jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

洋式便器の大きさはおかしくないか--便座の高さ,前後位置を動かせる機能が欲しい

トイレといえば,洋式便器となった現在である。筆者の実家も,もともとは和式便器と男性用小便器のセットだったが,大幅なリフォームで洋式便器1基に集約された。

 男性の小便は立ったままするものだと思ってきたので,洋式便器になっても立って用を足すという習慣は消えていない。

 ところが,男女共用で1基の洋式便器に集約されるようになり,男性用小便器が絶滅危惧状態になっている現在,洋式便器での男性小用を,便座に座って用をたすように指導されるケースが増えてきた。

 我が家も洋式便器のみである。筆者はこれまでの習慣で,立ったまま小用をたしていたが,西暦2000年前後に生まれた自分の息子に最近聞いたところ,母親からは便器に座って小用をたすように指導されているという。 

 男性の小用については,NHKの「ためしてガッテン」で詳細な分析が放送されてビックリしたことがある 家族が涙!トイレ問題 大解決SP - NHK ガッテン! 2015/9/2放送。Webサイトに情報が残っていたことにも驚きだが,「その法則とは…、『12cm以内』におしっこを壁面または水面にぶつけること。」という記録も残っている。

 男性小便器では1歩前に,洋式便器では便器に座って,というのが,飛び跳ねを防ぐ方法だという結論なのだが,男性小便器の場合は理解できるのだが,洋式便器ではずっと疑問に思っていた。

 便器に座った状態は,イラストにあるようなものである。これに断面をイメージしてもらいたい。まず便器側だが,たいていは大便側(後ろ)は深くなっているものの,小便側(前)は浅い斜面になっている。次に人間側だが,もう少し後ろに座っているにしても,男性にとっては小便側(前)の空間がかなり狭いと感じているのである。

 タンクに向かって前向きに便器を跨いで(またいで)用をたせば十分な空間があるのだが,この態勢で小用をするには,ズボンの片脚を脱がなければ跨ぐことができない。自宅ならともかく,出先や公衆トイレでは服が汚れる可能性もあるので,片脚を脱ぐことはできない。

 この話を冗談のようにすると,否定されることも多い。正直,自分のサイズが特別なことはないし,世の中にははるかにスペシャルな人も多い。普通に大便で用をたす場合も小用は出る。小用の際に便器に深く腰掛ければいいかもしれないが,今度は便器の小便側(前)の斜面との距離が微妙になる。

 40年前に初めて海外旅行をしたときに,イギリスの空港で使った洋式便器にはびっくりした。まず,座面の高さが日本標準より5cmは高い。便座に座るとかかとが床に着かなくなった。さらに便座の開口部も広く,普通に座るとお尻がズボッと落ち込んでしまいそうになった。しかし,小便側(前)には十分な余裕があった。外国の人の体型の大きさに合わせたものだと理解していた。便座も,O型ではなくU型で,男性にも配慮されている感じだった。

 インターナショナルな時代である。日本のホテル客の8割は外国人だろう。それに合わせて洋式便器が大きくなったのだろうか。資料によると,便座設置穴から便座の先端までの長さに2種類あり,エロンゲートサイズは47㎝前後,標準サイズは44㎝前後で,現在発売されている便器のほとんどはエロンゲートサイズだという。ウォシュレットなどの温水便座を取り付けるには,エロンゲートサイズが必要だからである。

 しかも,温水便座はO型の方が設計上も有利である。強度,配線,成形などの点で,現在はほとんどがO型になっている。

 サイズも形状も,いろいろな配慮が進んでいるようだが,それでもまだ十分とはいえないような気がする。フタの自動開閉まで機能を追加する日本メーカーである。レバー操作で便座の高さや前後位置を動かせるような仕組みがあってもいいのではないか。ここは自動車部品メーカーやオフィスチェアメーカーも協力してはどうだろうか。