jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

注射針のない注射器が,今こそ活躍するときだったはずだが・・・

新型コロナウイルスワクチンの注射の仕方が,腕にまっすぐ直角に刺す海外でのやり方と斜めに皮下に打つ日本のやり方がテレビで放送されるにつけ,日本の常識は海外では非常識,と書いた。ワクチンでの注射針の刺し方--世界の常識が日本では違うらしい - jeyseni's diary (hatenablog.com)(2021/1/13)。当方のブログを読んでくれたわけではないだろうが,翌日にはワイドショーでこの話題が取り上げられていた。

 いずれにしても,筆者も注射は好きではないが,さすがに慣れたというしかない。むしろ,注射を施してくれる看護師さんは,相手が望まないこと,痛いと感じさせるかもしれないことをしなければならないのだから,大変な仕事だと思っている。看護学を学んでいる間も,学生同士で注射の練習をするらしい。

 当方の掛かりつけ医は,子供たちが小さいころからずっとお世話になっている小児科の先生である。注射がとても上手くて,子供たちもほとんど痛くなかったという。思い切りよく短時間に注射するので,わからないうちに終わっている,という感じである。

 注射針の使いまわしによる血液系の感染症が問題になり,現在の注射はすべてディスポーザブル(1回使い捨て)である。仮に全世界の人々がワクチンを2回接種できるとすると,単純計算で132憶本の注射器が使い捨てになり,廃棄される。

 平常時でも,おそらく年間で数億本の注射器が使い捨てになっているだろう。感染防止のために適切に廃棄処理されているはずだが,果たしてその廃棄処理能力も間に合うのだろうか。

 使い捨て(ワンタイム)マスクが,不法投棄されて海に大量に廃棄されているらしい。すでに,鳥類の脚にからまったり,海洋哺乳類が飲み込んだりという例が出ている。レジ袋の削減論議が盛んだが,ワンタイムマスクを削減するわけにもいかない。むしろ,布マスクよりも感染拡大防止効果が高く,今後もまだまだ量産が続くだろう。ワクチン接種による集団免疫が実現すれば,マスクなしの生活にまた戻れるのだが,ウイルスは変異を繰り返し,インフルエンザと同じようなイタチごっこにならないとも限らない。しかし,まずワクチン接種が優先されるべきなのだろう。

 そこで期待したのが,注射針の要らない注射器の開発の話題である。

 いろいろな企業や大学が研究し,実験には使われていることもある。薬液を細い棒状のまま高速で皮膚に打ち出すと,毛穴などを伝って皮膚内に差し込まれ,中で拡散する。皮膚を通過することは,比較的簡単にクリアできるようだが,問題は皮膚の中のどの深さまで薬液が入るかのコントロールが難しい点だそうだ。人によって皮膚の硬さも,皮膚以下の組織の硬さも異なる。

 しかし,今回のような大量注射の場合は,廃棄物の出ないこの針レス注射器が実用化されていればかなり役に立ったと思われる。患者に非接触に薬液を注入できるのではないか。

 大阪大学とそのベンチャー企業アンジェスが,新型コロナウイルスワクチンを作るとともに,針のない注射器での接種を提案していた。

針なし注射器でも治験 新型コロナワクチン―阪大:時事ドットコム。 しかし,残念ながら,仮に使うとして,アンジェスのワクチンの接種はほとんど使われないのではないか。ファイザーであれアストラゼネカであれ,非接触注射器でより短い時間にワクチン接種が可能,ということになれば,各国も動くのではないか。

 国産ワクチンは,今回は間に合わないだろう。ならば,針なし注射器を量産して,各国に使ってもらってはどうだろうか。その方がよほど国際貢献になる。

 注射器の使いまわしによる感染拡大の危険も少なく,廃棄物がゼロ。さらに,ひょっとしたら接種を無人で行うこともできるのではないか。

 特効薬の開発,針なし注射器の実用化。こういう他国でできないことをアピールして,初めて先進国としての存在意義があるのではないか。