ちまたで,「ワクチン否定派」という言葉が踊っている。この言葉遣いは“間違い”であるのだが,誰も気づかないのだろうか。
話題の発端は,明石家さんまが「ぼくは打たないつもり」と語ったことだそうだ。これは,ワクチンを“否定”したのではなく,ワクチンを“拒否”しているだけである。
ワクチンを接種するかどうかは「個人の選択の自由」がある。どうぞご勝手にである。自分がしたくないから否定する,というのならそれは「子供の発言」である。理性ある大人の発言であってはならない。先の明石家さんま氏の発言も,どこにも「ワクチンを否定した」とは思えない。メディアが勝手に「ワクチン否定」と言い換えており,これはメディア側の間違いである。
この言葉により,また影響を受ける人たちが増える。「あのさんまさんが言うのだから,私もワクチンは受けない」と思う人も多くなるだろう。責任のある人なら,「ワクチンの代わりに72時間ごとのPCR検査を受けて行動します」と言うべきところである。自分がウイルスに感染しないためのワクチンの代わりに,自分がウイルスに感染していないことを証明することで,自分の行動に責任を持つ。これが正しいやり方である。
政治の世界でも,野党の戦略は「与党の政策を否定」しているだけである 具体的提案なき批判は愚の骨頂 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/3/29。このブログでは「批判」という言葉を使ったが,要は「否定」である。SNSにおける「ヤダネ!!」である(いいね!!ボタンに対するボタンの呼び方については,諸論がある。ここでは「Like/Dislike」に合わせた表現を示した)。
ヤダネ,ヤダネと言っているだけでは,SNSでワイワイ言っているのと同じレベルである。だからダメだと言っているのである。
有名人,テレビ人も,ワクチンを拒否するのは結構である。ただ,その代わりに72時間ごとのPCR検査を受けて行動することを宣言すべきである。こういう人たちが,「ワクチンの代わりに72時間ごとのPCR検査」と言ってくれることで,この検査体制を活性化できる。
「PCR検査で毎回1万円を払っていると,週2回としても1ヶ月で8万円もかかるんですよ。僕たちは何とかなりますが,これを払えない人もいます。何とか,国の仕組みでもう少し安くできませんか。できれば無料でお願いします」と言ってほしいのである。これが,有名人やテレビ人,そしてマスコミの仕事だと思うのである。
これが実現すると,「外出免許証」が実現できるからである。