jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

今こそ「病院緊急事態宣言」を

久しぶりの西浦博先生の話を見た。「大阪、兵庫はすぐさま『緊急事態宣言』をうつべき」 8割おじさんが懸念する背筋の寒くなる大流行(BuzzFeed Japan) - Yahoo!ニュース。2021/4/10。注意点は2つあった。

 まず,感染者が増えているのが「学校や児童施設、集団での労働環境、スポーツの場など」という指摘。そして,「20代、30代でも酸素吸入を必要とする人が結構います」ということ。

 「時短ではなく,感染拡大防止対策」については,橋下徹氏も指摘している。橋下徹氏、飲食店の時短要請に「そこじゃない」「重要なのは短縮ではなくて、感染防止対策」 2021/4/12。筆者はもっと前から言っている飲食店の「2人以上の入店お断り」「お1人様は歓迎」が明確な対応法 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/1/14。しかし,飲食店もこのままでは憤死しかねない中,新しい感染ルートが出て,働き盛りの重症化が増えてくるという大変な事態が起きているとすると,感染防止対策も病院の態勢も大幅に変更しないと対応できない。

 特に西浦先生の「今まではベッドが足りないとしても、後期高齢者は積極的な治療ができずそのまま看取られることがありました。一方、一家の大黒柱でまだ子どもを育てないといけない40、50代が感染した場合は積極的治療が適応になる場合が増えます。そのような患者が増えれば、これまでの重症患者と質が違ってきます。」というコメントは重大だ。

 正直,最近でも毎日数十人の死亡者が出ているが,重症者数はそれほど変わっていない。つまり,比較的高齢の重症者がある程度の期間の治療の甲斐もなく亡くなっていき,その分,病床が空く,ということの繰り返しで「回転」してきた。しかし,働き盛りで重症になると,体力も充実しているため,長期の治療の末に回復して退院する,という事態が起きる。つまり,1人の重症者の病床占有日数が長くなり,「回転しなくなる」ということになり,病床が一気に足りなくなるのである。すると,新たに感染して一気に重症化しても入院できず,また見殺し状態が発生することになる。筆者のブログでも比較的よく読んでいただいている「今,感染しても,病院では受け付けません」と言われたらどうですか - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/1/11という状況が再来してしまう。

 地域の病院が連携し,病院単位で新型コロナウイルス対応病院,一般対応病院,回復者受け入れ病院などと分けて,患者をきちんと診る態勢を取った墨田区。一人当たりの病床数で世界一という日本だが,そのほとんどが民間病院で,連携を取ることも,トップダウンで態勢を組むこともできない。改めて,「白い巨塔」や「ドクターX」などのテレビドラマが真実味を帯びてくる。国立大学病院でも,おそらく連携は取れないだろう。イギリスのような「国立病院」ではないからだ。

 日本医師会のコメントを見ても,医療崩壊をしないようにと言っていても,実際は「病院を倒産させないように補助金を出せ」と言っているだけのようにしか聞こえない。病院の加入している協会も複数あるそうだが,とても連携してできるように見えない。経済団体も複数あって意見がまとまらない。政治も同様である。

 日本のリーダー不在論は,これまで何度か書いてきた。政治のリーダーが方向性を決めない。精神的リーダーである皇室が余計な話題で振り回されている。戦時中の挙国一致内閣,非常事態宣言など,想定敵がいないとできないのだろうか。