jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

犯罪の刑罰は,被害者の精神的被害を反映し,極刑も

テレビドラマで,雨で傘を持って父親を駅に迎えに行った娘が男3人にレイプされ,生き埋めにされて殺された,というストーリーを,見る羽目になった。このストーリーでは,犯人の3人は逮捕され,8年程度の実刑を受けた後,放任されたとされている。そのタイミングで父親が復讐のために3人を殺そうとする,というものだった。

 犯罪を犯す人は,自己肯定しかせず,自分の行動の正当化しかせず,相手のことを基本的にまったく考えない。したがって,犯罪を犯しても基本的に反省することはない。もともと,そのような「反省する」という能力を持っていないので,何年拘束しようが,どのように更生させようが,治ることはない。

 一方,被害者側は,いきなり人生のどん底に突き落とされる。何度も犯行を受けた場面がフラッシュバックするPTSD心的外傷後ストレス障害)が一生続くことが多い。被害者本人だけでなく,犯行の現場,特に家族など身近な人が被害に遭う現場を見たりすると,これもPTSDとなる。現在の脳科学では解消できない傷となっている。

 (脳科学者というのは,一般人をだますクイズを考えているヒマがあったら,犯罪者に反省能力を与え,犯罪被害者のPTSDを解消する方法を必死で考えるべきだと考えている。でなければ,ただのタレントである)。

 犯罪者に対しての科料は,拘束期間の「長さ」では評価できないと思うのである。つまり,いくら拘束しても,おそらく絶対に「改心しない」と筆者は思うからである。むしろ課すならば,拘束ストレスの強さを与える必要があると考える。

 犯罪者の人権も配慮すべきというのが,弁護士側の理屈である。筆者にとっては,「黒を白という」仕事だと思えてならない。悪人度が強いほど,支払う金額も大きくなる。弁護士が儲かるような社会はろくでもないと思っている。悪徳弁護士などという言葉があること自体が,変な社会だと思っている。

 量刑を決め,それを課すには,機械的,AI的な手法を使うことが望ましい。人が課すと余計な感情が入ったり,制御不能に陥ったりするからである。服役者の本気度・ウソ度も正確に判断して,科料する必要がある。そのための方法が人によるとまちまちになる。すでに多くの犯罪者によるパターンができており,それに従ってストレス科料をする仕組みが必要だと考えている。

 近年の性犯罪は陰湿度が想像を絶する。しかも,睡眠薬の使用や,映像撮影とその拡散という取り返しのつかない手法が次々とエスカレートしている。これまでは,辱め以外に妊娠や性病感染,傷害という物理的な被害が中心だったが,現在は完全な「人格否定」「人格消滅」と同等の大犯罪になっている。それにも関わらず,薬物の入手が比較的容易な医療関係者,特に大学の医学部の学生や研修医,そして薬学部や病院関係者による犯行が非常に増えている。常に写真,動画,音声を記録してインターネットに発信できるスマホという道具を常に持ち歩いている。匿名で情報拡散することも簡単である。正直,女性にとってはまったく油断のできない時代になってしまったのではないだろうか。

 ならば,旧態依然とした拘束や更生プログラムは,まったく意味がない。犯罪者自身が更生しないばかりか,被害者の救済にはまったくならない。単に年数を過ごしただけで,改心したかどうかの具体的な評価がまったくできないからである。

 同様に,少なくとも被害者のPTSDに相当する科料を課すべきである。立ち上がれないほどのショックが10年以上も続くことを考えると,生半可な科料では引き合わない。痛みを伴う科料が必要である。それ以上に,人の痛みを和らげるのが仕事であるはずの医者,しかも未来の医者が犯罪者になっているという事実には,世紀末を感じてしまう。

 被害者が命を奪われた場合は,その家族の精神的な負担を積算すべきだし,人によってもその量は異なる。これを正当に評価するAI手法の開発と,それに見合った科料を課すマシンの開発により,多少なりとも犯罪の抑止力が働くのではないかと期待する。今の裁判による科料は,まったく無意味だと言いたいのである。

