インフルエンザウイルスや今回の新型コロナウイルスの検査には,綿棒を鼻腔の奥まで差し込んで粘膜表面をこする方法が基本になっている。これは医療行為のため,医師しか検査をすることができない。患者と対面しての作業となるうえ,鼻腔を刺激された側は,どうしてもくしゃみをしてしまう。飛沫の先は,検査をしてくださった医師に向かう。医師は,医療用マスク,防護シールド,防護服という出で立ちで対応してくださるが,患者のくしゃみ飛沫による感染の危険性が極めて高い。
医療行為の除外例として,体温や血圧の測定,軟膏・湿布・点眼・内服薬・座薬の適用(後半は条件付き)などがあるが,極めて限定的であることは確かで,医師がいかに患者の体に負担や傷害を与えないように医療行為をしているかが理解できる。
それを理解したうえで,今回の新型コロナウイルスの検査だが,検査に当たる医師が極めて危険な環境に置かれていることが問題を重大にしている。検査に続く治療という重要な役割を持たされているにも関わらず,検査の段階で医師が感染する例があとを絶たない。マスク,手袋を皮切りに,検査キット,防護服,人工呼吸器,ECMO(人工肺)まですべての機材が足りないのと合わせて,医師・看護師も足りなくなる医療崩壊が起きつつある。
検査時間が短い検査キットの開発も重要だが,医療行為なしで自宅で感染判断ができる検査キットの開発が求められていると考える。上記のように体温や血圧など,機械による検査は個人で可能である。また,妊娠検査のように尿で判定することも個人で可能である。唾液も対象となるかもしれない。
さらに,飲み薬による判定も可能なのではないかと考える。判定の基準は,翌日の便の色である。感染のある場合は指定色の便になるなどの簡易判断で家庭でのチェックができるのが望ましい。
発熱や咳があっても,PCR検査では陰性となるケースが多い。空港や建物などの入口でのサーモグラフィーによる選別は,ほとんど気休めだったのではないかと思えるほどである。味や匂いが感じられなくなる,というのも一部の患者でしかない。
インフルエンザの場合は,感染してから熱や倦怠感などの症状が現れるのが2日ぐらいで,医療機関での検査で確定できる割合も高い。新型コロナウイルスは,感染してから症状が出るまで2週間,症状が出た時点から急速に容態が悪化するケースが多い。したがって,症状が出ない段階で医療機関に頼らずに検査できる方法が望ましい。治療薬の開発とともに,家庭用の簡易検査キットの開発が望まれる。
素人による無理なお願いだが,なんとか知恵を出して開発していただきたい。