全国5000万世帯に2枚ずつ布製マスクを配布するという。単純計算で1億枚である。よく数か確保できたと思う。どう見ても,布製マスクは手作りに近い。手で押さえながらミシンで両側を縫い,ゴム紐を結ぶ作業があると思われる。袋詰めの作業も必要だろう。
1枚の布製マスクを作るのに,1分はかかると仮定しよう。1000人が3ヶ月(100日),1日16時間働いて,9600万枚という計算になる。
これに対して,使い捨てマスクは機械があれば自動生産できる。おそらく1分間に50枚はできるのではないだろうか。
あのシャープが,2020年3月24日にマスク生産を始めると発表した。当初 約15万枚/日。目標は50万枚/日だという。上の計算で,1分間50枚とすると24時間(1日)で7万2000枚。つまり,上記の機械が2台あると想像できる。実際,2本の製造ラインのようだ。これを50万枚/日まで増やすという。
これで計算すると,200台の自動機械があれば,1日で1億枚は作れる計算になる。毎日1億枚,つまり日本人が毎日使える使い捨てマスクが供給できるはずである。
中国から半分を輸入するとして,100台の機械が日本にない,というのだろうか。
仮に機械メーカーなど製造業の会社1社が2台の自動生産機械を入れたとして,1日50万枚が生産できる。すでに稼働している機械が20台あるとして,あと80台分,つまり40社が生産のために手を上げれば,1日1億枚を供給できることになる。
今や,自動車も8割も生産減になっており,従業員を休業させているという。テーマパークで派遣社員を全員解雇するケースも出ている。3月13日に発表されたマスクの緊急製造の補助金を申請したのはシャープも含めて8社(1社が辞退)。業態に関わらず,もっと多くのメーカーが,マスク製造に名乗りを上げてもいいのではないだろうか。
少なくとも今後1年間は,世界中の需要を考えるとフル生産して元が取れると思われる。「外部有識者による厳正な審査を行った結果、8件」という表現
https://www.meti.go.jp/information/publicoffer/saitaku/2020/s200313001.html
が変に引っかかる。再度,募集してでも生産能力を高めて,世界に貢献できることを示してほしい。さらに,この原料である不織布についても,生産能力を上げ,製造コストを下げて,潤沢な供給が行われる努力をしてほしいと思う。