改めて「実」業を考える--どうやって国の「財」を築いていくべきか

戦後の高度成長期に,ベンチャー起業する若い人たちを「青年実業家」と呼んでいたのを思い出す。大企業の歯車になるのではなく,自ら市場を開拓して,財を成す意欲と,それに伴う膨大な収益が脚光を浴び,結婚相手のキーワードとして「三高(高身長,高学歴,高収入)」と並んで輝いていたように思う。

 実業と言っても,若者に当初資金がないため,これに投資するファンドが組まれた。ファンドマネージャーなる金融界大企業の暗躍によってお金が動いたが,結局成功する実業は少なく,膨らんだカネがバブルとなり,それが弾けて一気に経済貧国に落ち込んだ。金融大企業も倒産して崩壊した。

 現在は,この金融界でデイトレードなど個人ベースで活動する青年「虚」業家ばかりとなった。個人的には財を築いても,それはカネだけであり,何の「業(産業)」も生み出さない。要はバクチと変わらない。バクチで最終的に儲かるのは胴元であり,その胴元は海外にあるので,日本の財にはならない。

 もう1つの虚業が,エンタテインメントである。かつては,レコード,CD,ビデオなどのモノを動かす情報だったが,いまやすべてデジタルでストリーミングでやり取りされる。動画に至っては,テレビや映画といった表の世界の下に,ネット動画という裏社会が拡大し,氷山と化している。裏社会なのでコントロールができない。ルールもない。やったもの勝ちの世界である。そこにアメリカで実業として活躍したGAFAが足を踏み込みつつある。従業員を大量に解雇して固定費を抑えても,まったく問題ない。GAFAのかつての青年実業家たちが虚業家として裏社会に入り込もうとしているだけである。

 さて,ここからはどう動くかが,思案のしどころとなる。

   考えてみると、虚業の実体は「転売」である。人件費分の費用を上乗せして次に送るだけで、何の付加価値もない。土地転がしも同じである。それをうまい言葉でいうと「サービス」ということになる。

   サービス業、つまり第4次産業がGDP に寄与しない理由がここにある。頭を使ってモノを生み出さなければ国は豊かにならない。しかもその原料を海外に頼っていては、いつまでたっても転売ヤーでしかない。

   エネルギーと食料を、これまで海外に頼っていたところから改めて、日本で材料を調達して海外に販売し、外貨とともに信頼を勝ち取ることこそ、現代の若者が目指す実業ではないだろうか。期待している。

カセットボンベは災害時に役に立つのか--使用時間1時間の疑問

2023/1/21 最大級の寒波が到来すると予告されており,久しぶりに緊張している。例年,関東でドカ雪になるのはほぼ予告なしで,予告がある場合は空振りに終わることが多いのだが,今回はさすがに積雪になるかなと思っている。

 非常用にカセットボンベを買ってある。当初は卓上で鍋をするのに今のようなIH卓上コンロがなく,カセットコンロが便利だと思って導入したのだが,ガスボンベの取り付けや取り回しが結構面倒で,IH卓上コンロを購入後は災害用と割り切って閉まったままになっていた。カセットボンベも使用期限を過ぎてしまい,処分のことをいろいろ考えてしまっている。

 しかし,考えてみたのだが,災害時にカセットボンベはどれくらい役に立つのだろうか。

 筆者の場合,最近流行りのソロキャンプもしないし,家族で出かけるようなアウトドア派でもない。筆者の兄はアウトドア派で,登山にも使えるガスコンロなどを所持しているという。筆者がたまに行くDIYショップにもキャンプ用品が結構並べられており,そこにアウトドア用のガスコンロやガスライトなどを売っていることを知っている。しかし,これを買うことは意識していない。アウトドア用の小型のガスコンロを災害時とはいえ家で使うことはないと考えているからだ。

 大寒波が押し寄せるというので,家にあるカセットボンベを改めて見てみた。トップメーカーであるイワタニ岩谷産業)のLPG(液化ブタン)ガスボンベである。商品に問題はない。

 改めてアウトドア用も含めて検索してみると,家にあるスプレー缶型のカセットボンベは,CB型(カセットボンベ)というのだそうで,アウトドア用のOD型(アウトドア)とは性能がまったく違うことをまず認識した。さらに,CB型でも,中に入っているガスの種類がいろいろあることを知った。

