登録することになる。したがって,このシステムのサブシステムを日本国内に置き,日本人だけを電子市民として登録し,そこにワクチン接種状況を紐付けるということになるかと思う。

 さてそうなると今度はその「電子市民」とマイナンバーの“電子市民”が両方必要になってきて,マイナンバーが不要になる,ということになる。

 新型コロナウイルス禍におけるマイナンバーの利用については,マスク欠乏時に「配布制」を提案したところから始まる マスクは配給制に - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/3/1。その後,PCR検査陰性証明とマイナンバーをつなぐことも提案した 新型コロナウイルスの空気感染の可能性について-PCRスクリーニングをより綿密に - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/7/8。まさかこの頃はここまで新型コロナウイルス禍が長引くとは思ってもいなかったし,外出免許制の提案などなく収束していると思っていた。

 しかし,変異ウイルスの登場で事態は一変している。もはや「マスクを付ける新しい日常」ではなく「難感染・非感染証明書を持ち歩く新しい日常」に変わりつつある。せめて昨年中にマイナンバーカードの発行ができていれば,EU Digital COVID Certificateとの二重化なども避けられたはずなのだが。

 もう一度,マイナンバー登録の有料化を提案して全員の申し込みを加速化させることを提案する 「外出免許証」発行の提案 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/6/6。

「野放し」になるワクチン未接種者。日本は絶望的な結果になると予測

新型コロナウイルスのワクチン接種が日本でも加速していると盛んに報道されている。そもそも,ワクチンの供給が不足していた段階で,個別医療機関と集団接種会場において,きちんと接種管理を行いながら進めるはずだったが,接種券の無神経な全数バラマキなどにより,予約システムがパンクして順調に進まなかったばかりか,その後は複数予約の直前キャンセルによって,予約枠に穴がボコボコ空き,これがまたワクチンの廃棄にもつながっている。遅い時期にしか予約できなかった人をこの空き枠に融通して接種を早めるという仕組みもない。

 ここに,大規模接種センターの設置と運用開始,さらに企業や大学などでの職域接種も始まろうとしている。大規模接種センターで早めに接種を受けた高齢者が自治体で取っていた予約枠は積極的にキャンセルされることなく,直前あるいは当日になってキャンセルであることが判明し,これがさらに個別医療機関や集団接種会場でのキャンセルとワクチン廃棄につながっていく。せっかく100人の枠があったのに,そのうち20や30が接種を受けないような状況になる。

 しかも,大規模接種センターや職域接種はモデルナ社のワクチンで,個別医療機関や集団接種会場のファイザー社のワクチンとは異なる。64歳以下の若い人のうち2割ぐらいは職場での接種を選ぶことが予想される。温度管理や希釈後の管理の難しいファイザー社製ワクチンが,今後もムダに廃棄される事態が増えることが予想される。

 これらの4種類の会場で2種類のワクチン,そしてそれぞれ間隔の異なる2回の接種が,「新型コロナウイルスワクチン 予防接種済証(臨時)」にシールを貼るというアナログ方式で,その確認は接種会場での担当者によるシートの目視によるチェックしかない。4×2×2=16通りの組み合わせが間違いなく認識できるとは思えない。早めに大規模接種センターで1回目の接種を受けた人が2回目の接種をまた都心まで出かけるのが大変だったので地元で済まそうとして予約替えをしても,だれも気づかない。当日,地元に医療機関に行って「この組み合わせでは接種できません」と言われてまた大規模接種センターの予約を取ろうとすると,さらに先になる,などということも起こりかねない。「ワクチン接種円滑化システム(V―SYS)」も,個々の接種情報が登録されるわけではなく,単にその日何人に接種したか,供給したバイアルのどこまで接種が進んだかだけが集計されるだけである。しかもそれを利用している医療機関が2割しかないということになると,何のためのシステムかと改めて思う。官僚が「ただいま接種が何件進みました。接種率が何%になりました」と首相に報告し,いい気になるためのシステムでしかない。

 さて,このように「誰がいつ2回目までの接種を終えたか」という情報を,誰も管理できていない。これを証明する「予防接種済証」はアナログでしかなく,だれも統計を取ることができない。ただの紙切れなので目視以外の確認の方法もない。「接種がどんどん進んでいるので,どんどん安心になっています」という発表をするのだろうか。

 さらに,ワクチンを接種していない人たちが「野放し」になることを,だれもまだ指摘していない。筆者が何度も指摘している72時間ごとのPCR検査or抗原検査の体制を,構築しようという動きがまったくないからである。

 「ワクチン接種を拒否する人は,3日ごとのPCR検査を義務づける」のが世界の常識になっている。海外でも,ワクチンがまだ接種できていない人のために,PCR検査で陰性証明書を発行し,行動の自由を与えている。

 日本では,そのいずれの仕組みもない。目の前の人が,ワクチン接種をしているのか,検査陰性なのか,はたまたただ何もしていない人なのか,まったく認識する方法がない。ウイルスを保持しているスプレッダーが,結果として街中に野放し状態になっている。ワクチン接種率の増加により,スプレッダーによる感染リスクはどんどん減るが,ワクチン接種拒否者やワクチン未接種者の感染リスクは残り続ける。

 結局,スプレッダーのあぶり出しはできず,スプレッダーが発症して初めて感染が確認されるが,その間にまた複数の感染者が出てくる。この繰り返しで,一向に感染者を減らすことができなくなると予想する。

 そもそもこれまでも,咳くしゃみエチケットをしない,マスクをしない,緊急事態宣言でも出歩く,カラオケに行く,路上飲みをする,など,「こういう行動は控えてください」と言われていた人たちが,ワクチン接種を積極的にしてくれるとも思えず,まして3日に1回のPCR検査も,無料だとしても検査に行くとは思えない。

 早急に「外出免許証」の整備が必要と改めていいたい 「外出免許証」発行の提案 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/6/6。

「外出免許証」発行の提案

新型コロナウイルス対応ワクチン接種済み証」または「PCR検査陰性証明証」「抗原検査陰性証明証」の携帯について提案したが、これも中途半端な感じがする。いっそ、「外出免許証」の取得と携帯義務はどうだろうかと考えた。

 海外におけるパスポート所持と同じである。取得のためには手続きと登録費用がかかるようにする。これがないと、電車にも乗れないし、職場にも入れない。学校も入れない。権利を主張するなら取得の義務を負うことである。

 これが嫌なら、最初に戻ってマイナンバーカードの全員取得を加速し、これに外出免許の機能を持たせることである。ワクチン接種履歴もPCR検査履歴もすべて紐付けて管理することである。

 たとえば、「6月末までに発行申請しないとその後は有料になります」と言えば、申請は加速するだろう。あとは、役所の手腕が問われる。キャッシュバックもないから、経費もかからない。これに漏れた人から今度は発行手数料を徴収できる。

同時に、ワクチン接種状況との連動、通行チエックの方法なども開発の必要がある。デジタル庁ができる前に、必要なシステムは全部出来上がり、デジタル庁のポストは不要になる。