jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

高気圧が突然消え,低気圧が突然複数現れる--これまでの経験が生きない「広域大気不安定パターン」を定義すべき

梅雨が3週間で明けて猛暑日が1週間続いたかと思ったら,2022年7月に入ってまたぐずついた天気模様になっている。しかし,梅雨の停滞前線はなく,台風が来るわけでもない。

 天気図の解説を見ると,日本海に2つの小さな低気圧があるのだが,なぜか九州や宮城県で洪水が起きるほどの大雨になった。かと思えば次は静岡で大雨,そして次は北海道で大雨,さらに高知で大雨と,日本中の各地でバラバラに大雨の地域が出ている。つまり,日本全体が不安定な大きな塊の中にある状態である。

 これを,従来の高気圧と低気圧,その周りの空気の渦と間の前線,前線の前後での天候変化で解説しようとすると,結局はムリがあるように見える。何しろ,高気圧が突然消え,低気圧が複数,突然現れる,といった,まるで茶碗の中の波立ちみたいな不安定な大気の状態になっているからである。

 茶碗の中の水を揺らせば分かるように,右端が山になったかと思えば次は左端が山になる。揺すり方を工夫して途中に山ができるようにすると,その山は一瞬後には消えて谷になる。左右に揺すってやれば線状の波ができる。これが風の流れの縁に沿ってできると,動いているはずが止まっているように見える線状降水帯になる。おそらく今の日本の上空の大気は,こんな風になっているのではないだろうか。

 次にどこで波が立つのかは,まったく分からない。揺すり方であったり,風の向きや強さによって,さまざまなパターンが考えられる。天気図作成と予測のための新しい手法を考える時期ではないだろうか。

 ひまわりからの画像をとにかく読み込んで溜め,パターン分析する。もちろん,アメダスのデータもぶち込む。地形のデータ,海底地形のデータも入れて海流の流れデータもぶち込む。はい,もはや人間では予測不能な天気図ができるのではないだろうか。

 7/15に,九州で線状降水帯が発生するという予報が初めて発令された。結果は発生しなかった。しかし,その直前の宮崎の雨雲の動きを見ると,どうもこちらの方が線状だったのではないか,という気がした。また7/17は関東でも不安定な天気の予測だったのが外れたような比較的いい天気になったのだが,夕方,東京湾を北上する雷雨雲が千葉県の内海側の都市上を数時間かけてかすめていったように見えた。このときの天気を追っかけてみたのだが,結局夕方ごろに大雨になったというニュースはなかった。

 先ほどの茶碗の例からすると,日本全体の上空に大雨の元になっている大量の水分が入り込み,その茶碗のどこからでも水漏れして長時間にわたって降り注ぐのが,今の日本の雨パターンなのではないか。いったん降り始めたら,そこに集中して落ちてくる仕組みである。風船に水を入れておいて揺すり,どこかで針が刺さって風船が割れ,一気に雨となって落ちてくる,そんな印象である。「広域大気不安定パターン」という言い方をしてみたが,そろそろ本気で「日本の天気のパターンは変わった」として,研究をした方が言いように思う。