jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

21世紀の人類存亡の危機--AIはどういう答えが出せるだろうか

日記を始める - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2019/6/26。ずいぶん長くこのブログに書いていた気がしていたが,ようやくあと2ヶ月で3年になるようである。もともとは筆者の周りで起こる筆者の感性と異なるさまざまなことがらをメモする目的で始めた。環境問題や地球温暖化問題はずっと関心のあるテーマだったが,まさかその後半年で,新型コロナウイルスの世界的パンデミック,さらにプーチン集団によるウクライナ侵攻からの世界大戦への懸念という,「現代人類の2大危機」が続け様に起こるとは予想もしていなかった。まさかこの21世紀に,眼の前で身近な人が急にいなくなるという異常事態が起きるとは,予測できた人はどれほどいるのだろうか。

 COVID-19との戦いは,mRNAワクチンという新たな手段により,何とか均衡を保とうとしているものの,ウイルスの変異のすさまじさに次の打つ手があるのかという不安がある。2回接種で十分と言われたワクチン接種が,3回,4回と繰り返されてもなお,感染拡大に歯止めがかかっているとは思えない。最新のオミクロン変異株に対して重症化を防ぐ決め手となってはいるが,死亡者数は決して減っているわけではない。これはインフルエンザでも同様である。ウイルスと人類あるいは鳥類などの戦いは,まだまだ続く。次のパンデミックに人類が堪えられるのか,不安が残る。

 民主主義と専制主義・権威主義の戦いも,予想がつかなくなっている。世界自由度ランキングが語る民主主義の凋落と権威主義の台頭 ~データで見る国際秩序(3)~ | 石附 賢実 | 第一生命経済研究所 (dlri.co.jp) を見ると,米Freedom Houseの定義によるFreeな諸国は82ヵ国,Not Freeな諸国は54ヵ国とされているが,Free数が減少傾向,Not Free国が増加傾向にあるという。他国に構うことなく自国の利益だけを追求するなら,強力なリーダーシップで国をまとめる専制国家の方が政権運営はしやすいのかもしれない。しかし,国内での反対意見の封じ込めと,域外への無差別な侵攻という理屈が21世紀にも通ると考えているのも,平和ボケした日本人にとってはなかなか理解できない。

 一方で「国際法」というのも1つの理屈であり,新興国にとっては発展の妨げにもなっていることも考えられる。国連という組織も1つの理屈であり,SDGsを掲げたものの先進国にとっては有利・発展国にとっては不利な政策として,一枚岩にはなっていない。

 現実の世界でも,商業主義を貫く一般企業は,競合企業と共存することなどはほとんど考えていない。自社が市場を席巻することが第一目標である。そのために,社長にはリーダーシップが求められるが,逆に言えば専制主義を地で行く企業が世の中をリードしている。GAFAやTesraなども,強力なリーダーシップで世界をリードしている。逆に,護送船団方式の日本企業は,政治や法律を盾にいかにも優等生として世界に乗り出しているが,協調を図ることで自社の首を締めている部分もあるように見える。

 メタバースでは,今のところ,何の規制もない。Metaに社名変更したFacebook社のように,投稿に対する対応にさまざまな規制が加わったことで,仮想空間に逃げた企業もある。仮想通貨も何の規制もなく,通貨量の制限もない。メタバース=それはまさに“パラレルワールド”--だがリアル社会以上に無法地帯である - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/1/14。プーチン集団によるウクライナ侵攻で,民主主義国家はロシアとの取引を規制し,資産を凍結するという措置を取っているが,現実にはロシアと経済的な関係の深い複数の国家からの物資供給があり,また仮想通貨による外貨獲得も行われている。ロシア国内も物資は潤沢にあり,経済制裁の効果が限定的な半面,ロシアからエネルギーや食糧を購入してきた民主主義国家は,物価高騰が始まり,国家経済への影響が始まっている。

 世界中の資源を平等に分ければ,物事は解決しそうに思えるが,すでに文化的・経済的に裕福になっている国家と同レベルを全世界で実現しようとすれば,必要なエネルギーは3倍,食糧も3倍は必要になる。これでは,地球温暖化やエネルギー危機,食糧危機を加速させてしまう。これを調整しようと国連が乗り出してSDGsという運動を始めたものの,すでに既得権益を得ている先進国が生活レベルを下げることはないし,これを解決するための技術開発も残念ながら遅々として進まない。

 どう見ても,民主主義と専制主義では意見が合わない。特に専制国のリーダーが妥協をするとは思えない。人類が他の生物と違って唯一手に入れた「議論」という知恵が,まったく生かされない。

 現在の世界人口は66億人。この人口を支えるにはもう1つ地球が必要,という試算もある。人類はどこでこの大きな間違いを犯してしまったのだろうか。

 筆者は,戦後の日本の経済発展・技術革新によって,日本が世界を救うモデル国になれることを信じてきた。平和を守り,対話を重視し,核兵器も武器も持たず,世界の人が求めるものを低価格で提供することで世界平和を目指す,というモデルは,ある意味で理想的だったが,結局は「日本の一人勝ち」と見られたのではないか。明確な専制リーダーは見えないが,イケイケゴーゴーでのし上がったと見られていたのではないか。それを「エコノミック・アニマル」「イエロー・モンキー」という差別語で揶揄されたのではないか。

 国連という世界のほとんどの国家が参加する議論の場があるにも関わらず,おそらく議論しても結論は出ない。ロシアや中国という現実的には専制主義国家が拒否権を持っているからである。

 人間の知恵である「議論」には限界があるようである。筆者がいろいろと頭で考えても,とにかく「プーチン大統領が一刻も早く考えを変えて戦争をやめる」しか平和的な解決法はない。しかし,自分の論理が正しいと信じているリーダーに,方針転換を図らせるのは容易ではない。仮に排除したとしても,親プーチンの意見を持つ国民は多く,収拾するとは思えない。

 今後の人類の方向性を人類自身が決めるのは,難しいと筆者は考える。とりあえず大急ぎで,これまでの人類の知見をAIにぶち込み,AIならどういう答えを出すのか見てみたい。ただ,おそらく恐ろしい答えを出してくるだろうことが予想される。その答えを見て,人類がどう考えるか,考えを改めるのか,見てみたいものである。