jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

無観客なら東京オリンピックは開催できる

「オール・オンライン・オリンピック」で行こう - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/3/20。東京オリンピック2020に海外からの観客を入れないことが決まったときのブログである。このときに,国内の観客も入れず,その代わり5G通信でより迫力のある中継をして,日本ならではのデジタルオリンピックをすることを提案した。3ヶ月前のことである。

 オリンピック開催まで残り42日。6週間,1ヶ月半である。無観客にする代わりに,観客席にディスプレイを数万個並べ,そこに観客の姿を映し,観客の声を会場で流す。そういう双方向のデジタルオリンピックが,3月の段階から準備を進めていれば実現できただろう。これから1ヶ月半で設置するのは無理なので,もし日本の観客も無観客で行うのなら,単にガランとした空席のある会場で競技が行われることになる。

 オリンピック開催ができると判断したのは,海外でのワクチン接種の完了度が上がって,主要国での感染者数が減り,死亡者数も減っていることと,特にオリンピック参加選手および関係者へのワクチン接種が先行して完了に近づくことが期待されることと,EUのワクチン接種済み証「EU Digital COVID Certificate」が7/1に始まることである。

 主要国としてのアメリカ,イギリス,フランス,オーストラリアなどの先進国が,ワクチン接種証明/PCR陰性証明によって日常生活を取り戻しつつあり,もともと感染拡大を抑え込んでいる中国も参加可能。ロシアもおそらく自前のワクチンで選手団を問題なく送り込んで来るだろう。IOC提供で日本を含むオリンピック参加選手および関係者,そして報道関係者全員にワクチン接種がされることになり,選手および関係者による日本へのウイルス持ち込みリスクはほぼなくなったと言えるだろう。

 ここで日本の観客が入ると,逆に選手やオリンピック関係者への感染リスクが出てくる。日本の観客の大部分はおそらく64歳以下だが,観客全員にあと1ヶ月半で2回のワクチン接種+10日を完了するタイミングにないからである。大規模ワクチン接種センターをフル活用したとしても,モデルナ社のワクチンだと2回の接種の間に4週間を開ける必要があり,6週間後の開幕に合わせるには,来週中に全観客に1回目の接種を終える必要がある。これは実質的には無理である。

 オリンピックを開催する,観客は入れない,ということを早く決断し,その中で一番格好いい日本らしいオリンピックにする方法に全力を注いではどうか。すべての家電メーカーとパソコンメーカー,通信メーカー,3大キャリアが合同で,オール・オンライン・オリンピックを実現できないか。電力供給のバックグラウンドも必要である。ドローンによる中継の仕組みも取り入れればいい。プロジェクションマッピングもぜひ。

 2008年の北京オリンピックでのLEDディスプレイの演出,2016年リオデジャネイロオリンピックでの花火と音楽の演出などで度肝を抜かれた。さて東京オリンピック2020は,これを超えられるのか。日本の底力を見せてほしい。

「マイナンバーとワクチン接種」ワイドショーで初めて登場。筆者は1年前から提案。

2021/6/11のTBSのワイドショー「ひるおび」。東京,大阪を皮切りに各地で自衛隊によって開設された新型コロナウイルスのワクチン接種のための大規模接種センターの予約枠の空きを埋めるのに,高齢者だけでなく,接種券がまだ発行されていない若い人にも機会を広げるために,「マイナンバー」を活用できないか,という意見が出された。

 ワクチン接種とマイナンバーを結びつけるアイディアは,筆者も比較的最近提案した マイナンバーとワクチン接種のデータを早急にリンクさせよ - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/5/27。しかし,1年も前に,PCR検査とマイナンバーを結びつけるアイディアを提案している 新型コロナウイルスの空気感染の可能性について-PCRスクリーニングをより綿密に - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/7/8。

 わざわざ,接種券番号を新たに管理してワクチン接種を進めているが,これは市町村コードと接種券番号の組み合わせになる。市町村コードはたぶんダブリはないと思うが,接種券番号は7桁から10桁とばらつきはある。市町村コードが違っても同じ接種券番号で登録する,などということも起こりうると考える。

