jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

市長などへの先行ワクチン接種へのコメント

ワクチン接種は「選挙投票方式」で行政が管理して実施してほしい - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/1/15。筆者が2021年初頭に提案したブログである。このときは,個別医療機関での接種は場所の確保が難しいので集団接種方式が望ましいと考えていた。どの場所でいつ接種するかを自治体側が決めて,ハガキで連絡する。

 現在の選挙では,18歳以上の有権者に投票案内が送られる。投票率は50%~70%ぐらいだろう。ある市を調べてみると,投票所の数は60箇所。1カ所あたりの選挙人数は2000~8000人だった。1カ所の投票所には投票箱は1個しかない(同時選挙の場合はその数)。個人を特定し,投票用紙を渡し,これに記入して投票する。この時間は約10分。あまり密集しているのを見たことがない。

 これをワクチン接種に展開すると,来場率50%としても,各会場で3列で処理すれば,受け付けから接種,15分待機の時間を見たとしても,1人あたり30分かけられ,1日で1000人~4000人の接種ができ,なんと1日で15万人の接種が可能な計算になる。

 ワクチンがようやく自治体に配布され始め,当初の予定どおり,医療従事者,介護施設,65歳以上の高齢者と基礎疾患者,そして65歳以下の一般者,という順に接種されるのだが,何しろ1回の供給量がまだ限定的である。最初の供給で医療従事者すら全員が接種できていない。その中での市長,自治体職員への先行接種問題ということになる。

 当初の設定で,医療従事者,介護施設職員,基礎疾患者,という優先順位以外は,年齢順という設定になっているはずである。キャンセルによる廃棄の可能性の出たワクチンにしても,次に打てる人の優先順位は自ずと決まる。市長や自治体職員の位置づけを最初にしていなかったために,自分が医療関係者だからとか,廃棄するのはもったいないからとか,理由を後付けしたために,批判が起きているのではないか。

 筆者は,重職にある人を優先することに問題はないと思っている。行政の長である市長が,優先接種しても問題ないと考えている。ただ,接種した後に,理由を後付けするから問題なのである。

 あらかじめ,自分が先行接種対象になっていいかどうかを住民に問い,反対が多ければやめればいい。とはいえ,全員が賛成することは考えられないから,やはり年齢順の接種順を待つのが賢明だろう。

 むしろ,もっと第一線で国との交渉役にもなっている知事や,専門家会議のメンバーにまず優先接種していただいた方がいいのではないか。また国側も内閣メンバー(大臣)は優先接種すべきではないか。

 こう言うと,今度は国会議員が俺も重職だと言い出すのだろうが,それは違うのである。また,各都道府県知事の次に,ようやく各自治体の長が来るのではないか。

 特権階級は,ここまでである。今回は市町村と都道府県の長で順番が違っていたから問題なのではないか。

 ワクチン先行国では,まず国の長たる首相や大統領が最初にワクチンを接種した。副反応の恐れなどがまだ確定していない段階だが,国民に対してワクチン接種を推奨する意味で自らがお手本となった例である。

 今回の市長などへの先行ワクチン接種は,そういった意味ももはや持っていない。自分が先行接種することで,住民がどう反応するか,そういうことを考えて,複数のシナリオを想定してから行動すべきだったのだろう。

 ということで,当面,市長クラスへの先行接種が行われないことを祈っているが,今更ながら,各市長クラスがそれぞれの住民に先行接種の是非を問うてから行動することを原則としていただきたい。また,キャンセルによる廃棄可能性のあるワクチンをどうするかについても,きちんとルールを決めてからにしていただきた。開き直りほど見苦しいものはない。