jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

女性よ,今こそ「夢」を持って独立せよ

一般に,男性は100人が100人とも仕事を持ち,税金を払い,世帯主として家庭を築くことが標準な形とされている。家庭を築くためには,同じ数の女性が必要である。人口に占める男女の数はほぼ同数なので,この公式があるとすると,女性は家庭に入って専業主婦となるか,家庭に入って家事をしながら仕事をするか,という2パターンしかなくなる。

 女性が主体的に仕事をする場合,家庭を築いてしまうと,家事をしていては仕事にならない。家事も普通にこなそうとすると,仕事への頑張りに200%の力を注がなければならない。家事も短時間でこなしたりするために200%工夫をこらさなければならない。パートナーの男性は,もともと家事をする気はほとんどない。家事を普通にするように教えられていない。結婚を機に「家事も積極的に分担します」と言ったとしても,せいぜい風呂洗いや洗濯物の取り込みぐらいで,炊事・洗濯・掃除・育児に100%コミットすることはほとんど期待できない。結婚して共働きになって,失望するのは女性側である。

 20世紀まで,日本を支えていた会社は,中小企業やサービス業,農林水産業を含めて終身雇用制か自営業である。自営業は基本的に終身性である。男性は「家」を相続する役目も担っていた。次男以降は「家」を出て,新しい「家」を作る必要があった。分家として同業となる以外に,全く新しい業態に乗り出すことで,産業の幅が広がって行った。ところが21世紀に入って経済が停滞し,企業が終身雇用制を維持できなくなった。このため,男性の働き方も半分は契約社員であったり,雇用契約がなかったり,派遣社員であったりする。「家」を維持すること自体も怪しくなっている。

 安定した家庭を築くためには,自営業として「家」を相続したり,終身雇用制の基で働くことが重要ではないかと考えている。これは日本に特徴的な制度である。戦後の日本経済の急速な発展は,この制度の基で実現できたと言えるだろう。

 21世紀に入り,経済が停滞し,男性の働き方に大変化が起きた。ある意味で企業に守られて安定した収入が確保でき,安定した家庭を築くことができていた日本で,この構図が崩れてしまった。

 不安定な収入の男性が,安定した家庭を築くことができるだろうか。

 現在,女性の仕事は不安定で,しかも不安定な収入しか得られていない。不安定な収入の男性と不安定な収入の女性が築く家庭が,安定的で平和で,正常な子供の教育環境を作ることができるだろうか。

 大きな経済発展を遂げてきたアメリカは,基本的に終身雇用制がない。どこかの企業に属して働いて収入を得る,という安定志向よりも,「アメリカンドリーム」と呼ばれる夢を追い求める人が多い。しかもこの傾向は,男性も女性も同じである。子供のころから,独立心が教えられ,学校では「ディベート」と呼ばれる意見討論で自分の主張をしっかり持つことが植え付けられる。結婚しても,教員や裁判官,弁護士,経営者としてバリバリ仕事をする人が多い。男性も同様である。それだけに,離婚も多い傾向は否めない。しかし離婚しても,家族を維持できるだけの収入がある仕事を続けられる女性も多い。

 21世紀の経済停滞期は,女性が主役になるまたとないチャンスである。若いころから勉強し,自分の意見を持つとともに,「夢」を持ってほしいと思う。20世紀までのように,「いい人と結婚して,いい奥さんになって,かわいい子供を産んで,すてきな家庭を作る」ことを当たり前と思わないようになってほしい。モノづくりでも,サービス業でも農林水産業でも,女性の経営者として,また女性の研究者として,この世の中をどのようにして行きたいかという「夢」を持ち,それを実現してほしい。

 筆者は,こういうことが「働き方改革」「女性活躍社会」であると思っている。今の世の中の風潮では,収入の減った不安定な男性を支えるために,家に入った女性がパートに出て収入を追加することが,「女性活躍社会」のように言われているが,これでは家庭はいつまでも安定せず,家庭崩壊を加速するだけである。

 以前から提案しているように,パソコンやインターネット通信のIT環境においてリモートワークが可能な世界において,女性が主導したビジネスは無限の可能性を持っていると思う。新型コロナウイルスとの同居時代だからこそ,経済を動かす方法がいろいろあると思う。筆者もいろいろと考えているが,動きを縛られていて動けないことも多い。ぜひ,新しい発想で新しいビジネスを作っていってほしい。

 男性は一般にロマンを持っている。これまでさまざまな夢を実現してきた。月に行くなどという意味もないことを誰が実現したのだろうか。インターネットで世界をつないだり,AIで人間の知識を超えようとしたり,とんでもない発想の多くは,たぶん「目立ちたい」「有名になりたい」「人のしていないことをしてみたい」という男性の闘争心から生じたものではないかと思う。

 女性には協調力があるが,新しい発想で現実的なソリューションをどんどん出してほしいものだと思っている。そのためにはやはり勉強かなと思う。

 結婚して子供を世の中に送り出すのに30年かかる。安定した家庭を維持するための,仕事,収入をどう確保するのか。男性に頼るようなこれまでの生き方は,そろそろ止めるべき時期に来ているという気がする。

 結局これがさらに格差社会を広げることになるのかもしれない。勝者と弱者に分かれるだろう。男性は半分は勝者となるだけの育てられ方をしている。しかし女性はほとんど勝者になるための育てられ方をしていない。男性に頼って生きることをベストと思いこまされていることを考えると,残念でならない。

 半分の男性の勝ち組に従属して優雅な生活を送れる確率は1/2である。その勝ち組の男性が理想的な「主人」かどうかの確率は低い。お金を持つと人は変わるからである。

 それよりも,自分の「夢」を持ち続けてほしい。それも既存の医者や弁護士などではない,もっと身近なモノづくり,IT,環境,農林水産業など,これまで男性が独占していた分野を切り開いてほしい。

 一つの救いとして,同性による結婚が承認される動きがあることを挙げたい。これはLGBTという人たちだけのものではないと思う。女性がバリバリ活躍し,それを家庭で女性が支える,という家族の姿があっていいと考えるからだ。現在,独身で活躍されておられる女性の方に,ぜひこの制度を使って家庭を作ってもらいたいものだと思う。