jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

人の行動パターンは変わらない

「Go To トラベル」に東京が解禁されようとしている。観光客とそれに伴う飲食,土産物購入などの需要喚起によって,経済を維持しようとするこのキャンペーンに,東京が加わることで,一気に移動する人が増えることが予想される。お金の移動とともに,新型コロナウイルスの移動拡散が懸念されているが,筆者はこれは「東京」に特定した話ではないと考えている。

 緊急事態宣言を中心にさまざまな自粛が要請された。筆者はビビリなので,テレワーク,マスク+フェイスシールド,アルコール消毒を徹底し,人との接触を極力避ける行動を取っている。家というシェルターを守るためである。もともと我が家は外食率が低く,また旅行率も低い。無農薬野菜などの宅配を長年続けており,牛乳やパン,卵などはスーパーマーケットで購入しており,それ以外はほとんど生活パターンが変わらない。残念ながら「Go To トラベル」が始まって宿泊費などの補助が出て安く旅ができる,と言われても,ニーズを感じない。したがって移動もしないので,他県に感染拡大させる迷惑をかけることもないと思っている。

 逆に,自粛を要請されて普段の行動パターンを封じられた人は,「解禁」と聞いてすぐに元の行動パターンに戻るのだと思う。自粛中にストレスを受けて体調や精神面でも不調に陥っていた人が相当な数になるという。こういう人たちは,コロナ前と変わらない行動パターンを取り,外出,外食,遠出などの需要を喚起する原動力になるのだと考える。

 行動することによって経済は回るようになるが,感染拡大のリスクもやはり高まることが懸念される。というのも,経済が回るといっても100%回復するわけではないからである。現地での滞在時間の短縮,土産物購入量の減少などにより,同じ1家族が動いても経済効果は60%ぐらいにしかならないのではないかと考える。一方で,開放されたことによる行動パターンは日本人特有の「旅の恥はかき捨て」で,現地でのマスク不着用,高歌放吟,繁華街への繰り出しなどによって,現地での感染拡大リスクは200%以上となる危険がある。

 「Go To トラベル」で移動する人が,どこまで自覚した行動を取れるかが,キャンペーンのカギを握るのではないかと思う。国内航空機内でのマスク着用を拒否して,トラブルを起こす事例が8/11にニュースで知らされた。移動する人には,何らかの誓約書が必要ではないだろうか。移動の際のマスク着用,乗り降り,入退室の際の手指消毒,ソーシャルディスタンシングの遵守などを守るという誓約書を書き,これを携帯して移動することを最低限求めたい。

 公共交通機関を利用する際,改札内への入場や車両への乗車の際にマスク着用を義務付けることを国土交通省が提案して交通機関側に徹底させることを流行当初から提案していた。新しい時代の新しいマナーの一つとしての「しつけ」になるはずだったのだが,結局発令されず,これが「Go To トラベル」でも活かされなかったことになる。

 人の行動パターンは変わらない。東京がキャンペーンに加わることで,さらなる感染増にならないことを願うばかりである。