 家にあるイワタニのCB型カセットボンベにはいっているブタンガスは,気化温度が10℃と高く,気温が5℃以下ではほぼ使用不可らしい。まさに家庭用のカセットボンベである。自宅で卓上で鍋を温めるといった用途には使えるが,どうも冬場の災害時にはあまり役に立たないようである。

 しかも,使用時間は最大火力で約1時間という。これでは1食分の調理しかできない形になる。1日3本,3日で9本として,調理時間以外に暖を取るという使い方をすることもできない。

 アウトドア用のOD型には,気化温度がマイナス10℃タイプやマイナス40℃タイプがあるようである。マイナス40℃タイプはプロパンガスが入っている。家庭用の大型プロパンガスが冬場でも使えるのは,ガスの種類が違うからなのだと改めて認識した。

 考えてみれば,石油ストーブは1回の給油で30時間ぐらいは燃え続けると思う。暖を取りながら,天板にヤカンや鍋を載せて調理もできる。灯油が重たい,ベタベタするなどの不具合を我慢すれば,災害時の装備としては電源不要の石油ストーブがベストのような気がする。余計なゴミも出ない。最近,薪ストーブに熱電対を取り付けて,燃焼熱を利用して発電する工夫が見られる。石油ストーブと組み合わせれば,煖房,加熱調理,そしてスマホ充電が同時にできるのではないか。そんなことを思っている間に,カセットボンベ1本を使い切ってしまった,というのが今朝のオチである。

仕事に誇りがあってもペイがなければ人材不足に--仕事作業量をApple Watchで計測しAIでペイを決める方法を提案

日本中が人材不足だと悲鳴を上げている。学校の先生,保育園の保育士,病院の医師や看護士,製造現場,そして研究者。また日本を守り,災害救助に携わる警察官や消防士,自衛隊員も不足していると報道されている。食料を供給してくれる農業,水産業の従事者も不足しているという。

 業務の量が変わらないとすると,働く人が少なければ必然的に1人当たりの業務量は増える。1人の業務の量が増えるのに給料が増えなければ,不満は膨らむ。その先に離職があるとすると,働く人はさらに減り,1人当たりの業務量はさらに増え,不満がさらに膨らむ。こういったマイナスのスパイラルに入ってしまう。

 離職以外に,業務中の不満のはけ口が仕事の相手や外部に向かうことも増えている。教員や保育士による子供への暴力,看護士,介護士による患者・利用者の殺害,警察官や消防士,自衛官による犯罪も報道されている。

 一次産業(農林水産業),二次産業(工業)では,人材不足を海外からの人材で補ってきた。彼らにとっては,自国で働くよりも高い給料を得られるというのが理由だったが,昨今の円安によって日本で働く魅力は減っている。日本人労働者よりも人件費を抑えるという理由は通らなくなってきている。しかも,残念ながら日本人が外国人を100%受け入れるマインドは高くない。外国人労働者に対する待遇を高める余地も減っている。

 基本から考え直してみると,仕事をする理由はお金を得ることである。ならば,組織は労働者に対して提供される労働力に見合った給料を支払わなければならない。支払う給料の原資は,組織の収入である。会社であれば売上を上げることである。公共的な組織の場合は,適切な税金収入を得ることである。

 企業の場合,売上を上げるには魅力的な商品の開発とその販売が必要になる。特に販路としては,外貨を稼ぐことが求められるので,輸出できるものを開発して,海外に買ってもらう必要がある。

 企業が売上を上げ,収益を上げることで,働く人の給料が増え,したがって労働意欲が上がり,さらに生産性が上がるというプラスのスパイラルが発生する。外貨を獲得することで,国のGDPは増え,これによって企業から多くの税金を収めてもらえ,これによって国が潤い,公共的な組織に働く人にも正当な給料を支払うことができる。

 円安や,製造業の海外流出によって,企業によるということ外貨獲得は非常に難しくなっている。国の税収は上がらない。そのしわ寄せの一つが公務員の給与ということなのだが,企業と違ってリストラができないのが悩みである。しかし,減ることのない給与を払うことによって,国民や市民に対する必要なサービスに使える予算が減っているのではないか。サービスの質や量が低下し,国民や市民が不満を覚え,結局それが行政に対する不満として苦情が寄せられる。しかし公務員側は業務範囲外だと突っぱねてしまう。これでは不満が不満を呼ぶというマイナスのスパイラルになってしまう。

