jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

災害時の電力と熱源の確保について

災害時によく問題になるのが,俗に「ライフライン」という変な和製英語で表現される,電気,ガス,水の供給問題である。

 災害で被害が大きい地震では,地中の配管の切断が起きるため,ガスと水の供給が止まり,また復旧にも時間がかかる。特にガスは全く漏れ出しがないところまで確実に復旧させる必要があり,復旧の一番最後になることが多い。水は,配管の途中から漏れることをある程度許容して徐々に復旧範囲を拡大できるため,ガスよりは復旧が早い。

 一般に電気は,さらに復旧が早いとされている。電力ケーブルが地中にあっても,地震で寸断されることは少なく,また地上の電柱の上に電力ケーブルを張っている場合は,電柱が大幅に損壊しなければ切断個所の発見も比較的早く,復旧も早い。

 しかし,2019年の台風19号による強風で,千葉県で数百本の電柱が根こそぎ折れてしまう災害が起きた際には,電柱の新規設置から始める必要があり,電気の復旧に数ヶ月かかった。

 水は,給水車からの配給を溜めておける。調理用のガスは,小型のガスコンロや旧型の石油ストーブである程度しのぐことができる。しかし,電気は溜めておくことができない。

 電気がなくなると,現代生活は本当に不便である。冷蔵庫が使えないと,食料品を保存できない。夏場はエアコンを使いたいが使えない。この2つが使える補助電源をどう確保できるかを,いつも考えている。

 こういうときに役に立たないことが露呈するのが,太陽電池パネルである。大型テレビは映らない。エアコンや冷蔵庫も動かせない。大型蓄電池とのペアがなければ,照明がほしい夜間には発電しないから使えない。結局,太陽電池パネルに加えて大型蓄電池でも投資しなければならなくなる。

 家庭用の小型発電機もいろいろ考えてみた。ガソリンエンジン式のもの,カセットボンベ式のもの,そして大型バッテリーなどを検討したが,まだ結論に達していない。

 カセットボンベ式は,大手メーカー品であり,騒音もないので大丈夫かなと思ったりしたが,カセットボンベ2本で2時間しか発電できない。しかも,ガスを燃焼させるわけではないので,一酸化炭素が出てくる。室内で使うことはできないし,屋外で近所に撒き散らすのも問題がある。

 ガソリンエンジン式は,1回の給油で8時間連続運転ができる。しかし当然のことながら排気ガスが出るし,そこには一酸化炭素も含まれる。さらに騒音がかなり大きい。

 それでも災害時用と割り切ればいいかと考えていたが,月1ぐらいで運転メンテナンスをしないと,いざというときに動かなくなるという話を聞いたので,却下した次第である。

 日産自動車のリーフを導入するという手はある。テレビCMで「リーフだけで何日?」とあるが,一般家庭だと4日間はテレビもエアコンも冷蔵庫も使えるそうである。300万円という価格は大きいが,非常時以外にももちろん移動用に使えるので,最も有力候補である。

 もう一つ,カセットボンベではなく,家庭用のプロパンガスを使うタイプの発電機がある。小型のボンベで2日ほど発電できるようだ。メンテナンス不要という点も非常用には有利である。燃料の確保も比較的容易だし,場合によっては火力としても使える。しかし,一酸化炭素の排出はある。屋内設置用に排気管もセットになっているが,怖いと感じる要素は残っている。

 ということで,長年乗り続けている今のクルマをリーフに代えるという話なのだが,現時点では他社からの追随がなく選択肢がほかにないことが最大の悩みである。VHS対Beta,液晶対プラズマなど,1社一人勝ちという構図はなかなか難しい。同じ日産車の「e-Power」車は,いわばガソリン式の発電機を積んでいるが,発電時の排気ガス量は少ないのである程度許されるかもしれない。

 災害時に役に立たない現在のハイブリッド車は,部品点数も多く,なぜこれが売れるのかがわからないほど,おかしな設計の代物である。海外のクルマメーカーは電気自動車一本に切り替えることが見込まれる。中国やインドの電気自動車化がかなり進んでおり,価格破壊も期待される。これらによって,日本のクルマメーカーもハイブリッドをやめて電気自動車にシフトすることを期待し,価格が落ち着くのを待っているところである。電気自動車導入までに災害が起きないことを祈るばかりである。