jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

NHK「まちかど情報室」が終了へ--また1つのコンセプトが消滅

NHKの朝の時間帯に提供されていた「まちかど情報室」が2022/4/1で最終回となる。筆者の情報源として楽しんでいたコーナーだけに,残念である。ホームページによると,20年の長寿コーナーだったようだ。

 まちかど情報室は,キーワードでテーマを決め,そのキーワードを表現できる新製品を紹介したり,使い方を紹介したりしてきた。単にメディアが選んだ製品でもなく(おそらく),また他局が行っているようなタレントによる買い物番組でもなく,ごく一般の人(おそらく,あらかじめ登録されている人と思われるが)が自宅や自分の活動場所で紹介している姿を取材する,というスタイルで紹介されていた。

 一般の人の率直な感想が説得力があった。コーナーの最初に紹介されるキーワードを見て,どんな製品だろうか,と想像して番組を見る。想像をはるかに越えるユニークな製品が紹介されることが多く,番組の後でWebサイトで調べてみることも多かった。

 ちなみに筆者は,社会人になって雑誌の編集者になったときに,担当したのが「アイディアコーナー」というコラムだった。現場のアイディアが投稿されたり,世の中に出てくる新製品の中からユニークな特徴を持った製品を紹介するコラムで,筆者的には「世の中のアイディア探し」を日々続けていたことになる。この流れが,電子ガジェット(電子手帳とか)好きにもつながって行き,今のパソコン好きにもつながっていると思う。

 まちかど情報室のいいところは,いろいろな人の視点で商品が選ばれていることである。女性の視点,子供の視点,家族の視点,仕事人の視点など,通常,筆者が持っていない視点で選ばれた製品が,意外に自分のニーズに合っていることも多かった。たとえばママバッグ。ポケットがたくさん付いている。カバンの底に汚れ物を入れるポケットがあったり,サイドポケットには保温のためのアルミシートが貼ってあったりする。その後,男性でも持てそうなデザインのバッグを購入。もう2年以上も愛用している ネックストラップファンを「デイパックのポケット」に入れて使う方法 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2020/12/9。

 後半の2年ぐらいは,「達人の技」という企画が増え,さまざまな道の専門家による情報紹介が加わった。この辺りで,あれっ,そろそろネタ切れなのかな,と思ったりした。ちょうど新型コロナウイルスの蔓延の時期でもあり,一般家庭での取材が難しかったのかもしれないが,正直言えばあまり役に立たなかった。すでに,「ガッテン」や「チコちゃん」などのハウツー系番組とテーマが重複しがちだったからである。まちかど情報室は,製品にこだわった点が良かったからだ。

 筆者も,ワンポイントのアイディアが大好きである。東急ハンズや100円ショップ,文房具店などで,ほかとちょっと変わった工夫をしている製品に出会うと,思わず買ってしまったりする 好きなショップ - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2021/9/23。東急ハンズの池袋店が閉店したのは大きいが,Amazonで検索して製品比較できるようになったのも大きい。100円ショップは,とりあえず買って試してみるのに最適な環境である。

 モノを探してきて紹介するだけでなく,きちんとそのユーザーのコメントでまとめるという構成は,苦労もあったことが容易に想像でき,よく20年も続いたものだと感心する。担当スタッフの方にはお疲れ様でしたと言いたい。とともに,このような企画がひょっとしたら届けられなくなってきた事情がNHK内部にできたとすると,これは悲しむべきことでもある。筆者によるNHK批判は,このブログで「NHK」キーワードで検索していただくと結構な数が出てくる。独自のコンセプトが消滅することは悲しい。