jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

モデルナ製ワクチン量産に1票

イギリスで「デルタプラス」という新型コロナウイルスのデルタ株のさらなる変異ウイルスが41例も確認されたという。英で「デルタプラス」41件確認 (msn.com) 2021/6/24。この新型コロナウイルスはなかなか厄介である。

 インフルエンザは,Aソ連型(H1N1)、A香港型(H3N2)、B型の3種類に収まっており,それぞれワクチンが開発され,特効薬も複数開発されているが,日本を含めて世界的に毎年相当な流行は起きている。

 インフルエンザの経験では,ワクチン接種によって罹患しなくなるわけではないことはすでに経験済みである。現在は「重症化を防ぐ」という点が強調されており,特効薬と併せての対応になっているが,それでも毎年日本でも3000人規模の死亡者は出ている。決してインフルエンザも克服できているわけではないのである。

 これも筆者の仮説だが,変異が起き,また二重変異も起きているのが主にイギリスとインドで,まさかではあるがイギリスのオックスフォード大学とアストラゼネカ社が開発したウイルスベクターワクチンによって逃避変異が起きやすくなっているのではないか,という疑問である。

 アストラゼネカのワクチンで採用されたウイルスベクター方式は,新型コロナウイルスのDNAから特徴の情報を写し取ったmRNAを無害なアデノウイルスの箱の中に入れて製造している。このタイプのワクチンでは,ヒトの身体がベクター自体に免疫を持ってしまい、効果が得られなくなる可能性があるといわれている。このため,2回接種の間隔も4週間より長く,11~12週間に設定している国もある。

 製造方式とは別に,アストラゼネカ製ワクチンでは血栓ができる副反応が起きやすい可能性が指摘されている。

 そこで,というわけではないが,現時点で筆者が考える最適解は,米モデルナ社製のワクチンを世界中で量産する体制を作ることである。

 現在の世界標準は,先行した米ファイザー社製のmRNAワクチンである。効果は高く,変異ウイルスにも効果が確認されている。しかし,問題は取り扱いの難しさである。長期保管温度が-80℃と低く,特殊な冷凍庫が必要になる。冷凍庫の故障,停電などのリスクとともに,取り扱いを誤ると廃棄処分しなければならない個数が増える。また,使用の直前に生理食塩水で6倍に希釈する工程があり,ここでの取り扱いが医療従事者でも間違いを起こすケースが多い。薄めすぎ,濃すぎになる可能性があるほか,空のバイアルに生理食塩水を入れて誤って接種するケースも出ている。希釈後の保管時間も6時間と短く,翌日まで保管することもできない。

 一方,同じ方式のmRNAワクチンであるモデルナ社製ワクチンは,保管温度が2~8℃と普通の冷蔵庫での保管が可能な点と,バイアル内の液をそのまま注射器に吸入するだけで済み,希釈の工程が不要という取り扱いが容易な点がメリットである。また接種間隔も4週間で,ファイザー製ワクチンの3週間とあまり変わらず,ウイルスベクター型ではないので,ベクターへの免疫形成のデメリットもない。

 日本でも,大規模接種センターや職域接種の際にモデルナ製ワクチンが採用されているが,これは正解だろう。医療機関でも取り扱いが難しいファイザー製ワクチンよりも,取り扱いにおける誤りを減らせる。世界中で使用するためにも,この2つのメリットが大きい。

 ということで,世界中の医薬品メーカーにモデルナ製ワクチンの製造を量産するようにしてもらってはどうかと提案したいのである。日本では武田薬品がモデルナ社との提携関係があるようなので,どんどん量産すべきだろう。

 できれば,イギリス,インドでも地域的にモデルナ製ワクチンを接種して,変異ウイルス発生との因果関係がないか,治験をしていただきたいと考える。