「MBS」というファイルメーカープラグインをインストールした
ファイルメーカーは,筆者にとって欠かせないソフトである ファイルメーカー「命」 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/1/23。ここのところ,トラブルが続いている新型コロナワクチン接種予約システムのプロトタイピングをするために,ファイルメーカーを使って検証を続けている。ワクチン接種データベースの仕様を提案 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/4/23。このときは,個人の予定登録の仕組みだったが,実際に自治体レベルで運用できるかどうか,大量のデータで検証する必要があった。
実存する1自治体をイメージするため,数十万人規模の仮想住民データを作ることにした。目標は,ある都市の接種対象者全実数である37万人分だったのだが,仮想氏名データが5000人ずつしか用意できなかったので,これを40回繰り返して20万人分のデータを作ったところで区切りを付けてしまった。このデータ作成には,疑似個人情報データ生成サービス (hogehoge.tk) を利用させていただいた。このシステムもすごいと思っている。
現在は,この20万人レコードに12桁のマイナンバーをランダムに発生させて登録したところである。ランダムな数字列はrandom関数で発生できるのだが,これを12桁の数字列として固定するために,テキストフィールドにコピーする必要があった。このコピー操作を1レコードずつ行うのに丸1日かかってしまった。重複のない数字かどうかはまだ検証していない。
さて,ここまでデータを作ったところで,次にしたかったのがその情報からバーコードを発生する仕組みである。ワクチン接種データベースの仕様を提案 - jeyseni's diaryでは,QRコードを発生させる仕組みをPDFのフォームで紹介した。というのもファイルメーカーにバーコードを発生させる機能がないからである。「ファイルメーカー命」と言っても,不満なところは数々ある。バージョンが上がるたびに少しずつ有用な機能が加わっているが,筆者が欲しいと思う機能がなかなか加わらなかったりして,現在はバージョン12で止めているところである。
今回,「ファイルメーカー バーコード」で検索したところ,「MBS」という海外製のプラグインでバーコード作成ができるという記事を見つけた FileMaker でバーコードを生成 ( Mac / Win ) | by p388cell | Medium。この中で「MBS」のことを知ったのである。今回はバーコードの作成スクリプトを使っただけだが,「6,500もの機能がある」と書かれている。ファイルメーカーで不満のある,たとえばレイアウトリストのテキスト出力などの機能があるらしい(ちょっと試してみたが,うまくいかなかったが)。少しずつ検証してみようと考えている。
さて,バーコードを作る外部関数がこのMBSの中に作られている。対応するバーコードはなんと86種類もあるのだが,残念ながら海外製ということもあって,日本のJANコードや筆者が欲しいISBNコードを発生することはできない。ただ,現在最も汎用性があるQRコードや,2次元のCODE39などは発生できる。使うことは少ないが日本郵便コードも出力できる。とりあえずQRコードが出せれば御の字である。
関数でフィールドの直接描画できると楽なのだが,例題のままではうまく表示できなかった。そこでサンプルにある英語のスクリプトを解釈して日本語のスクリプトとして登録したところ,うまく発生させることができた。
新型コロナウイルスワクチン接種データベースと組み合わせれば,氏名データ,マイナンバーデータ,接種日・会場データ,ワクチン種類,回数などの情報を含んだQRコードを発生させるなどが実現できる。
ただ,QRコードは基本はテキストデータなので,読み取りさえできれば上記の組み合わせで個人情報が流出する可能性がある。暗号化してQRコードを発生させるなどの方法をどう実現するか,また考える必要はありそうだ。
MBSの使い勝手についても,もう少し検証をしてみたいと思う。