jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

結局,第8波になるのだろうか--ワクチン接種での新たな死亡者報道も気になる

新型コロナウイルスが第8波としての増加傾向を見せている。2022/11/18,「政府は、コロナの第8波対策として都道府県が「医療非常事態宣言」などを出して、旅行や移動の自粛を呼びかけることができる仕組みを正式に決定」した。政府 コロナの第8波対策を正式決定 自治体が「医療非常事態宣言」などで対策可能に(TBS NEWS DIG Powered by JNN) - Yahoo!ニュース

 まず不思議なのは,政府の発表が岸田首相ではなく,「新型コロナウイルス感染症対策本部を持ち回りで開催し,決定した」と発表されたことである。誰が発表したのか,そもそも「持ち回り」って何? 岸田首相がASEANAPEC,東アジアサミットと連続して重要な国際会議が開かれている間の決定という。記者会見が開かれた様子もなく,これほど重要な発表がされていいのかという疑問が残る。

 8月末をピークにピークアウトした第7波が,結局収束しないうちに10月中旬の1日1万人を底にまた増加に転じている。11/15,16と1日10万人を超えたことを受けての,実質的な第8波宣言であろう。

 9月に入っていいペースで感染確認者が減ってきて,行動制限が一気に緩和した。寒い時期に向かうというのに,屋外でのマスク不要宣言も出された。2年間,インフルエンザの流行が抑えられたことによる集団免疫の低下で,インフルエンザと新型コロナというダブル流行が警戒されていた中で,やはり第8波を招きそうである。

 2ヶ月ぶりに,全国の感染確認者数データを更新し,グラフ化をしてみることにした。ところが,これまで使っていたNHKの統計データが,9/27で更新を終えていた。メディアが自らの意志で各県の発表データを収集し,集計した非常に価値のあるデータと評価していた。その後,感染症専門の医療機関での感染確認者数の全数把握の簡略化にあわせて,厚生労働省が2022年9月27日から全国の数字の一括公表を始め,NHKのサイトの数字も,厚労省の数字に変更された。

第7波と第8波予測

 この厚労省の統計数字を使って,第7波と第8の予測をしてみた。緑のラインは,第7波のときに予測したラインである。

 これを見ると,第7波の立ち上がりに比べてかなり緩やかなことがわかる。ちなみに,赤いラインは,2022年1月の第6波のカーブである。希望を言えば,この第6波のカーブに沿って11月末に10万人前後でピークアウトしてほしいものである。

 もう1つ困った問題が,BA.4,BA.5対応ワクチン接種後の死亡者が現れたことである。今回の例では,アナフィラキシーショックと考えられ,それに対するアドレナリン注射が適切に行われなかったために死亡に至ったとされている。

 亡くなった方は,高血圧や糖尿病などの基礎疾患があったという情報だけなので,なんとも判断ができない。何回目の接種なのか,アレルギー傾向があったのか,またこれまで接種していた場合の副反応があったのかどうかなど,関連する情報がまったく出てこないので,判断のしようがない。これまでの接種で何らかの強めの副反応があったのなら,接種前にきちんと申告していれば,それなりの対応が準備されたのではないかと思うのである。

 今回,集団接種会場での接種で起きた事象なので,それが関係している可能性も,筆者には考えられる。一般クリニックだと,たとえば1時間での予約接種者数は5人ぐらいではないだろうか。接種は医者が行い,様子観察などを看護師が行っている。基本的に狭いので,不具合の認識も対応も適切に行いやすいと思える。これに対して,大規模接種会場では,1時間の接種者は30人ぐらいは接種できる。

 筆者が先日,5回目接種を受けた大規模接種会場は,大型病院の会計待ち席に全員が座り,そこを巡回する形でワクチンの注射器を載せたカートで看護師が次々に接種を行うというスタイルだった。会場には他にも看護師がいたし,おそらくバックヤードに医者も控えているのだが,4回目までの個別クリニックでの接種に比べると,何となく個人確認もいい加減だったし,問診票もチェックだけで,再確認もなく,やや不安が残ったのは確かである。

 40歳代でのBA.5対応ワクチン接種ということは,すでに3回は接種していて,4回目の接種ではなかったかと思われる。基礎疾患がある方なので,これまで副反応はなかったのか,集団接種会場での接種の経験はあったのか,など,自分側の対応も十分だったのかどうかも疑われる。ただ,医師がアドレナリン注射をすぐに行わなかったのは,医療ミスと思われても仕方がないかと思われる。

 新型コロナウイルス対応ワクチンでアナフィラキシーショックを起こす確率は,10万人に1人という。ほかにも,血栓症による死亡例もこれまでにあった。そのほかのウイルスに対するワクチンでも,副反応やアレルギー反応,さらに死亡例もある。すべての治療に100%完全というのは,残念ながらあり得ない。したがって,1例だけを取り上げて大騒ぎするのはメディア側の問題でもある。ただでさえ,BA.1,BA,4/BA.5対応ワクチンの接種率が7%以下と低い段階で,接種を控える動きを加速しないか,気になる。