jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

床下・床上浸水対策を考える--孔だらけ,隙間だらけの構造を1つずつ塞ぐ工夫を事前に綿密に考える必要あり。

1階を完全気密構造にする--新気候時代の日本住宅に提案 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2022/8/17 と提案したもののの,自分の家を注文建築する以外にこれを実現できる方法はない。おそらく,住宅会社も建築会社も,「こんな1階が密閉された家など売れない」と思うだろうからだ。注文住宅になれば価格も跳ね上がる。よほどの金持ちで,しかも変人でなければ,わざわざこんな不便そうな家を作る理由がない。

 筆者の家で考えても,地震や寒暖に対する手はいろいろと打ってはきたが,水害に対しての備えは基本的にはゼロである。ここに水害が起きるはずがない,と思っていても,現実に被害に遭われている方も同じ思いだったろう。

 家の構造から考えて,床下浸水を防ぐポイントは3つだろう。床下の通風孔と排水管,そして玄関ドアである。通風孔から数時間にわたって水の侵入を防げるだけのフタを作るのは,簡単なようで難しい。水圧に負けないようにきちんと固定し,隙間を空けない工夫が必要である。時間があれば,フタを締めたあとに隙間をシリコーンシーラントで塞ぐといいかもしれないが,水圧がかかると浸水を許してしまう可能性がある。ここは要点検である。

 排水管からの逆流を防ぐための仕組みも追加する必要がある。排水管としては,台所,洗面所,風呂場のほか,トイレがある。内水氾濫に備えて風呂に水の入ったポリ袋を入れて押さえることが紹介されているが,風呂に逆流しているということはすでに床上まで水が来ていることであり,ほとんど意味がないように思う。可能なら,排水管の途中にストップバルブを追加することである。また密閉度が高ければ,排水口にネジで密閉できるフタを付けることである。しかし,床下・床上浸水が起きるような場面では,相当な力が加わることになり,プラスチックのフタ程度では破損してしまう可能性もある。ここも要検討である。

 入り口のドアも結構隙間だらけである。単純な目張りぐらいでは簡単に浸水してしまう。戸当りパッキンの強化をもう一度チェックする必要があるだろう。

 建物の基礎までの浸水ならば,以上の方法で防ぐことはできる。ただここまででも,かなりの準備と技術が必要であることを覚悟しなければならない。

 基礎より上の床上浸水まで来ると,かなり厄介である。せっかく,基礎までは中への浸水を防げたとしても,床上まで水が来ると,基礎の上のありとあらゆる隙間から水が基礎の内部にも入ってしまうからである。せっかく,床下浸水の防止のための施策がまったく無駄になってしまう。

 とりあえず,家の周囲にラップを掛けることを考えたが,四角い建物なら可能だが1箇所でも凹んだ断面のある建物だとこの方法は取れない。筆者宅は2箇所で凹凸があるのでできない。何らかの方法でつなぐ方法を考えなければならない。しかも,ラップが建物の基礎とぴったり合わさっている保証もまったくない。

 そこでまず,基礎の上部に密閉用の帯を作る必要がある。これはシリコーンシーラントをぐるっと塗り回すことで実現できるように思える。また凹がある家では,この凹んだ角の部分にラップを固定できる部分を作る必要がある。この辺りは,日曜大工のような工夫が必要である。事前に準備を進めておく必要があるだろう。

 浸水が始まったら水は一気に増える。浸水の恐れがある場合は,換気口,排水管,ドアの順にまず対策を施し,ドアの使用をやめるぐらいの覚悟が必要である。その後,床上浸水に備えてラップの巻き付けを進める。建物周りにいろいろなモノがあり,また配線や配管の飛び出しも各所にある。事前に1つずつ,弱そうな箇所を潰していくしかないだろう。もちろん,必要なモノを上の階に移動させることも同時に行う必要があるし,避難の準備もする必要がある。やることは山のようにある。