 一方で,公務員の業務も増え続けている。破産して潰れることがないため,同じ仕事を定年まで続けていれば,あとは一般企業よりも高い年金生活で過ごせる,というのが公務員のこれまでの魅力だった。経済がどうひっくり返ろうと,公務員の生活は安泰で,安定した仕事だからである。しかし,業務の電子化に伴って,業務内容もそれを覚えることも増え,漫然と仕事をしているわけにはいかなくなった。きちんと業務をこなして当たり前としか,市民からは思われないので,達成感もない。不満をぶつけられても反論することはできず,ストレスは溜まる。こちらもいいことは何もない。

 と,ここまでの議論はどの評論家もするが,結局何の解決策にもならない。「給料を上げた方がいい」とも言われるが,それは当たり前であり,しかしその額を決める基準もないし,原資もないから,実現することは難しい。常に空論だけが飛び交っている。したがって,「18歳以下の子供全員に月5000円,初年度は6万円を一括給付」とぶち上げた小池都知事の暴論のような政策が結局は評価されることになる。根本的な解決にはならないが,少なくとも法人税や固定資産税の規模は他の府県とは比べ物にならないために実現できるアイディアである。

 さて,実現には少し時間がかかるが,1つのアイディアを思いついたので提案したい。それは「仕事活動量に応じた給与の算出にビッグデータを使う」というアイディアである。

 筆者はAndroid派(というかアンチアップル派)なのでApple Watchを知らないが,息子は絶賛しており,筆者の妻にも勧めている。2022年あたりからのCMでうたっている健康管理機能が面白いのと,メールなどの通知のためにiPhoneを開くことが激減し,スマホ依存でなくなったからだという。

 スマートウォッチの24時間測定が「目からウロコ」 - jeyseni's diary 2021/2/5 と,筆者もスマートウオッチデビューはしていた。しかし残念なことに腕時計をする習慣から遠ざかってしまったので,感覚的に使用をしなくなった。すでに報告したとおり,その1年後には筆者を除く家族全員が新型コロナの陽性となり,体温測定などのニーズはあったのだが,家族には提案できなかった。

 で,Apple Watchに戻ると,日本のスマホ人口の2/3を占めるiPhone所有と同時に,Apple Watchも着用してもらい,業務中の活動量を計測してデータを蓄積するのである。計測項目として,心拍数,体温,血圧という健康管理系に加え,移動距離,移動速度・加速度,手足の動作量,トータル運動量(カロリー消費量),会話量,キーボード操作量,マウス操作量,PC使用時間と負荷(自動処理を含む),を提案する。

 正直,筆者も自分の仕事作業量はそれほど多くないと考えている。というのも,頭で考えている比率が高く,結果として文字を打ったりする時間は短いからである。人から見ればのんびりと椅子に腰掛けてボンヤリしているように見えるかもしれない。実際,何もしていないタイミングもあるが,だいたいは次に何をするかを頭の中では考えるという知的作業だと思っている。これを評価されないのは厳しいが,業務によってその係数は変動するだろう。ただし,現在は基準がまったくないので,オーバーワークになってしまうため,これを評価するためにビッグデータを活用し,AIによって適切な係数を決めていく方法が必要だと思うのである。

 一般企業でも導入してもいいが,係数はかなりバラつくだろう。やはり公務員や公立教員,医療従事者,介護従事者,警察・消防・自衛隊など,一般市民を相手とした業種でまず導入してはどうだろうか。おそらく,医療関係者よりも介護関係者が同一かそれ以上のペイが必要と判断されるだろうし,教育関係者は日々の作業量に加えて仕事の結果としての人間育成への貢献という大きなファクターを加えなければならないだろう。単に仕事の誇りだけでなく,それに見合った報酬を与えなければ,建設的な仕事などできない。

 この流れの中で,どこに仕事の流れの問題点があるのか,そのカイゼンの方法や合理化の方法なども,可視化できると考える。子供全員にタブレットを配布して結局遊びにしか使われないようにするよりも,教師にApple Watchを配って仕事を正当に評価する方が,将来の人材育成には効果的ではないだろうか。先生方には,正当な評価を得られるまで頑張ってほしい。