 もともと,国民1人1人異なる番号を振ったのがマイナンバーであり,これを使えば個人を特定できるのだが,結局,将来的に健康保険証の代わりに使えるという医療機関以外に,自衛隊(大規模接種センター),企業・大学(職域接種)まで枠を広げてしまったので,個人情報の流出の可能性が高まってしまった。その危険性を減らせるのがマイナンバーカードというICカードの発行なのだが,これも結局まったく進んでいない。

 本ブログを読んでいただいた方は,ぜひ「マイナンバー」「マイナンバーカード」のキーワードで本ブログを検索していただきたい。

五輪開催するなら「テレワークデイズ」を徹底し,無観客,無PV,無“人流”で選手を完全隔離する

 総務省が中心となって,東京オリンピックパラリンピックの期間中の7月19日(月)~9月5日(日)を「テレワークデイズ2021」を推進しようとしている テレワーク・デイズ|働く、を変える日|2021

 大会の期間は,東京オリンピックが7月23日(金)~8月8日(日)、パラリンピックが8月24日(火)~9月5日(日)。これを挟んでの全期間が対象である。

 結構なことなのだが,参加企業のメリットは「ホームページに掲載いたしますので、働き方改革に取り組む姿勢を対外的にアピールする機会となります」だけのようなので,現在も積極的にテレワークに取り組んでいる企業以外は追加で参加することはほとんどなく,おそらく効果がないと予想される。

 テレワークの目的は,都会への人流の抑制である。これを徹底させるなら,公共交通を止めるしかない 鉄道会社と飲食店が交代。人流を抑える新たな対策を提案 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/5/7。そこまで考えているのか,と疑いたい。たぶんまた「お願い」で終わるだけであろう。で,「ちゃんとお願いしたのに,みんなが協力してくれなかった」と言って,責任逃れするのだろう。

 「オリンピックは開きます」というのを認めたとして,選手やオリンピック貴族の安全・安心を確保するなら,日本人の観客も入れてはダメである。報道関係者6000人を媒介として,選手と日本人観客が接触する機会を否定できない。パブリックビューイングも中止にし,とにかく都心や競技会場の近くから日本人を排除する覚悟が必要である。

 結局,中途半端な号令だけで終わるのだろう。筆者はせっかくなのでこの「テレワークデイズ」キャンペーンを利用して,徹底的なテレワークを宣言しようと思っているが,「これを機会に」などと思っている経営者,労働者は,残念ながらどこにもいない。何なら,このホームページに載っている「総務省厚生労働省経済産業省国土交通省内閣官房内閣府、東京都および関係団体」の全員がテレワークをしてみるがいい,と言いたい。本気であと1ヶ月の間にテレワークの体制を整える様子を公開することで,上記機関の“本気度”が民間にも伝わると思う。

 「まず隗より始めよ」が原則なのではないか。筆者は,やりますよ。

やっと見つかった「目玉焼き」プレート

タマゴはすごい食材だと思う。生でも焼いても、茹でても炒っても、美味しいし、何よりも黄色い食材が意外にないので、お弁当の色バランスには欠かせない。

 茹でタマゴやスクランブルエッグはそれほど失敗が少ないが、オムレツやダシ巻き玉子など、フワッと仕上げるタイミングや火加減がなかなか難しい。中でも、筆者が苦手なのが「目玉焼き」である。

  現在の家の調理器具はIHレンジである。平らなガラス面にフライパンを置いて中央を狙って割り落とすのだが、必ず縁の方に流れて行ってしまう。すると、フライパンの中央は薄く白身が残って先に焼け、焦げてしまう。一方、縁に移動した残りの白身や黄身は三日月状に固まり、しかも黄身に火が通るまで待つと、白身が焦げてしまう、という失敗を繰り返してきた。

 フライパンに10cmぐらいのステンレスの枠を置いて割り入れたりしたが、枠の下から流れ出して丸く出来なかった。

 白身と黄身の焼き具合のバランスを取るために、水を加えて蓋をするといいと言われるのだが、ガラスの蓋でも蒸気で曇ってしまうので、焼き上がりのタイミングが取りにくい。

 さらに、固まる温度の高い黄身を分けて先に焼き、その周りに白身を流し込んで仕上げるという方法も試してみたが、単に面倒と思ってしまった。

 希望としては、加熱が楽な電子レンジを使いたいところだが、電子レンジでのタマゴ調理はなかなか難しい。黄身に穴を適当に明けないと爆発する。穴を明けすぎると白身と混じってしまって目玉焼きにならない。

