jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

行進の経験がない--周囲と動きを同じにできない

マーチテンポというのがあるらしい。メトロノームでいうと1分間に120回前後のペースである。筆者の年齢の人は,幼稚園から高校まで,朝の朝礼から運動会まで,すべて行進曲で身体を動かしていたのが身体に染み付いているのか,荷物でもない限り,だいたいこんなテンポで歩いているように思う。

 世の中,スマホ歩きが全盛である。注意されても注意されても,Bluetoothイヤホンを耳に差し込んでいては馬耳東風である。いや,風が通らないほど密閉されていて,外部の音は聞こえない。

 それでも,周囲の動きに同調しない人が多すぎる。

 階段を上るときは,だんだん遅くなってしまうのは仕方ないかな,と思うときもあるが,普通の人ならワンフロア分のわずか20段か30段で脚が疲れるほど体力が落ちているわけでもないと思うのである。そういう人に限って,階段幅の中途半端なところを上がることが多く,抜くこともできない。例のごとく,巨大なデイパックを背負い,背負うだけならともかくそれを左右に揺すりながらボテボテと上がっていく。後ろから人が来ていることなどお構いなしである。

 ところが階段を下りるときも,だんだんスローダウンする人が結構多い。位置エネルギーから言えば身体は落下しているわけなので,速度は増してもおかしくないのだが,なぜかだんだん遅くなるのである。おまけに,下りきったところで停まってしまう人も結構多い。多くの場合,スマホ歩きである。

 筆者はかつて,階段の上で携帯電話が鳴って画面を見た瞬間に段を踏み外し,おそらく10段ほど跳んだところで片足で着地した際,足首の剥離骨折をした経験がある。歩けるようになるまで1ヶ月,痛みがなくなるまで6ヶ月もかかった。もちろんこれはスマホ歩きではない。しかし階段でのスマホ歩きなど,とんでもないと思っているので,実際に画面を見ながら歩いて階段を下りている人を見ると恐ろしいし,「こいつが落ちて,それに巻き込まれるのは勘弁してもらいたい」と思うのである。

 普通に道を歩いていても,何だかのんびり歩いている人がいると少し腹が立ってくる。なぜかこういう人は歩道の真ん中を歩くのである。もう半歩,左に寄ってくれればすっと抜かせるのにな,と思う。自分の歩いている位置が認識できないのか,周囲が認識できないのか,よく理解できない。

 別に,日本体育大学伝統の「集団行動」を真似ろと言っているわけでもない。逆に,海外の軍隊のパレードでの一糸乱れぬ行進には,ゾッとするものもある。

 筆者的には,1964年東京オリンピックにおける日本選手団の行進の美しさが思い出される。近年のオリンピックは,リラックスした入場の様子が映し出されるが,正直言って時間がかかりすぎるように思える。かつてはきっちりと歩いていた高校野球の入場行進も,近年は今一つ精彩がない印象を受けている。

 高校の吹奏楽部の大会の話題が,テレビでもよくドキュメントで伝えられるようになった。コンサートホールでの演技や,マーチング・バンドの演技など,リズムに合わせての演奏と演技は身体に染み込むのではないかと思う。

 一般の人は,体育会の入場行進の練習ぐらいしか経験することがない。イヤホンで聞く音楽は,マーチングのリズムとは合わない。通勤時間の駅構内で,マーチ曲をBGMで流したら怒られるかもしれないが,一度そういう実験もしてみてはどうかと思ったりする。変な衝突が避けられるかもしれない。もちろんエスカレーターでマーチ曲を流してエスカレーター歩きをされてはダメだし,まして軍歌など流したら顰蹙ものである。