jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

言語とマイクロ飛沫の量の仮説

新型コロナウイルスの勢いがなかなか止まらない。感染拡大の一つの仮説を立ててみた。それは、言語によって飛散するマイクロ飛沫の量や質が違うのではないか、という仮説である。

 当初、3密が問題となった。密閉された空間に人が密集した状態で感染が拡大すると言われた。アメリカはマスクする習慣がない国で,マスクなしでも歩いていいように,歩道まで片側一方通行にしていた。しかし筆者が知る限り,アメリカは広大な土地を持ち,人が密集するといっても東京などの比ではない,ゆったりとした国という印象があった。一方で,感染がアメリカについで多かったインドは,世界一人口が多い国で,密度が高い印象だが,人口密度からすると世界で20位。台湾,韓国,イスラエルなど,感染の比較的少ない国の方が人口密度は高いという。

 モンゴロイド(モンゴル系人種)が感染に強いという都市伝説があった。いわゆるファクターXの一つである。しかし,変異ウイルスがこれほど短期間に何種類も発生していて,日本や中国でも変異ウイルスが増えていることを考えると,人種による抵抗力の違いという説は当てはまらないように思われる。

 しかし,これまでの感染拡大のパターンを見ると,国ごとに差があるように見えるのも確かである。台湾,ベトナム,中国などの東南アジアの国が比較的拡大が穏やかで,日本もそのグループに入る。一方,アメリカ,ヨーロッパ,インド,ブラジルなどの拡大ペースが爆発的に見える。

 当初から,飛沫感染以外に接触感染の可能性も高いという説は有力で,石鹸による手洗い,アルコールによる手指消毒が推奨され,握手やハイタッチ,ハグなどをやめる国が増えた。日本の感染数が諸外国より少ないのは,マスクの習慣とオジギの習慣が効果があるからだ,という説により,世界中でマスクが着用され,グータッチ,エアタッチが標準の挨拶になった。

 基本的に,咳くしゃみエチケットのためのマスク着用と,手指をきれいにすることは,感染症予防には欠かせないのだが,指先はともかく,手のひらと手の甲での感染リスクの差はあまりないような気がする。また,首脳同士の挨拶など,直前にそれぞれがアルコール消毒してからガッチリ握手した方がいいように思う。スポーツのハイライトでのエアタッチも,正直,単なるパフォーマンスではないかと思ったりする。まあ,グータッチだと接近距離もやや離れるし,そこで会話時間を減らす効果があるのかもしれない。

 そうすると,人と人との距離も会話の頻度もそれほど変わらない中で,飛沫感染リスクに多い少ないが生じると考えたところ,それぞれの国で話されている言葉,言語とマイクロ飛沫の量が異なるのではないか,というのが今回の仮説である。

 スーパーコンピュータ「富岳」のシミュレーションや,レーザー光による特殊撮影,「ぱぴぷぺぽ」などの破裂音の際に飛沫が多く飛び散ることが紹介されていた。また同じ内容を伝えるのに,シラブル(音節)の数が言語によって異なることが知られている。

 ここから類推して,同じ会話をするのに,音節が多く,破裂音が多い言語では,飛沫やマイクロ飛沫の発生,拡散が多いのではないか,と考えたのである。

 たとえば,中国語。動詞は1音節,目的語は2音節,文字にするとわずか3字で内容を伝えられる。これに対して,欧米のラテン語系は,動詞も目的語もそれぞれが数音節を持ち,これに主語やbe動詞,不定冠詞などが付く。さらに「You know?」などのつなぎ言葉も連発されがちである。

 日本語は、主語なし、語尾がトーンダウンしがち。そして抑揚がなく平坦な話され方である。「どうも」とか「あれ」というヒトコトで通じたりするアウンの呼吸というのも健在である。要は、シラバスもテンションも少ないので、飛沫の発生が少ない言語なのではないかという仮説である。

 では、飲食店やカラオケ店、介護施設での感染拡大の原因は何かを考えてみると、それは会話のテンションが上がる場所だからであると分析できる。

 介護施設では、介護側が利用者に対して話す時にどうしてもテンションの高い話し方をする。また聞き取りやすいように相手の顔の近くで話しかける。これが介護側から利用者側への感染になっていることが考えられる。

 人の肉声にまさるものはないが、小型スピーカーの利用なども考えてはどうだろうか。

 さて、ラテン語圏の人たちにはどう提案すればいいだろうか。マスク着用、しかもバイデン大統領のような二重マスクがオススメかもしれない。呼吸がもっと楽で、飛沫拡散の少ないマスクの開発が必要である。