 目玉焼きの大きさはだいたい10cm だが、IH レンジで使える鍋やフライパンの直径は12cmが仕様のようで、この大きさがなかなかない。18cmのフライパンを見つけたが,これでもうまく丸い目玉焼きにならなかった。ガスレンジなどの直火対応のフライパンだと10cmぐらいの小さなタイプが販売されているのだがと思っていたのである。

 さて,今回見つけたのは,オーブントースターで使う「目玉焼き」プレートである。直径は12cm。アルミ製でフッ素コーティングがされている。タマゴを割り入れるとちょうど丸く広がり,黄身も中央に近いところにある。調理時間は3~4分。ちょうど食パンを焼くのと同じぐらいの時間なので,パン1枚と一緒にオーブントースターに入れてみた。ちょうどパンがいい焼き加減になるころに,目玉焼きもうまくできていた。オーブントースターだと,上下から加熱するので,黄身も上下から火が入り,中央が柔らかい状態の目玉焼きになった。白身も焦げていない。オーブントースターからパンとともに取り出して,パンの上にさっと載せて食べてみた。いやぁ,ちょうどいい焼き具合だった。

 筆者は,DIYショップの台所用品売場のフライパンの横で見つけたが,Amazonなどでも購入できるようだ Amazon|高木金属 目玉焼き プレート オーブントースター用 フッ素Wコート 日本製 デュアルプラス FW-MP|トレイ・盆 オンライン通販。安くて場所も取らず,手入れも簡単。2枚購入すれば2個同時に目玉焼きができる。オススメである。

 

 

 

 

ミニ「長座布団」でお昼寝最高

植木のための材料を探しにDIYショップに行き,まったく目的外のものを見つけた。商品ジャンルは「長座布団」と書いてある。大きさは横68cm,長さ120cm,厚さ8cmのまさに「座布団×2」という代物である。柄は藍染っぽいカスリ風の和モノのパッチワークである。

 筆者は,折りたたみ式のベッドを使用している。昼間は2つに折りたたんで壁際に寄せてあり,床はしっかりした空間として使える。ただし,テレワークのために椅子を使うと,ベッドを伸ばして置くだけの広さはない。夜は椅子を机の下に押し込んでベッドを伸ばす。このため,ベッドを伸ばした状態でちょっとしたパソコン作業をするのが困難になる。パソコン作業の途中でちょっと横になりたい場合,昨年購入したオフィスチェアをリクライニングにするのだが 思いのほか良さげな格安リクライニングPCチェア - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/10/10,クルマのリクライニングと同様,完全フラットにはならないため,背筋を伸ばす程度の使い方にとどまっていた。ヨガマットには少し興味があったが,厚さ1cmぐらいなので,ごろ寝には薄すぎる気がした。

 今回見つけた「長座布団」は,オフィスチェアと畳んだベッドのちょうど間の空間に入る。筆者は身長が170cm弱なので,頭からお尻までが座布団の上に乗る感じになり,脚は床に出てしまうのだが,サイズ感はこの部屋にちょうどいいのである。

 「長座布団」といいながら,一般に180サイズ,150サイズ,110サイズがあるらしい。幅はどれもだいたい65cmが標準っぽい。ごろ寝にはこれぐらいの幅がちょうどいい感じである。たぶん,筆者にとっては180cmだと長過ぎて邪魔,150cmでは足先だけが外に出て何となく中途半端,と感じるかなと思う。110cmは「赤ちゃんの布団」サイズだそうだが,筆者にとっては邪魔にならずちょうどいい感じである。

 この手の商品は,使っているうちにヘタってくるとのことで,中綿にウレタンマットを使う商品が結構多いらしい。筆者が購入したのはポリエステルの中綿である。日本製だが,商品タグには愛知県岡崎市の森商会というクッションメーカーの名前が付いていた。有名寝具メーカーもこの手の商品を作っているようだが,購入したような小さい(たぶん)メーカーの製品も応援してみたいと思う。

