jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

アフガニスタンからの米軍撤退と,世界のパワーバランスの中の日本も国際派台頭が必要か

アメリカ軍のアフガニスタンからの撤退が2021/8/31に完了した。バイデン米国大統領の宣言で,アメリカが世界のパワーバランスのために海外に駐留する時代が終わったことになる。かつて,アメリカと旧ソビエト連邦の2大国が核兵器保有でパワーバランスを保ってきた時代から,ソビエトの崩壊でアメリカが世界全体の平和を担う役目を負っていたが,中国の台頭,EUの経済連合,そしてIS(イスラミック・ステート)によるテロという複数のパワーの台頭によって,1国によるパワーコントロールができなくなったということになる。

 国による“常識”の違いが,対立の原因となる。タリバンが支配を獲得したアフガニスタンでは,イスラム教の強行な思想が常識に返り咲き,女性への弾圧の復活も予想される。せめてこの20年の長いアメリカ型常識の一部を取り入れる知恵があってほしいところである。

 中国では,中国 貧富の差是正目指す「共同富裕」 企業など追随する動き | 中国 | NHKニュース 2021/8/31 という国内の新しい動きがある。世界最大の大国となった中国に対する世界からの見方がより厳しくなる中で,「民族差別をなくそう」「貧富の差をなくそう」という政策を打ち出すことで,批判をかわす政策とも見える。また寄付する企業側も,中国政権に自由を奪われないための「忖度」のための行動にも見える。ただ,結果として貧富の差が改善され,辺境地域の少数民族への差別がなくなれば,また国としても変わってくるのではないかと,この政策に多少は期待しているのである。

 あとは,相変わらずのロシアと北朝鮮である。特にロシアは,世界にはびこったCOVID-19に対するワクチン開発能力があるにも関わらず,最近はほとんど話題に上らない。

 軍事力以外で世界に対して何を主張できるかが,これから10年の主導権を取れる国かどうかを決めると考える。そうすると,ポイントは「COVID-19」と「地球温暖化」に集約されると思うのである。「世界の工場」は二の次に考えないと,人類や地球の方が先に滅んでしまうからだ。

 現在,アメリカはCOVID-19対応ワクチンの開発で一歩リードしている。2大国の一方である中国は,アジアやアフリカを中心にワクチンの無償供与で貢献しようとしているが,科学的なエビデンスがなかなか出てこないという弱みがある。ロシアも自国での実証を早く進めて,一番乗りした「スプートニクV」で世界貢献することによって,アメリカとの緊張関係が和らぐのではないかと思うのだが,プーチン大統領の考え方がいまだに変わらないのが欠点かもしれない。

 「地球温暖化」に対する貢献は,日本の出番だと思うのである。水素燃焼発電をメインエネルギーとする提案 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/8/10。

 かつて30年ぐらい前に,太陽発電と太陽熱発電を赤道ベルト上で行い,そのエネルギーを送電線網で世界各国に供給する,という壮大な構想があった。世界に紛争がなければ,これも実現していたかもしれない。これが実現できないとなると,地産地消エネルギーしかなく,24時間安定供給できるのは,燃焼系の発電所であり,石油,石炭,原子力がダメだとすると,LNGか水素か,という選択になるのではないかと思うのである。洋上風力発電も解としてはないわけではないが,1000基単位で一気に作らなければ代替できない。水素燃焼発電所なら,1基で石油火力発電所を代替できる(可能性を持つ)。

 ただし,この水素エネルギー革命を主張するには,強力な信念をアピールできる国の代表が必要である。トランプ前大統領に比べて年長で健康面での心配もされたバイデン大統領が,アフガニスタン撤退に臨んで「決断は正しいものだった」と堂々と主張したことには正直驚いた。そして,このバイデン大統領や習近平中国主席,タリバンのバラダール議長,ジョンソン英首相,金正恩北朝鮮主席など,世界中のアクの強いリーダーに正面から対峙できる個性と主張を持った人物が必要である。国内のパワーバランスだけを気にしている今の政権幹部や野党党首に適任者はいない。世界環境会議でダジャレで受けただけの大臣も,一発でふっ飛ばされてしまうだろう。

 とはいえ,何を言っても東京パラリンピック2020が終わる9/5までは,日本は何も動かない。せめて,パラリンピックが終わったらすぐに,オリンピック村を緊急病棟に転換して患者の受け入れを始めるべきだと思う。あと数日の間に,自衛隊が着々と準備していることを期待したい。