モノづくり企業に伸びしろ--人のやる気を伸ばしてコストを下げる管理

ユニクロが,全社員の月給を10万円上げると発表した。初任給でも30万円になるという。さらに将来的な増額もあり得るという。

 菓子業界のシャトレーゼは,2016年以降,毎年5%の給料アップを続けているという。また墨田区の町工場でも,毎年給料アップが実現しているという。

 業界トップ企業で価格リーダーとなっているのは,すでにその経営で黒字を出しており,その利益を内部留保するか,社員に還元するかで後者の選択をしたことになる。町工場の例では,新しい市場を獲得して売上を伸ばしたことが功を奏している。

 マスコミは,こういう話題を大々的に成功例として取り上げることで,まるで自分たちの情報発信のように騒いでいるが,その情報提供を利用して自分たちの業界で給料アップが実現していないことを経営者に訴えているかのように見える。

 モノづくり企業には,まだまだ伸びしろがあるのかもしれない。原材料を購入し,それを加工し,販売する,という流れの中で,材料の変更,加工の合理化,販売の拡大など,さまざまなアイディアが出てくる。かつて,トヨタ自動車が行った「カイゼン」運動にしても,モノづくりが結果に反映するという喜びがあったから,やる気も出たのではないだろうか。モノを生み出すというのは,それほど刺激的な仕事なのである。

 ユニクロシャトレーゼも、共通するのは、自社単独で原料から製造、販売までコントロールしていることである。トヨタもグループ企業という形で管理をしていた。カイゼン、工夫の余地はいろいろあった。

   これが、資本関係のないただの業者としての付き合いだと、安いオファーの業者が残るものの、結局無理のしわ寄せができて、双方共倒れになりかねない。業者イジメ、子会社いじめが横行する。

   給料や手当、そして自転車報奨金など、社員の活性化にはやはりお金は重要である。正社員には賞与を出しながら、契約社員には給料を下げるという逆のことを平気でするようでは、先は真っ暗である。まあ,外注ばかりしている会社は,経費の大部分は人件費なので,給与を下げる,あるいは人員を整理するしか方法がない。いずれにしても,やる気も下げて効率がさらに下がるというマイナスのスパイラルになるだけである。

水の中は見えないから怖い--個人的な感想です

2023/1/10,海上自衛隊護衛艦「いなづま」が瀬戸内海で浅瀬に乗り上げて航行不能になった。スクリューも損傷したという。一方1/18には,新潟海上保安部の巡視船「えちご」も浅瀬に乗り上げたというニュースが報道された。

 筆者は,足が地に着かない飛行機や船舶が基本的に怖いし,水泳も好きではない。まして,スキューバダイビングはするつもりもないし,スカイダイビングやバンジージャンプも絶対にしない。

 小学生のころ,旅行で漁師町に行き,漁船に乗せてもらったことがあった。夏の日本海で波も穏やか。港からかなり離れたところでも船の上から海底の様子が見えるほど透明度が高かった。砂地の間に岩が見え,そこを泳ぐ大きな魚も見えた。

 まるで吸い込まれるような錯覚を覚えるほどだった。ひょっとしたら,あの魚が海上に向かってくるのではないか,という思いをしたのを思い出す。このときの経験があるからか,海で泳ぐとき,足元が急に深くなって足が海底に着かなくなった辺りでは,何か海の底から向かってくるのではないかという恐怖を覚える。サメかもしれないと思うと,もう海にはいられなくなる。

 水の中は,基本的に見えない。特に,普通に泳いでいると顔は水の上にあり,足元は見えない。プールだとぶつかるものはないが,海だと岩に足をぶつけることもある。

 船の航行には,水先案内人が必要な航路がある。東京湾も大型船が通れる航路は非常に限られており,大型船の航行のために専門の水先案内人が乗り込んで航路の指示をする。でないと,浅瀬に乗り上げる事故が起きかねないからだそうだ。

 今回は,海上自衛隊海上保安部の大型船による浅瀬乗り上げ事故である。何をしているんだ,という思いがした。まるで免許初心者による壁摺り事故ではないか,と思った。

 1つは,こういう緊急用船舶にソナーのような海中障害物を検知する仕組みが付いていないのか,という疑問がある。航路に対して,その安全性を担保するための仕組みがあってもいいのではないかと思ったことである。

