jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

「レコードを対象外にする」ができるファイルメーカーが秀逸に思える件

ファイルメーカーというソフトはデータベースソフトなのだが,らしくない使い方ができる点が他のデータベースソフトと違うことに改めて気づいたので,ご紹介したい。

 一般のデータベースソフトは,サーバーに全データを格納し,クライアントは検索条件(クエリー)をサーバーに送って,該当するデータのリストを取得する,という使い方を想定している。SQLという書式がクエリーの代表で,「Structured Query Language」の略である。

 たとえば住所録データベースなら,「〇〇県に住んでいる人」をクエリーとして設定すれば,その条件に合う人が検索できる。絞り込みたい場合は「○○県+〇〇市に住んでいる人」とクエリーを送り直せば絞り込める。

 ところが,手紙を送りたい人が,クエリーで絞り込んだ人ではなく,さらに意図的に削除したい人が数人いるとすると,この数人を除くためのクエリーをまた別途作らなければ必要なリストが得られない。

 ところがファイルメーカーだと,「○○県+〇〇市に住んでいる人」で検索されたレコードの中から,「〇〇さんと〇〇さんを対象外にする」という動作が手動でできるのである。

 さらに「対象と対象外を入れ替える」といった操作も簡単にできる。いちいちクエリーを作って送る必要がない。

 これはExcelでいうと「行を非表示にする」というよくやる手段と同じである。しかしExcelでは行が隠れただけであり,たとえば範囲で集計した場合は,その行の数も計算してしまう危険性がある。ファイルメーカーは,表示されているレコードが計算の「対象」になるため,合計を誤ることがない。

 google appsheetをファイルメーカー代わりにWeb上で共有する方法を考えたが,実際に運用しているのはカレンダーと企画提案一覧だけで,それ以上の使い方をなかなか思いつかない。買い物したときの価格と単価を記録しておき,他店での値段を比較する,という使い方を始めたばかりで,これはまだ始まったばかりである。これなら,商品名で絞り込んで比較するだけ,という使い方で十分だからである。

 ファイルメーカーでは,意図的にその場でレコードを「対象外」にできる点が,他のデータベースソフトと根本的に設計の異なるところである。