jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

火は「消しても消えていない」。AIで効率良い消火活動を

ソロキャンプが流行しているらしい。基本的に筆者はソロキャンプには大反対である。キャンプのスタイルだけが良さげに取り上げられるが,キャンプする場所,セキュリティ,後片付けなどの問題は,あまり取り上げられていないのではないか。特に火を使う場合は,厳重な管理が求められるし,夜間のセキュリティの保証はない。また,トイレの始末,燃やした火の始末,木の伐採の可否など,配慮できる人がどれほどいるのだろうか。おそらく,指導をしても聞き入れない人が大半ではないかと思うのである。

 さて,話題は「火」である。カマドで火を使うにしても,着火はともかくとして,最後は木材に火を移して大きな火で調理をする。問題はこの火の点いた木材の処理である。大人数のキャンプでは,食事後は火を消して就寝態勢に入るが,ソロキャンプではこの残り火を楽しんだりするのではないか。アルコールも入るだろう。火の処理がいい加減な状態で寝てしまったりする。水をかけて火を消すとなると,ジュッと音がして一気に現実に引き戻される。キャンプを楽しむ中で,極めて興ざめする一瞬である。ソロキャンプでは,チョロチョロ燃えた状態で寝てしまったりするのではないだろうか。これがまず,山火事の原因となる。

 そうでなくても,穴を掘って火種を埋め,水をかけて消火するというのが最低限必要だが,火というものはそう簡単に消えるものではない,ということをどこまで認識しているのか疑問である。

 表面に水をかけて火は消えても,木の内部では数百℃を保ったままになっていることも多い。土に埋めて酸素を遮断したつもりでも,酸素は供給され続けており,周囲の枯れ葉などに再び着火する可能性も残っているのである。こういう指導がどこまでされているのだろうか。

 水源の汚染,山火事の可能性,そして現状復帰など,キャンプのマナーは枚挙にいとまない。それを認識せずにソロキャンプに向かう人がないことを望んでいる。

 山火事と言えば,オーストラリアやニューーランドで起きた山火事で多くのコアラが死滅したニュースが記憶に残っている。消火活動に当たる消防隊員の活躍には頭が下がる。消えたように見えても,足元に火が残っていて,そこに踏み込んで命を落とすこともあるそうだ。もともと水も少ない地域だけに,消火活動は困難を極め,その残り火もなかなか解消しない。「消しても消えていない」のである。

 同じように,一般住宅の火災でも,「消しても消えていない」状況が常にある。火災の発見が早く,消火活動も早い段階で始まったとしても,結局,鎮火するのに1時間も2時間もかかり,あっという間に「全焼」になってしまう。初期消火の大切さを改めて思い知らされる。

 火事の消火には,基本的には水を用いる。燃える材料と空気を遮断するとともに,温度を下げてそれ以上燃えないようにする最も有効なのが水だという。それでも,1時間2時間燃え続ければ,全焼してしまうだろう。化学消化器,二酸化炭素消化器,フロン消化器など,さまざまな方法が開発されているにも関わらず,即座に火を消す技術がまだない。

 ベテラン消防士を信じていないわけではないが,どこにどのようなパターンで水をかければ最も効率よく火勢を弱められるか,燃焼物の温度を効果的に下げて類焼を防ぐか,などにAI技術を導入できないものかと考えている。はしご車の先端に,映像用カメラと赤外線センサーを装備し,複数の放水ノズルを持つユニットを取り付けて消火に当たる。消防士は,人命救助に専念し,消火はAI搭載消火ユニットロボットが担当するというスタイルである。火元に近いところまで近づけるので,消火の効率も上がると考えるのである。二酸化炭素の噴射,化学消火剤の噴霧なども,状況に応じて加え,消火効率を上げる手法が求められる。