 もう1つは,日本の周りに出没する他国籍の船舶に対しての抑止力になるはずの船舶が,この体たらくではバカにされてしまうのではないか,という懸念である。

 海上自衛隊の記者会見で「国民の皆様にご心配をかけました」という言葉があったが,これが本当に重大な事態であるということを認識しているのだろうか,と思ったのである。

 2022/1/31には航空自衛隊のF15戦闘機が海上に墜落する事故があった。何万回の飛行の1回という稀な事故だと思うのだが,本当の有事になったときにどこまで対応できるのか,という疑問を持った。

 自衛隊海上保安庁が,日々,過酷な状況で任務に当たっており,そのための厳しい訓練を積んでいることは,最近のテレビ番組でよく紹介されるようになったので,理解を深めているつもりである。しかし,さまざまな不祥事も明らかになっているほか,幹部は定員に達しているものの,現場の隊員が人数不足であることも明らかになっている。防衛予算を増やし,装備を増やしても,それを運用できる人員が足りないのでは,防衛すら難しいのではないかと思わざるをえない。

 訓練を効率よくするために,センサーやAI制御などのインテリジェントな装備を加える必要があるのではないか。無人機による警備などにも予算を振り当てる必要があるのではないか。水中の異物の検出とその回避のための自動操作も,追加で必要なのかもしれない。

可燃ガス入りボンベの処理はなぜ難しいのか--カセットガスボンベの寿命も気がかり

東京・六本木のマンションで火災が発生した。「スプレー缶のガス抜きをしていた」のが原因だという。同じように,消臭剤スプレー缶のガス抜きで爆発事故が2018/12/16に起きている。六本木の事故で,何のスプレー缶なのかについての記述がないが,それほど多くの不要な缶があったのだろうか。

 いずれの事故も,片付けの仕事の一環として今回は30~50本,札幌では120本ものスプレー缶のガス抜きをしたという。可燃性ガスが大量に放出された状態で何らかの火花で爆発したと考えられる。

 ほぼ使い切った状態でも,穴を開けてガス抜きをすると異臭が広がる。消臭剤では基本的に何らかの香料物質が含まれている。未使用状態の消臭剤なら,ボンベ1本でも相当な量の匂いが発生する。これを何十本も放出したとすると,その時点で周囲にも迷惑がかかるはずで,仕事だとしても何か別の方法を提案すべきではなかったのか。六本木の事故で,何のボンベを処理したのか不明だが,やはり相当な匂いが漂ったのではないだろうか。

 個人であれば,自治体のゴミ収集ルールによる。今回の場合,港区では専用の機械によって安全にガス抜きができるようになっているという。しかし,これが廃棄のための仕事だとすると,短時間に処理する必要があり,片っ端から穴を開けたと思われる。当然,ガスの密度が上がり,爆発の可能性は高くなる。この辺りにどうして思いが回らなかったのだろうか。

 もっと厄介なのは,カセットガスボンベである。消臭スプレーのように,可燃性ガスで圧力をかけているのではなく,内容物そのものがLPガスなどが圧力で液化した状態である。液そのものも蒸発することで可燃ガスになる。膨大な量のガスになる。しかも,ガス漏れ検知のために特殊な匂いもつけられている。

 このカセットガスボンベは,缶の寿命が約5年とされている。これを過ぎると缶の継ぎ目のゴムが劣化し,ガス漏れを起こす危険がある。カセットコンロで使用している間にガス漏れが起きると,爆発の危険がある。しかし,防災用途で準備していた場合,この期間を知らない間に過ぎてしまう。

 一般のスプレー缶に比べて,中身は単一である。しかもLPガス自身が劣化することはない。できればガスは回収して再利用してほしい。しかし,市の回収マニュアルには「カセットボンベは中身を使い切ってから」と書いてある。

 結局は,専門の回収業者に依頼するしかないようである。カセットボンベは,メーカー品で1本250円ほど。ノーブランド品なら130円ほどで購入できる。しかし,回収依頼の場合,1本800円ほどと配送料自己負担が必要となるようである。しかし,爆発事故を起こすよりはマシかもしれない。

 非常常備品は,水にしても食料にしても,知らない間に期限切れになっていることが多い。食品は意外に食べることはできるが,ガスは厄介である。