jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

自宅療養の危機-家庭での濃厚接触と一人暮らしでの発見遅れ

身体の調子が悪くなると,まず訪ねるのが医者である。かかりつけ医であったり,近所の医院であったり,公立病院だったりする。夜中に熱が出ても,救急病院が対応してくれるし,消防署に電話をすると,夜間担当病院を教えてくれる。子どもが熱を出したときは,残念ながら小児科医でなかったために,適切なクスリを処方してもらえず,症状が悪化してその後入院する羽目になり,生死の境を彷徨った。医者でも原因を誤認することはある。

 治療法がかなり確立してきたインフルエンザですら,重症化して肺炎になったら厄介である。耐性菌で抗生物質が効かないケースもある。現在でも,年間3000人ぐらいの死者が出ているのである。

 COVID-19は,治療法がまだ確定していない。重症化のプロセスも解明されていない。仮に入院して専門家の観察下にあったとしても,あっという間に重症化して命を落とす人もいる。まして,自宅療養の場合,自己判断で対応が遅れる危険性がある。血中酸素飽和度計(パルスオキシメーター)の数字を甘く見ることもある。息苦しくなくても,症状が一気に進む場合もある。

 ここの判断が難しい。急に症状が進んだとしても,救急車を呼ぶという判断ができるか,また救急車がすぐに来てくれるか,さらに入院先が確保できるか,といずれも不確定要素が多すぎる。場合によっては,1分1秒の判断の遅れで,取り返しのつかないことにならないとも限らない。

 さらに言えば,自宅療養をだれが言い渡すのか,という問題がある。PCR検査をした保健所が判断するのだろうか。そこでの判断が適切かどうかは,だれが保証するのだろうか。本人のヒヤリングで症状が軽いか重いかを「適宜判断」するのだろうか。

 政府関係,政治家関係,官僚関係,およびその家族で,軽症者が出た場合,「自宅療養してください」と言い渡せるのだろうか。ほとんどは「忖度」が働いて,きちんと入院の手続きが取られるのではないのか。五輪選手と関係者は別枠。で,自宅療養が言い渡されるのは一般人である。

 しかも,ワクチン接種が進んで罹患者が減ってきている高齢者に代わって,若者が罹患するケースが多い。家族のいる人は,家庭内での濃厚接触による感染でクラスター発生の危険性があるし,家族がいない人も一人暮らしが多いと,病状が悪化しても発見が遅れて手当できなくなる危険性がある。

 正直,2020年1月の自宅療養者増加による医療崩壊の危険よりも,数倍,危険性が高まっているのを感じる。

 とにかく,若者,働きざかりは,積極的にワクチン接種を検討してほしい。そして,大規模接種会場を作れるのなら,なぜ救急病棟を作らないのか - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/5/18 でコメントした救急病棟の設置,および大阪府が設置した「入院待機ステーション」はギリギリだが適切な対応 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/5/1 でコメントした入院待機ステーションの設置を至急進めてほしい。