jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

女性の「仕事モード」について

女性に世の中でもっと活躍してもらいたいと常日頃思っている筆者だが,生物としての男女の差と,人間としての「個人」がお互いに重複しているので,話がややこしくなることに改めて気づく。

 男性はある意味,生きていくのが楽である。それは「素(す)」のままでも評価されるし,それぞれの価値観のまま生きられるからである。

 これに対して女性は,一つのパターンを押し付けられることが多い。「明るく」「美しく」「おとなしく」などなど。これに応えることは,女性としての魅力を上げることになる。しかし,それだけでは「女性モード」が上がっただけで,仕事をする上でのイコールパートナーにはならない。職場でよく起こるセクハラは,女性がこのモードにとどまっているために起きることが多いと考えられる。

 これをいかに「仕事モード」にもっていくかについて,女性に取り組んでほしいことである。これは,若い人にもぜひ取り組んでいただきたい。

 それは「人より前に先に出る」ということである。

 女性はついつい,人より一歩下がってしまう。「おとなしく」というステレオタイプを引きずっているように思う。若い人もその傾向がある。

 そこで一歩前に出て言葉を発する。意見を言うことも大事だが,「今日は○○します」と宣言するだけでで先手を取れる。指示待ちでは,優位を相手に奪われてしまう。先手を打つことが重要なのである。

 筆者は新人のころ,記者会見への出席をすることが多かった。記者会見というと,たいていベテラン記者が前に陣取る。筆者もその雰囲気に飲まれそうになる。しかしそこであえて,一番前の席に座るのである。質問ができるかどうかはわからない。正直,内容を理解するだけで精一杯で,背景を調べてくる余裕もない。さすがに最初に質問はできなかったが,そのうちできるようになった。一番前に座ることで,発表者の顔写真を撮るのも楽になる。早めに会場に出向き,一番前の席に座る。名刺交換をするのも楽になる。

 以後,基本的にこの姿勢は変わらない。会議でも司会者に近い席に座る。多くの人が司会者から遠い席から座っていくので,いつでも特等席が空いていることになる。なんでこの席に座らないか不思議なぐらいである。話もよく聞こえる。言いたいことがあってもすぐに司会者が気づいてくれたりする。

 海外の方と会った際は,まず握手,そしてハグをしてきた。だいたい,相手は身体が大きいし手も大きい。握力も強い。したがって,あらかじめそれを予測して強めの握手をするようにしてきた。身体が大きいからハグも大変だが,相手の肩の上に手を回して大きくハグをするようにした。一般に日本人は遠慮しがちにハグをすると思われているので,逆にビックリされることもあった。しかしこれで一気に雰囲気が和らぎ,会話がスムーズに始まることになる。

 今は,新型コロナウイルス禍のために,握手やハグが避けられているが,直前にアルコール消毒すれば握手すればいいし,キスさえしなければハグで感染が拡大するとは思えない。グータッチ、エアタッチはポーズか - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/10/20。

 筆者は,女性に対して,まず最初に毅然とした「仕事モード」宣言をすることを提案したい。上司や仲間の指示を待つのではなく,自らまず何をすれば自分をアピールできるかを考えて行動することである。

 筆者が現在勤めている会社は,お茶当番,掃除当番を輪番制にしている。たしか,この制度が動くまでは女性社員が担当していた。その前に勤めた会社では,毎週月曜日の朝は全員で掃除をした。筆者にとっては何の抵抗もない掃除だが,多くの男性社員にとっては「自分の仕事ではない」という意識があり,もう少し具体的にいうと「これは女性の仕事である」という意識が強い。

 しかしたとえば,朝の出社時の仕事として掃除をし,これを全員でシェアする,という提案は,前向きに受け止められるのではないかと考える。男女の格差を少しでも解消したいという意識がある会社なら,前向きに受け止められるだろう。職場の雰囲気が変われば,働きやすさも格段に変わってくる。職場の意識の壁は高いかもしれないが,勇気を持って立ち上がってほしい。

 もう一つの例として,筆者が新人のときに心がけたのが電話番である。正直,資料の調査から始まった仕事で,何のアウトプットもなく,座って資料を読む段階は苦しかった。そこで,電話番をすることにした。当時,ぜいたくなことに女性アシスタントのいた職場で,電話はその女性の仕事みたいなものだったが,新人正社員の自分がワンコールで受話器を取ることにしたのである。これを先輩に取り次ぎ,また資料を読みながら次のコールに備える。「相手を待たせない」ことがアピールできればと思っていたのかもしれない。女性アシスタントからは「それ,私の仕事です」とよく言われたが,正直,仕事場で自分をアピールするのはこれぐらいしか思いつかなかった。もちろん,会議で新しい提案をすることは自分の仕事だと思っていたが,普段のデスクワークでの居場所を作るのに必死だったわけである。

 女性が「仕事モード」に入るには,もう一つのモードである「女性モード」を意図的に抑える必要があるのではないだろうか。格好は質素,態度はハッキリ,そして話は明確,率先して建設的な提案をして,仕事人としての自分の位置づけをアピールして,仕事ができることを表明し,認めてもらうしかないのではないだろうか。