我が家は引き続きStay Homeなのだが

「日本での新型コロナウイルス対応ワクチンの接種が加速している」と盛んに報じられている。2021/6/7時点の数字を改めて確認してみると,計1834万8184回。このうち医療従事者は849万4017回(うち353万9085回は2回目)、高齢者は985万4167回(うち105万9471回は2回目),1回のワクチン接種を受けた人は人口の10.9%、2回のワクチン接種を完了した人は3.6%とのことである。

 1年前の統計になるが,65歳以上高齢者は,2020年は3617万人。総人口の28.7%だったようである。

 この2つの数字から計算すると,高齢者への1回目接種率は27%,2回目接種率は2.9%。そして64歳以下の若い人への接種率は,医療関係者以外は基本的には「いずれも0%」である。「医療関係者を入れて」「総人口の」で計算しても,正直言って意味がないと思うのである。

 筆者は,高齢者枠の中で一番若い年齢層に当たるが,すでに報告したとおり1回目の接種を受けた。本来なら,筆者が接種を受けた段階で,筆者より高齢の方は接種を受けているはずと考えれば,高齢者全体の1回目接種率が現時点で90%を超えていてもおかしくないはずである。

 5日前の6/5に筆者は「2021/7/23の段階での筆者の予測は,65歳以上の高齢者の1回接種率は30%程度,64歳以下は5%以下にしかならないと思っている」と書いた。この点からするとオリンピック開催時では,高齢者で1回目接種率27%はクリアしているようなので,予測を訂正しなければならないが,それでも90%超えのような数字にはならないような気がする。

 一方,64歳以下の接種では,大企業や大学などによる職域接種の申し込みが盛んに行われている。1組織で1000人以上。これが現時点で400社以上の申し込みがあり,6/21ごろから接種を始めるという。1社あたり1日で100人ぐらいはカバーできると思われるので,10日間で40万人が接種できる計算になる。

 高齢者が移動の不便さのために二の足を踏んでキャンセルが相次いでいる大規模接種センターも,若い世代には受け入れられると思われる。もともと,仕事世代にとって居住地周辺で接種を受けるには休みを取らなければならないという壁があったが,都心や県庁所在地周辺での大規模接種センターだと半日の休みで済むというメリットがある。接種ミス(希釈,接種間隔,ワクチンメーカー)なく進められることを願っている。

 しかし,「解除」「緩和」「完了」などの言葉によって,人々の緊張が一気に崩れるのか,人の動きがかなり活発になってきている。正直,まだまだ緊急事態宣言や蔓延防止等特別措置の最中であることが意識の中で希薄になっているのではないだろうか。

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2021/6/10時点の緊急事態宣言,蔓延防止等特別措置の対象都道府県

 このうち,群馬,石川,熊本の3県は,6/13に特別措置が解除される予定である。

 一方,オリンピックの聖火リレーは,今日から青森である。以下の赤く塗られた県は,すでに走り終えている。あと11都道県のうち5都道県が宣言・措置中である。

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2021/6/10までに聖火リレーが走った都道府県。今日から青森県

 ワクチン接種済み証でモノを割引するキャンペーンが始まっている。このためにデパートに買い物に来る高齢者がいる。ワクチン接種の帰りにお酒を飲んで飲酒運転で捕まる高齢者がいる。ワクチン接種したからと言ってパーティションを外そうとする高齢者がいる。

 2020年のGo Toキャンペーンのときも,感染者の多い地域から少ない地域への人の流れによって感染が拡大することを心配し,事実全国的な感染拡大が一気に進んだ。移動するなら,責任を持ってPCR検査を受けて陰性を確認してから移動することも提案した。PCR検査付きのツアーパッケージ商品は,いいアイディアだと思った。しかし,結局多くの人は,ただ遊びに行き,気晴らしに出かけただけになった。

 現在,緊急事態宣言が2度の延長の最中である東京でも,昨年の緊急事態宣言中よりおそらく2倍以上の人が行き来している。相変わらず,テレワークをほとんど顧みない中小の会社が多いようである。夜8時での飲食店の時短の影響で,この時間帯の駅周辺の混雑ぶりは肩がぶつかり合うような密度であり,想像を絶する。
 6/9の発表では,2020年3月からの新型コロナウイルスによる自宅での死者数が500人を超えたという。2021年5月中に97人。大阪が24人。兵庫12人、北海道と東京がそれぞれ10人だった。生前に検査で感染が判明していたのは39人で、残る58人は死後に分かったという。

