jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

オリンピック中止を宣言した人がリーダーになれる

2021/7/21の東京オリンピック2020の開催に向けて,「開催」「中止」議論が高まっている。今日時点で,あと76日である。3回目の緊急事態宣言を5/11で終わらせ,5/17のバッハIOC会長の来日を迎える,というシナリオは無残にコケようとしている。あれ,来日後14日間の待機が必要なら,すでに日本にいなければいけないのではないのか。そもそも,在住するドイツもロックダウン中で,外に出られないのではないのか。

 新型コロナウイルスの影響で,東京オリンピックが中止になると筆者が予測したのは,本当にちょうど1年前だった 「新しい生活様式」ではなく「新しい産業構造」の発想転換が必要 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/5/5。それ以前に,東京オリンピック2020のシンボルマークの盗作問題が発覚した2015年9月の段階で,東京オリンピックは返上すべきだと,別のブログで主張してきた。初っ端からミソを付けてきた本大会である。筆者は改めて中止を宣言すべきだと思っている。

 いや,今,中止を宣言することは,ヒーローと称賛されると思うのである。とはいえ,すでにアメリカのワシントン・ポスト紙が東京オリンピック2020の中止を要望しているし,主要国でまだまだ感染を抑えきっていない中,逆に感染拡大を開催直前に助長してしまっている日本に,わざわざ選手を送り込む危険を侵す国があるのだろうか。せっかく来日できても,バブル方式で宿舎と会場の行き来と毎日最低2回のPCR検査,観光もなし,観客もなし,そして世界トップクラスの選手の参加中止なども考えられる中,ベストな戦いができるとは思えない。9割の選手が日本人,ほぼすべてのメダルを日本が獲得,などというふざけた大会もありえないわけではない。

 海外からの観客が来なければ,インバウンドの観光需要,宿泊需要もなく,外貨が日本に落とされることもない。観客がいなければ,チケットの売上収入もない。このうえ,開催時の警備,医療体制,選手招聘のためのチャーター便と移動手段の手配なども考えると,選手に感染させずに大会を終えられるのか,あるいは海外選手と国内選手の接触による感染拡大なしに大会を終えられるのか,極めて疑問が残る。

 オリンピックの中止を宣言する場合,だれが宣言をするのだろう。大会開催地である東京都の小池都知事なのか,オリンピック開催の実行組織であるオリンピック組織委員会の橋本会長なのか,政府の丸川オリンピック担当大臣なのか,あるいは菅総理なのか。お互いに猫の首の鈴の押し付け合いをしているように見える。

 IOCは,オリンピックというライセンス料が入るので,開催しようが中止にしようが,開催地に請求できるので,損はしない。中止になると放映権利料は入ってこない分はアテが外れた程度で,損はしないようである。逆に日本は,開催キャンセル料をIOCに支払うほか,国立競技場の新築などの設備投資も含めて,ほぼすべてが採算の取れない過剰投資になることになる。

 ワシントン・ポスト紙のコメントの中に「損切りせよ」という言葉があるそうだ。このままズルズルと決断を延ばしてもいいことはないし,さらに傷を深めてしまう。中止を宣言することで,世界中のトッププレーヤーの命を守ったことになり,中止を宣言した人こそ,ヒーロー,ヒロインとして讃えられると思うのである。

 なぜか,このオリンピック中止議論に自由民主党の二階幹事長の名前が上がって来たりする。「小池,橋本,菅の3人連名で中止宣言」という見出しが近日中に出ることを期待する。