jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

Teens限定二重まぶた整形プログラムまで登場--多様性と逆行,外見偏重に危機感

歳を取ると若者の顔がみんな同じに見えてくる。AKB48でも,初期のセンターメンバーはその後の個別の活躍などもあり認識できているのだが,卒業後の世代のメンバーは,残念ながらほとんど分からない。名前は何人かは知っているが,顔と結びつかない。

 男性アイドルグループも,最も若い世代の複数のグループの区別が付かず,さらにそれぞれのメンバーもほぼ区別ができない。

 歌手活動以外に,個人的にMC活動をしているような場合は,歌手としてよりも話者として認識は進むのだが,ではその所属するグループはどこか,と聞かれると,ほぼ認識できていない。

 もっとも,ここのところの歌はほとんど聞く機会もなく,若者に人気だというグループや個人も,名前すらほぼ知らない。

 新型コロナウイルス禍でマスク着用が当たり前となっている今,人として認識できるのが「目」だけという状況になっている。その中で,「Teens限定二重まぶた整形」プログラムの広告を見かけた。

 「目は口ほどにモノを言う」とは名言であり,目の表情は人の魅力の1つである。筆者は生まれつき一重まぶたであり,目の下のたるみもはっきりしている。年齢的には眼瞼下垂も進みつつあり,目の表情は一般水準からすれば最悪な部類に入るだろう。それでも,物心がついた頃から見慣れた表情であり,自分の個性と考えている。ただし,女性にもてることもなく,婚期もずいぶん遅くなった。子供も基本的に一重まぶたであり,成人になった今も,基本的に整形は考えていないと聞いている。もちろん,自分の人生なので,自分の責任で行動するべき段階なので,親がとやかく言ってはいない。

 マスクをしている状況で,服装や背格好もほぼ同じな場合,正直言って若い女性がほとんど同じに見える。髪型もほぼ同じ。眉毛もきれいに整えて描かれており,見分けがつかない。遠目でも見分けがつかないが,近づいて目だけに注目しても,かなりの女性の表情が同じように見える。

 美容整形および医療整形は,手本となる方向性は決まっており,結果としても同じ傾向の施術をして,同じ傾向の形になっていくことが予想される。習字における「お手本」を目指すのと同じである。整形が習字と違うのは,本人の努力は関係ないことである。それは多様性を殺していることではないのかと思うのである。

 若い人が同じように見えるのは,単に歳のせいではないのではないかと思う。特に,テレビや動画サイトに出てくる若者が,誰もが同じようなキリッとした目つきをしているように見えるのである。

 二重まぶたに関しては,まぶたに細い接着シートを付けてクセをつけるアイプチが10代の女の子の間で爆発的に流行った。しかし,装着の手間と毎回微妙にクセが違うなどの苦労もあるようである。しかし,女性にとっては二重まぶたは基本的には憧れなのだろうと思われ,今回のような二重まぶた施術はそこに付け込んで堂々と始めることになったのではないかと思われる。

 かつては,「親からもらった身体にメスを入れるのはご法度」と言われたものだが,ピアスも皮膚科などの医療機関で合法的に行われているのを知って驚いた。しかも,複数の穴を開けたり,男性のピアスもかなり普通に行われている。これも多様性なのだろうか。まあ,穴に取り付けるピアスのデザインは個人で選択できるので,許せないわけではないが,基本的にあるがままで勝負するために,外見だけでなく,中身を充実させる方がいいと思うのだが,外見偏重によって人生が大きく変わるのも事実なので,止めることはできないかもしれない。

 パソコンの画面の中の姿だけで相手を評価する時代になってきている。YouTuberやお笑い芸人が憧れの職業だという。就職面接もオンラインで行われる時代である。そのためには,外見は重要だと考える人も多いだろう。しかし,なんとなく上っ面だけのアピールになるような気がする。成功する人は,見た目だけでなく,たとえば楽器を弾けたり,記憶力が良かったり,といった内面の充実があるように思う。外面だけが価値ではない。「メッキが剥がれる」ともよく言われるが,整形をすることについては十分考える必要があるだろう。おこずかい程度で短時間で施術できるとなると,自分の意志だけで進めてしまう可能性もある。ただ,後戻りができないことも十分考えてほしいのである。