jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

割り込み,言い訳,偽装予約--ほかにもあまり聞きたくない言葉ばかり報道されるこの頃

新型コロナウイルス対応ワクチンの接種において,自治体の長や企業の会長などへ「余った廃棄予定分」の転用が行われている。あらかじめルールが決められていないから,これを「割り込み」と言われても仕方ないし,それをあとから理由付けされるとこれを「言い訳」と言われても仕方ない。

 キャンセルなどで余ったワクチンは,すでに常温状態であり,生理食塩水で薄めてあるため,6時間以内に使用できなければ廃棄するのが決まりごとになっている。翌日までに6時間はないので,廃棄せざるを得ない,というのは理解できる。

 この廃棄せざるを得ないワクチンを廃棄せずに使うには,接種時間以降に「誰か」に接種することが必要である。誰に接種すればいいかについては,あらかじめ決めておけばいいことである。

 一つは,キャンセル待ちを募ることである。キャンセル待ちは,個人で登録した人を優先する方法,接種予約ができなかった人を優先する方法,そして接種予約日を繰り上げられる人を優先する方法が考えられる。

 個人での登録は,海外でも広く行われている。海外でも高齢者からの接種が進められているため,若者は後回しになっている。接種時間外でもある程度自由に動ける若者が,このキャンセルリストに登録し,早期に接種を受けられるような仕組みである。

 次の接種予約ができなかった人,予約日を繰り上げられる人を優先する方法は,もともとの接種券の発送時に年齢や場所,予約情報が把握できていれば,実現できないことはない。ただし,まず高齢者からスタートしているため,すぐに会場に来てもらえるわけではない。対象者と連絡を取り,会場に来てもらえるか,あるいは本人のところに行くか,などの対応を取らなければならない。

 たとえばバイアル1個分で6人分のワクチンが接種できるとして,5人分が余ったとすると,廃棄しないようにするには5人に打たなければならない。この程度であれば,5人の医療従事者が本人のところに訪問して接種することはできる。ただし,5人の医療従事者が時間外に1時間以上の時間を使ってクルマなどで往復する必要がある。しかし,これもあらかじめ予測して,体制を整えておけば,できないことではない。

 2番めは,その場にいるだれでもいいから打つ方法である。ワクチン接種を担当する医療従事者は先に接種していると考えられるので,意外に会場にはいないかもしれない。バックアップで作業をする薬剤師も医療関係者として接種が進んでいるはずである。そこで,その場にいる役所職員が対象になるのは理解できる。そこに,わざわざ自治体の長がいることはほとんどないのだが,「ワクチンが余ったので,接種に来てください」とわざわざ市長に連絡して接種させるだろうか。医療関係者を市庁舎に呼び出し,そこで接種させたのではないか,と勘ぐってしまう。

 まして,役所の業務に協力してもらったという理由で,大企業の会長にわざわざ「廃棄予定分」を接種するだろうか。会長側も「廃棄予定分」の接種を喜んで受けるだろうか。「新品を接種しろ」と主張したのではないのか。

 自治体によっては,消防士や教員に回すことにしたという。一方,接種対象者に接種券が発行されていないということで接種を拒否した自治体もある。きちんと個人を特定して記録して一元管理していれば,何の問題もない。これでは,接種券すらどのような基準で発行されているのかすら信用が置けなくなってくる。

 現在,接種の予約は必要なのは「接種番号」だけでできるみたいである。実際の接種時には個人確認のために免許証などで本人と氏名の確認をすることになるが,おそらく予約時に適当な接種番号を出して,適当な名前で申請しても登録はできるのではないだろうか。接種番号と氏名の照合すら,医療機関や大規模接種会場の予約システムでもできないのではないか。大手メディアによる偽装予約なども,正義や権利という名の下の確信犯なのではないか。

 正義や権利,責任者,功労者などの名の下に,「上級市民」がここでも作られている。自分たちは勝手に「選ばれた者」という優越意識がどこかにあるのではないか。テレビのワイドショーに出てくるMCやコメンテーター,専門家なども,どこかに優越意識があるように見える。特に,メディアの社員編集委員や,他局から流れてきた元編集委員など,「俺はジャーナリストだ」と振りかざしている人のコメントに碌なものがない。まあ,ワイドショーを見てイライラしている自分もレベルが低いのかもしれない。