 日々,新型コロナウイルスで亡くなる方も毎日50~80人おられる。1ヶ月に2000人前後。このうち5%が,自宅で治療を受けることなく亡くなられたことになる。

 何を言いたいかというと,「ワクチンの接種が加速」して感染者数に減少傾向が見られる,と言っても,十分な抗体ができると言われる2回目まで接種できたのが,高齢者ですらわずか2.9%,64歳以下は基本0%。この中で,ワクチン接種済み優待販売,東京オリンピックの開催が前提でのお祭り気分,宣言・措置も解除されるとの前提での高揚感,そしてこの「加速」「完了」「解除」などの前向きな言葉のマジックで浮かれる人が多い日本人の単純さ,平和ボケ状態を指摘したいのである。人心を惑わす言葉のマジック - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/5/7。とうとう,小池東京都知事の言葉のマジックも通用しなくなった。

 筆者は,ひたすら自宅のパソコンとにらめっこでワクチンのキャンセル枠をゲットし,前期高齢者としてはおそらくほぼ最速で6月中に2回目の接種を完了する予定である。ワクチン接種が完了したら,フルタイムで出社することを求められているが,これには応じないつもりである。基本的に引き続きStay Homeを続けたい。マスクなしで平然とジョギングしているような街には出歩きたくないのである。

 国民のワクチン接種率,特に若い世代の接種率が50%を超えるまでは,あくまでも人流を抑え,ウイルス感染拡散を防止することが,国民としての義務だと思っている。というのも,ワクチンを受けない残りの50%が,PCR検査陰性証明も持たない不届き者として野に放たれているからである。「野放し」になるワクチン未接種者。日本は絶望的な結果になると予測 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/6/7。他国では,ワクチン接種証明とPCR検査陰性証明が並行して実施されているからこそ,行動の解禁が行われているのであり,PCR検査ないし抗原検査の陰性証明を出せない日本は,最終的にウイルス感染を抑え切れない状態でまたリバウンドすると絶望的な予測を筆者はしているからである。国民全体にワクチン接種を義務づけることもできず,検査体制も整備しない体制で,日本国民は勝手な振る舞いを始める。強制力を持たない日本は,最悪のシナリオをたどることになると予想している。

「GPSでマスコミの行動を管理」--オリンピック貴族様にも適用できますか?

東京オリンピック2020が開催されるという前提で,準備が慌ただしく進められている。選手は,宿泊施設と会場,練習会場の3ヵ所に行動を制限するバブル方式での運用が提案され,バブル以外へは出られないことが取り決められている。競技に集中する選手は,おそらくこれを守るだろう。

 一方,会期中に来日する予定の海外の報道陣については,「GPSで厳しく行動管理する」とオリンピック組織委員会橋本聖子会長が発言した。

 新聞やテレビの記者は経験したことがない筆者だが,取材とは読んで字のごとく材料を集めるのが仕事である。記事の材料は,発表資料だけではない。記者会見での質疑応答もあるし,そのあとのぶら下がり取材もある。写真も,会見の写真だけでなく,会場の写真,さらに会場のある建物の写真なども集める。単にデータとして集めるだけでなく,自分の足で歩き回って,まったく関係のない人にインタビューしたり,別の場所から写真を撮ったりして,独自性を出そうとする。それが記者であり,報道カメラマンである。もらったニュースリリースをチャッチャッとまとめて発信するのは報道ではない。

 海外の報道陣なら,なおさら好奇心は強い。日本という特殊な国の中でオリンピックがどう進められるのか,歩きまわり,取材をして,記事にするのは当然である。その記者やカメラマンの行動をGPSで管理できるか,といえば「無理に決まっている」としか言いようがない。

 GPSで行動を管理しますよ,と言われて「はい,そうですか」という報道陣は1人もいない。ただでさえ好奇心の強い職業人である。警察の規制線を越えるなどお手の物。外出禁止令が出ていてもホテルでのんびりしている報道陣など1人もいない。GPSで管理されたスマホを部屋に置き,別のスマホやトランシーバーを持って勝手に外出するなど,目に見える。日本人ですらそう思うのである。

