jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

アストラゼネカのワクチンをどのように打つか問題2

このタイトルで2021/5/20にコメントした アストラゼネカのワクチンをどのように打つかが問題 - jeyseni's diary 2021/5/20。日本でモデルナ製とアストラゼネカ製ワクチンが追加承認され,モデルナ製ワクチンは大規模接種センターでの接種に使われることで大きく物事が動いた。一方,アストラゼネカ製ワクチンは公的接種には使わないことが決められ,「さてどうするの?」という意見のブログだった。

 このとき,アストラゼネカ製ワクチンを安価で途上国に使ってもらってはどうかと書いたが,その後,6/4に台湾,6/16にベトナムに,6/21にタイに無償で提供された。ただ,アストラゼネカ製ワクチンには血栓症の因果関係が噂されていて,接種に関してはいろいろな軋轢が生じているようだ。

 その後,2021/6/23 日本で60歳以上を軸に公的接種の対象に追加する方針が出された。もともとの供給量が1億2000万回分で,台湾に提供されたのは124万回分,ベトナムに約100万回分,タイへの数量は不明である。これらを差し引いてもまだ1億1000万回分ぐらいは国内にある形になる。

 さて,高齢者3700万人のうち,1回目接種を終えた1813万人はほぼファイザー製ワクチンである。筆者の予測では,高齢者の最終接種比率は全体の75%で2775万人。1回目の残り962万人と2回目の残り2154万人の合計3116万回分は,ファイザー製を接種することになる。

 すると,アストラゼネカ製ワクチンを接種する対象の60~64歳の人数は,仮に1000万人だとして,その半分は大規模接種センターや職域接種でモデルナ製ワクチンを接種するとして,アストラゼネカにするのが500万人,1000万回分ぐらいの計算になる。60歳以下に使わないとすれば,まだ1億回分が残る形になる。

 世界各地でも,若者へのアストラゼネカ製ワクチンの接種は控える方向にある。なかなか使う道が限られてしまう感じである。

 新型コロナウイルスのワクチンについては,副反応がやや強く現れるが短間隔での2回接種で確実に抗体数を増やせるmRNAワクチンで,管理のしやすいモデルナ製を標準で使うのが望ましいのではないかと書いた モデルナ製ワクチン量産に1票 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/6/24。

 世界にはほかに,ロシアのスプートニクV,中国のNovavaxなど,ワクチン外交用も含めて量産を進めているワクチンが数種類ある。世界人口66億人,2回接種するとして132億回。アストラゼネカ製が高齢者向きでないとすると,この際,モデルナ製ワクチン製造に世界中が思い切って舵を切って,一気に接種率を高めることも一つの有効な方法ではないかと思う。

 国内の職域接種の応募が1700件を超え,モデルナ製ワクチンの供給計画の数に達したため,一次的に応募を止めることになった。せっかくアストラゼネカ製ワクチンはあるのだが,60歳以下では使わない方針なので使えない。やはり,モデルナ量産を加速させる必要があるかもしれない。職域接種でファイザー製を使うのは,管理上のミスをさらに誘発して,ムダを出すことが懸念されるからである。