jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

我が家のイヌが2匹から7匹に増えたかもしれなかった件

筆者宅では,12年前から2匹のイヌを飼っている。老犬の域に入り,あと数年かなどと思うたびに,ペットロスになることが予め予想されるのが辛いが,今をとにかく最大限有意義に過ごそうと思って日々を過ごしている。テレワークは,筆者にとってはとてもありがたい仕事形態なのである。

 さてその我が家に,突然,5匹のイヌが来る可能性があった。昨日,ある情報網で「明日,殺処分になるイヌたちの引き取り手を募集」という情報が流れてきたからである。対象は10匹。そのうち半分の5匹は保護団体に引き取られることが決まったが,残り5匹の引き取り手がいないというのである。

 時間がない。周りの人に少し状況を聞いてみても,欲しいけど翌日すぐに引き取れるという人はなかなかいない。しかし,朝の間に連絡して引き取りを申し出なければ,命が失われる。

 家族からは,こっちの子はウチの子の小さいときに似てるから引き取りたい,とかいろいろ話はあったが,じゃあ残った子はどうなるのか,と考えたとき,筆者は「とにかく一度,5匹全部引き取ろう」と提案した。どの命も同じ命だからと考えたからである。

 すでに2匹の老犬のいる一般住宅に,しつけ状態も分からないイヌが一気に5匹も来ると想像しただけで,部屋中が大混乱になることは目に見えていた。そもそも場所がない。ケージもリードもトイレも,今の2匹分しかない。餌はどうする,散歩はどうすると,考えることは楽しいが,現実が近づくと「とにかくその場その場でやるしかない」という気持ちで高揚した。

 結果として,10匹がまず全部保護施設に引き取られることになった。そこで譲渡会などを通じて欲しい人へのアナウンスが行われるのだという。筆者宅もいつもの2匹の散歩で朝を迎えた。

 イヌやネコの殺処分数について,昨年のデータを見つけた 犬の「殺処分」の現状。殺処分ゼロは本当なのか?ペット先進諸外国との違いについて知る|docdog(ドックドッグ) 2020/7。2018年度における犬の殺処分数は7,687頭、猫の殺処分数は30,757匹で,その10年前はほぼその10倍はあったらしい。年々,処分される数は減っている。それでも単純計算で毎日イヌが20匹,ネコが100匹も処分されていることになる。筆者が思いつきで5匹引き取ったとしても,それが限界である。

 ペットとして我が家に来た2匹ですら,おそらく生まれて1ヶ月ぐらいで母イヌから離されてペットショップ店頭の陳列ケースで数ヶ月を過ごしていたことになる。ずいぶん残酷な仕打ちを受けたものである。当時,ケースに並んでいたのはイヌが7匹ぐらいとネコが10匹ぐらい。1匹をまず家に引き取り,その後3ヶ月後にもう1匹を引き取った。最初にこの2匹が候補になり,手間のかからない1匹を選んで家に引き取ったが,もう1匹がどうしても気になってショップに通い続けた。3ヶ月も経過するうちにどんどん成長する。子犬が大きく育ってしまうと,その分,引き取り手も限られてくるらしい。「来週来て,まだ引き取り手が決まっていなかったら我が家に引き取る」と決めて帰った翌週,図らずも彼女はまだケースに残されていた。あとは無条件に引き取り手続きを進めた。もともと,トリミングの手間のかかる犬種だったので我が家では飼えないといってもう1匹にした経緯があったので,家族からは呆れられたが,2匹いると何かと行動の違いもあり,楽しく世話が続けられている。病気になることも少なく,結果オーライだった。

 しかし,考えてみるとその時の残りの5匹のイヌはどうなったのか,10匹のネコはどうなったのかはわからない。それぞれ引き取られたことを祈っているが,実は今回のような末路をたどっていたのかもしれない。

 2匹が老犬の域に入り,近所で飼っていた数匹のイヌたちもすでに他界して,いまや我が家の2匹だけが近所で残っている。老犬の世話は実は大変で,飼い主も年老いてくると世話ができないこともある。そんな老犬を介護してくれる施設も世の中にはあるが,経営は非常に苦しいのだという。

 5匹の保護犬を引き取ったとして,7匹をきちんと飼うには,もう少し設備も整える必要がある。都内近郊の住宅街で多くのイヌを飼うこと自体も問題がある。少し田舎で,こうした老犬を預かる施設をできれば運営したいとも考えたこともある。

 これもSDGsの1つのテーマだと思うが,ヒトすらまともに住めなくなりつつある地球で,ヒトのわがままの犠牲になるペットたちがこれ以上増えないような,規制法ももっと必要などかもしれない。