 強制的にGPSタグを身体に埋め込む,などということは実現できなくはない。やるならこの程度までしなければ,GPSでの行動管理などできない。しかしこれはもう人権問題である。ちなみに,GPSタグを身体に埋め込まれたとしても,普通の報道陣ならそのタグを手術して取り出してでも,外出するだろう。

 普通の人でも,GPSで位置管理をしたいと思うことはある。GPSをクルマや自転車に付けておき,万一盗まれたときでも見つかるようにしたい,という目的のGPSタグは何種類か発売されている。これを,自分のクルマに付ける人は実際には少ない。しかし,悪ふざけも含めて他人のクルマに貼り付け,その位置を取得するという犯罪行為も起きていないわけではない。スマホにアプリを勝手に入れてGPS機能で位置検出して浮気調査をするなどというのもドラマではあるが,実際は犯罪行為である。

 高齢者の見守りのために,GPS発振器を持たせるセキュリティ提案はあるが,徘徊してしまう高齢者がGPS発振器をいつも持ち歩いていることも考えにくい。

 以上のことから考えても,6000人もの報道関係者をGPSで行動管理するというのは,絵に描いたモチみたいなもので,ネコの首に鈴を付けるがごとく,理想論ではあっても実現性は極めて低い。

 ドラマでは,容疑者の行動管理は「張り込み」か「監視カメラ映像の分析」しかない。しかし当然のことながら,報道陣の行動監視はプライバシーの侵害に相当するから,これもできない。犯罪捜査でも,GPS発振器の使用は違法とされている。

 以上を見ても,GPSで行動を管理する,という発表があった段階で,これは発表会場の記者が実現性をもっと追及すべきで,こんな報道が大手新聞社も含めて堂々と流されること自体がおかしい。自分の行動がGPSで把握されることを考えれば,真っ向から否定してもおかしくない話題である。

 同じように,オリンピック貴族の行動もGPSで監視する,ということができるのか,と言えば,これも絶対にできないはずである。「無礼者!」の一言で片付けられてしまう。

 筆者がある新築の工場の合同取材に参加した際,機密設備とのことで,カメラや携帯電話をすべて入り口で預けさせられた。取材はコメントと記者の感想だけ。写真は後日,配布したものだけ,という管理だった。与えられた写真は,肝心の設備が写っていなかったので,「この設備の向こう側に○○の設備が置かれていて,長さは○○m・・・」などと言葉で説明した内容になった。

 当然のことながら,外観写真ももらいデータでしかないことが予測されたため,取材開始前にタクシーを飛ばし,工場が見える別の場所から遠景のカットを収めて掲載した。今なら可能ならドローンを飛ばすこともできただろう。

 このように,ジャーナリストはオリジナルなデータを探しまくるものなのである。もし,報道関係者の行動を管理するなら,報道関係者1人に対して1人,監視者を付けるしかないと思う。入国の段階からバディーとして常に行動を共にする。通訳の役割も兼ねる。ただし,宿泊施設で夜の行動を共にするかどうかまでは残念ながら結論が出せない。できれば一緒にいてほしいが,さすがに難しいかもしれない。

 行動の監視は,それほど必要である。動き回るマスコミも問題だが,たとえばほとんど観光招待旅行気分でいるオリンピック貴族様も,監視者を付ける必要がある。いかに難しいかが分かるだろう。

 海外からの観客は入国させないことになった。国内の観客は国立競技場で定員の6万8000人のうち1万人ないし5000人となりそうである。とうぜん,報道関係者は競技だけでなく観客の取材も行い,接触はありえる。報道関係者が規定の場所にとどまったとしても,報道関係者と接触した一般の観客が国内にまた散らばっていくことも考えられる。やはり,日本の観客も無観客にし,選手と報道関係者だけでオリンピックを開催し,あとは映像中継する,という方法しかないのではないだろうか。「オール・オンライン・オリンピック」で行こう - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/3/20。海外からの観客の案内などに登録していたボランティアの方々を,報道関係者の案内に回せば,6000人ぐらいは動員できるのではないだろうか。