通勤に日常がかなり戻ってきた。筆者も毎日通勤に戻している。改めて、駅のアナウンスの多さに気づくのだが、最も酷いと思われる例に出くわしている。
電車が入線する際、一般的に録音の音声が流れる。あらかじめタイミングも合わせてあり、別の録音アナウンスとは被らないようにうまく調整されている。
ところがここに、係員の地声アナウンスが重なる。録音アナウンスは女性の声が多いが、まるでそれをかき消すような大声である。
さらに、ホームにいる係員もマイクで注意を呼び掛ける。おまけに、アルバイトの学生くんも、楽しそうに大声を上げる。好きな電鉄でのバイトで張り切っているからであ。
これで言葉が4重にも5重にもなる。
ホームで大きな声を出すというのは、「会話は控え目に」と呼び掛けていることと矛盾する。しかも、ならんで次の電車を待っている客の目の前で大声を出す。声を出せばマイクロ飛沫が発生するし、大声を出せばマスクの隙間からそのマイクロ飛沫が漏れる。まことに迷惑である。
せっかく女性の優しく通りやすい声があるのにそれを遮ってまで地声のアナウンスをする必要はあるのだろうか。
日本の都会は殺伐としている。騒音が多すぎる。半分以上の人は、その喧騒の中でスマホに集中し、Bluetooth イヤホンで耳を塞いでいるこれを乗り越えでもしようかというほどの大声のアナウンス--整理して考え直してほしい。何十年もまったく進化していない。