jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

プラスチックゴミは,もう限界点を超えている--水素エネルギーへ転換して地球温暖化を止める方が先決問題【追記】

2020年7月から,レジ袋が有料化された。これに関連するのか,2022年4月からコンビニなどで無償提供されている使い捨てのスプーン,フォーク,ストロー、クリーニング店のハンガー,衣類用カバー、ホテルが提供する歯ブラシ,クシなど12品目の有償化するという。

 まず,毎度のことだが「など」の使い方が間違っている。ここには7品目が書かれていて,残りの5品目が気になる。どうしてこういう報道の仕方を平気でできるのか,メディア側の姿勢に疑問を感じる。わかり次第,追加することを考えている。

【追記】残りの5品目は,ナイフ,マドラー,カミソリ,ヘアブラシ,シャワー用キャップとのこと【追記終】

 基本的には,無償提供の必要がないものである。衛生上の理由で新品のプラスチック製品を渡すことが,高度成長期のサービスの1つだった。ビジネスホテルでは,歯ブラシやクシなどが必要な人には,自動販売機を設置して販売している。

 レジ袋は有償化した後,コンビニでは7割減と大きな効果を上げていると報道されている。しかし,レジ袋は独り者であろうと家族持ちであろうと,ゴミをまとめて捨てる目的のために「リユース」されている。ゴミ袋として使われたレジ袋は,ゴミ収集され,焼却される。埋め立てられてその後飛散するのはごく一部である。

 一方,今回の対象となっているプラスチックスプーンやストローなどは,ほぼ100%リユースされることなく廃棄される。ファストフード店ではすでに分別ゴミとされているので,拡散することはない。自宅でも,おそらく9割の人が分別ゴミとして出しているだろう。つまり,プラスチックの使用量を減らすという意味では有効だが,海洋へのプラスチックゴミの低減という意味での効果は限定的と思われるのである。

 報道で,クジラやイルカが飲み込んだレジ袋,カメの目に刺さったプラスチックストローなどが画面に映り,野生生物の保護のためにプラスチックゴミを減らそう,プラスチックの使用を減らそう,というムーブメントなのだが,魔女狩りの域を越えない。たとえば,海洋投棄されるプラスチックゴミの50%は,漁網であることはあまり知られていない。網に頭を突っ込んだアシカの身体に網が食い込んでしまったりしているのである。

 インドも強硬に,海外からのレジ袋の持ち込みに規制をかけた国だが,一向にその効果が現れない。日本の周りのレジ袋が減ったという調査もない。

 さらに問題になっている直径5mm以下のマイクロプラスチックにしても,この大きさまでに粉砕されることは自然界ではほとんど起きない。むしろ,洗顔料に一時期使われていたスクラブと呼ばれる1mm以下のマイクロプラスチックの方が,生き物の体内に取り込まれやすい。しかし,この大きさになると目で見ることはできない。元を断つ以外に拡散を止める方法はないのである。

 生き物の被害を取り上げて制限を訴える手法は,常套手段である。プラスチックゴミが海に流れ込まない方がいいに決まっている。しかし,有償化しても,そこら中にゴミを捨てる人間の体質が変わらなければ,いずれ海に流れ込んでしまう。規制のない割り箸でも,その包装はプラスチックである。パンもサンドイッチもおにぎりもお菓子も惣菜もすべてが,プラスチックに包まれている。レジで渡すスプーンの何百倍もあるこのプラスチックゴミをどうするのか。

 ちなみに,コンビニのプラスチックスプーンやストローなどは,「今すぐにでも禁止できる」アイテムなのに,なぜ半年以上も先の実施なのか,そういう疑問が残る。無くたって済むのだから,ただちに禁止し,有償化すればいい。ここで,経産省と業界の癒着がバレバレである。

 石油をベースとした化学工業により,化石燃料を使いまくり,その結果,プラスチックゴミと地球温暖化ガスCO2を無制限に放出した報いである。石油を燃焼させる火力発電によるCO2排出は,水素エネルギーへの転換をする決断が必要である。まずここを変えなければ,地球温暖化が先に進み,プラスチックゴミどころの騒ぎではなくなる。水素産業の最先端を進んでいる日本に,最後の活躍をしてもらいたい。