jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

“猛烈”な台風という言い方も気になる

激甚台風が連続して発生--太平洋がメキシコ湾化 - jeyseni's diary 2021/9/30 と書いた台風16号は,午後3時段階でもまだ中心気圧が945hPaと伊勢湾台風並みの勢力を持って接近を続けている。関東地方では午後8時ごろに雨が本降りになり,午後11時ごろには大雨になると雨雲レーダーは予想している。

 「大型で非常に強い台風16号」では「猛烈な風が吹き、猛烈にしける」など,“猛烈”が連呼される。どうもこの言葉が気になる。

 筆者にとって,“猛烈”は「オー,モーレツ」のCMが頭に浮かぶ。丸善石油の1969年のCM「Oh!モーレツ」でスカートがはためくものだ。まだ思春期の筆者にとっては

刺激が強すぎた。その後の経済成長期には「モーレツ社員」「企業戦士」のような言葉も登場する。いずれにしても,あまりいい印象を持っていない言葉なのである。

 先のブログでは「激甚台風」という言い方をあえてしてあるのは,こういった事情があるからだ。「強力な」とか「強い」では足りない。「激しい」あるいは「烈しい(はげしい)」,「甚だしい」あたりも使えるが,まだ強さと伝えきれていないような気がする。

 要するに「危険な」という意味を伝えたいのに適切な言葉が見つからない。「深刻」というのともまた少し違うのである。

 猛烈を連呼されると,安易に使用しているような気がする。「非常に強い風が吹き、大幅にしける」など,言葉の繰り返しをしてほしくないのである。

 COVID-19の感染拡大時や,災害危険度を示す言葉も,くるくると表現が変わる。「ステージ4」と言われても医療現場の逼迫度合いが伝わらない。

 天気予報では,注意報が黄色,警報が赤色となっている。台風の周辺の暴風域は,赤より危険の高い紫色,そして台風の中心付近は大規模災害の発生の危険を示す黒色に表示して,黒色がどの程度範囲が広いのか,その周りの紫色がどこまでかかるのか,を示していただくのがいいかと思われる。

 そして「赤の警報レベル」「紫の要避難レベル」「黒の激甚レベル」という言い方ではどうだろうか。

 台風の予想進路の図でさらにわかりにくくなったのが,進路予報円である。以前は,たとえば12時間後の予想位置は扇形で示されていた。これに速い・遅いの要素を加えたものが進路予報円なのだが,まるで暴風域が極端に拡大するような印象を受けてしまう。

 これも提案だが,最も確度の高い進路,つまり進路予報円の中心を通る線だけを示し,その後,一番右寄りと一番左寄りの予想進路の場合にどのような影響があるかを

示す方法でいいのではないだろうか。中心から外れても,それは仕方がないことである。中央を進む確率が50%,左右にずれる確率がそれぞれ10%として紹介すればいい。

 予想に幅をつけると,いかにも言い訳みたいに見えるからである。昔は,天気予報は1日2回だった。各地の「気象情報」の数字をラジオで聞いて天気図を作り,自分で予測したものである。いまは,1時間ごとでも,15分ごとでも,最新情報を提供できる。いや,スマートフォンなどではリアルタイムに情報更新しても伝えることができる。いまこの瞬間で最も確率の高い予測を随時伝え,随時修正を加えていけば,だれも文句は言わない。最初からエクスキュースを作って予測するのは,傲慢というものである。

 「現在,接近中の台風16号は,中心付近が関東地方に接近または上陸する可能性が40%もあり,上陸前後の風雨は,〇〇県で黒の激甚ゾーン,○○県で紫の要避難レベルがそれぞれ3時間ぐらい継続する可能性があります」など,トリアージュの色分けと,確率,規模を伝えた方が,次の行動の取り方の役に立つ情報になると思うのである。

 スマホアプリを登録している場合は,画面表示色も変えて警告を出すような工夫がほしい。フラッシング(点滅)などの工夫もできるからである。