jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

#BeyondGender始まる

NHKの2020/11/3の「おはよう日本」で#BeyondGender「今こそ、ジェンダーをこえて考えよう。」が放送された。キーワードは「有毒な男らしさ」。今後「おはよう日本」「クローズアップ現代+」などで集中的に議論されるようだ。

 この方向に向けて,厳しい闘いをされている女性像が浮かび上がる。日本がこの分野で世界に遅れを取っていることも事実のようだ。

 筆者も,たびたびこのテーマに近いブログコメントを発信している。視聴者が関心を持って議論することは歓迎だが,正直,公共の電波の上で議論するものではないと思っている。結局,サイレントマジョリティーの声は浮かんで来ず,過激な意見ばかり強調されることになるからだ。番組にはコメント表示ができるようになっていると思うが,どれほど公平な意見が発せられるか,期待できない。表面的な議論になってしまうのではないかと危惧しているが,番組を企画されたことには敬意を表したい。

 「社会性」という言葉がある。便利な言葉なのだが,その概念は対象によって定義が変わってしまう。人間の社会,チンパンジーの社会,アリの社会・・・。男性中心の社会は,野生のチンパンジーの社会に似ているそうだ。では,オスが子育てに参加するゴリラが理想かと言えば,ゴリラには社会性がない。数の繁栄もない。単なる議論のすり替えに過ぎない。理性,知性を持った人間の社会を,他の動物と比べても詮無いのではないだろうか。

 そもそも,現世人類は他の生き物と一線を画した進化をしている。オスメスの形態の差の大きさ,高い人口密度で生活するための知恵,そして知識や信条などの多様な理屈によって他のグループを排除しようとする戦闘性。この複雑系の解析に,他の生物のアナロジーは通じない。

 現世人類となった後半の4000年の間,築き上げた男性主導型の社会は,容易には崩れないが,西暦2000年を越えた現在,その人智を超えるAI(人工知能)を現世人類は作り上げてしまった。転換点シンギュラリティもおそらく2025年より以前に迎えるだろう。いや,すでにシンギュラリティに達しているのを筆者は感じる。言葉の壁を乗り越える自動翻訳技術が,その最たるものだと感じている。このITを最大限活用できれば,女性独自の社会を構築できる。女性主導ではなく,女性独自の社会である。

 理論武装も,もはや国境を越えている。世界中とオンラインでつながった現在,勉強の機会の差は物理的にはなくなった。インフラがここまで整備されている日本なら,発展途上国よりはるかに学ぶ環境が揃っているのに,日本人の知識欲,発展欲がみごとに欠如しているのを感じる。小賢しいマネーゲーム,他人をだまして金もうけする詐欺,万引,窃盗など,戦前の貧相な日本人に戻ってしまったのではないか。

 日本の今の文化を象徴するアニメの中で,Genderがどう表現されているか,改めて検証するといいと思う。ストーリーも,社会性を進化させるものではなく,戦いを美化するものが多く,いわばもう一つの文化とされるゲームの世界観である。いずれもバーチャルな世界であり,リアルの世界のことを一切反映していない。

 Genderの話題はリアルな世界のテーマである。今の政治体制,社会体制の中では,学者の空論と,一部の先端的な試みの美化と,過激な反論に終わるような気がする。企画の中に男性を交えて議論すること自体,男性に文句を言わせないという演出にしか見えない。「男性は反省しろ」と一方的に主張し,それに正しくコメントする,という企画にしか見えない。実際にこれからどのように番組が進行するのか,見守ってみたいと思う。