jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

結局,「緊急事態宣言」って「大変だ大変だ」と騒いだだけのことなの?

新型コロナウイルスにおける2回目の「緊急事態宣言」が,昨日2021年2月28日で大阪,京都,兵庫,愛知,岐阜,福岡で解除された。東京,神奈川,千葉,埼玉は,引き続き協議中である。

 10%の不届き者を除いて,多くの国民はこの宣言に対応して,マスク着用,会話自粛,ソーシャルディスタンシング,寒い時期の換気,会話を伴う飲食を自粛してきた。おそらくこの10%の不届き者のために,感染者拡大効果は限定的となり,3月7日の首都圏での宣言解除に伴って,またリバウンドが起きるのだろうと予想している。

 飲食店の多くは,テイクアウト,デリバリー,宅配などのさまざまな手法で努力を続けてきたが,一方で「開店休業」状態を宣言することで協力金をせしめた店もあるようだ。4月以降,この協力金はなくなることになっているが,その時点で廃業すれば,協力金や貸付金は返還する必要がなくなるという。飲食店の経営は,ものすごく大きな夢を持って始められる方がほとんどと思っているが,これを機会に夢破れて転業という方も多いのだろうか。少し残念な気もする。

 日本では,世界で出している「非常事態宣言」が出せない。「戒厳令」の発令もできない。仮に発令しても,それをコントロールする組織がないからである。警察もその役目を担っていない。自衛隊も違う。まして,軍隊もなければ州兵もいない。だれも非常事態時に国民の行動を制限する権力を持っていない。したがって政府も専門家会議も自治体の長も「大変だ大変だ。自粛をお願い」と叫ぶにとどまってしまう。

 別に,第二次世界大戦中の「憲兵」を復活させろと言っているわけではない。現在の状態が,民主主義,自由主義の社会の理念に基づいているとも言える。しかし,世界中で受け入れられつつある「新しい生活様式」をみんなで守ろうとしているのに,それに従わない10%の不心得者をコントロールする手段がない。制圧することも逮捕することも,また「注意」することもできない。一般人が相手を「注意」しても,話を聞くどころか,逆に暴力沙汰になる可能性の方が高い。そこで初めて「傷害罪で逮捕」という道が開けるわけだが,暴力を受けた側はたまったものではないし,原因を作ったのは注意した側であるとして,無罪放免になるのは目に見えている。これが日本の残念な民主主義である。

 筆者は,小学生から高校生までボーイスカウトに参加していた。ボーイスカウトの理念の中の一つに「社会奉仕」がある。災害が起きたときには,募金活動に協力するのが,普通の活動の一つだった。駅前で赤い羽根募金,緑の羽根募金などを行った。実際に募金に協力してくれるのは,50人に1人ぐらいだったろうか。その後,国会中継を見て,議員が全員赤い羽根を付けているのを見て驚いた。そしてこれが大人のパフォーマンス,体面作りなのだな,と思って悲しくなった。右へならえ方式。心からの助け合い精神ではないことを感じたからだ。

 ボーイスカウト活動は,このような募金活動や山の清掃作業などの社会奉仕をすることで,社会に自然にその精神を理解してもらい,募金への協力や,ゴミのポイ捨てをしないような精神を持ってもらうことに意義があると思っている。まず率先して行動することで,周囲を巻き込んでムーブメントを起こすことに意義がある。新型コロナウイルス禍においても,マスク着用,ソーシャルディスタンシング,会話自粛などをボーイスカウトなどの子供たちがアピールしていれば,大人も気を付ける心が芽生えたのではないかと思うが,残念ながらこのような活動は見かけなかった。まず,もうボーイスカウト活動の時代は終わってしまったのかもしれない。

 ボーイスカウトに参加する人は激減しているだろう。健全な野外活動もできないし,大学入試を目指した詰め込み勉強,ゲーム機やスマホを所持することによる個人主義,そして,ボーイスカウトカブスカウトガールスカウトの制服に対する拒否反応なども根強い。世の中が多様化しているので仕方がないのかもしれない。

 大人がいくら言っても,特に政治家がいくら言っても,結局は現在・過去の不正やスキャンダルのほじくり出し合いからの潰し合い,揚げ足取り,週刊誌やワイドショーでの扇情報道などばかり。議論や話し合いの場であるはずの国会が,まるでワイドショーそのものになっているのは何とも恥ずかしい。企業の不正活動,弱みに付け込む詐欺事件,そしてタバコ,アルコール,さらには麻薬,覚せい剤まで手を出して,それでも社会復帰が許されてしまう大人の世界に,自浄作用などないように思える。

 過去のボーイスカウトのような,子供の純粋な視点での言葉が,現在でもいちばん説得力があるのではないか。若者の無謀とも思える活動が価値があるのではないか。

 今週末の2021/3/7の1都3県の緊急事態宣言が解除されようが延長されようが,結局,日本人の行動に大差はない。しかし,補助金搾取詐欺の拡大については,これを厳しくフォローしなければ,単なる税金の無駄使い,不平等ということになる。なんとも哀れな国である。