筆者のアルコール歴は、大学生のウイスキーから始まる。当時、ダルマと言われたオールドから贅沢にも始め、角、ホワイト、シーバスリーガルなどを渡り歩いた。大学生なら通る道と思われるレッドやトリスには行かなかった。何となく悪酔いのイメージがあったからである。
社会人になってからは、もっぱらビールだった。アサヒスーパードライが出たのが衝撃的だった。1987年発売らしい。もっと早くに出会っていた気がしていた。世の中で騒がれる前に、酒屋で試飲して感激したのを覚えている。これは売れる、と思ったら、爆発的に売れて、業界1になってしまった。
その後、新しいビールが発売されるたびに飲んでは試してきた。サッポロのドラフトワンにも驚いた。麦を使わず、豆タンパク質を使ったビール風飲料だが、筆者的にはビールだった。
日本のビールは、基本的にどれも美味しい。イギリスのエールビールやドイツビール、アメリカのビールといろいろ現地で飲んできたが、日本のビールは美味しい。炭酸分が高く、喉ごしが強い。香りも食欲を増す程度にうまく抑えている。
筆者の学生時代には、今ほど焼酎がなかったような気がする。日本酒も冷酒ではなくお燗ばかりだったように思う。焼酎を頼むのは、さらにお金がない状況だと思えていたので、ほとんど飲まなかった。
その後、日本酒は冷酒時代、大吟醸時代に入って復活したように思えるし、焼酎も芋焼酎から麦、ソバなどに材料が広がった。筆者は喉ごしのいい麦焼酎がイチオシとなり、現在に至っている。飲み方はお湯割かロックである。
焼酎の飲み方としては、梅干しを入れたり、レモンやグレープフルーツを絞ったり、さらにソーダで割る飲み方が一般的になっているが、筆者は素材の味や香りを楽しみたいのでお湯割かロック以外はほとんど飲まない。店でも「焼酎の梅干しサワー」などというのは頼んだことがない。しかし、サワー割、つまりソーダ割は焼酎をソーダで割って、これに梅干しやレモンなどを加えたものだ、とずっと思っていた。
ところが、たまたま昨日、いわゆる缶チューハイを買った。プルリングではないスクリューキャップのついた缶を入手したかったからである。急ぎでもなかったが、その日の内に飲んでしまった。レモンの苦味が結構強かった。今どきの味付けであると理解していた。
そのあと、なにげなく缶に書いてある文字を読んでびっくりした。原料が焼酎ではなく国産ウオッカと書いてあったからである。「え?チューハイって焼酎じないの?」
チューハイの定義はアルコールスピリッツをソーダで割ったものだそうで、国内で流通している缶チューハイは多くはウオッカベースらしい。焼酎で割ったモノは、わざわざ焼酎ハイと書いてあるらしい。
ウオッカも学生時代に親戚からもらったロシア産のモノを1本飲んだが、やや苦いというあまりいい印象がなかったので、その後飲んだことはない。
そもそも、柑橘系の果物はあまり好きではない。いや、リンゴと梨以外は好きではない。レモンやグレープフルーツをお酒と一緒に飲むというのは、筆者の趣味に反する。今後もなるべくシンプルに楽しんでいきたいと思うのだが、通常通勤でストレスが溜まり、ちょっと量が過ぎる傾向にある。なかなかコントロールが難しいのがお酒である。