jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

ワイド液晶への疑問--効率重視でユーザーが犠牲になった

 液晶パネルは現在,ほとんどが「ワイド」タイプになっている。パソコンもスマホタブレットも,そして車載ナビも,ほぼすべてである。画面の縦横比が16:9あるいは16:10である。

 液晶パネルが登場した当初は,「スクエア」タイプだった。画面の縦横比は4:3。もともと液晶テレビやPCのモニター用として登場したため,それまでのテレビの放送サイズがベースになっtいた。現在のワイドタイプと数字を合わせると16:12となる。横幅が同じなら,縦の長さが長くなり,表示面積が増えることになる。

 一方で,テレビがハイビジョン化し,画面が「ワイド」対応になった。大画面で風景などを視聴する場合,左右の広がりが大きいとよりリアル感が得られるからである。画素数もフルハイビジョンは1920✕1080画素,4Kだと3840×2160画素となる。

 この16:9というワイド規格で液晶テレビがどんどん大型化していき,家庭用で50インチなども普通に使われるようになった。一方でワイド規格が他のデジタル機器でも標準になっていった。

 液晶パネル製造で日本は韓国,台湾,中国との価格競争で敗退した。約2m四方の大型ガラス基板からそれぞれのパネルを切り出すのだが,同じサイズからスクエアとワイドを切り出す際,ワイド規格の方が取れる枚数が増え,その分,安く提供できる。テレビのワイド化に伴い,PCやスマホもほぼワイド化し,日本は海外勢に市場を一気に奪われた形になる。

 さて筆者は当初から,このワイドパネルのPCへの使用について疑問を持っていた。というのも,PCでの業務では,文章作成は紙へのプリントアウトが基本なので縦長,データ作成もデータベースを意識すると縦方向に多くのデータを表示したいので縦方向の画素数が欲しい。インターネット時代に入り,Webブラウザーを活用するようになって縦スクロールが多くなったが,ワイドパネルだと縦の表示情報が少なくなり,頻繁にスクロールしなければなくなる。

 おまけに,これまでのソフトウエアの作りだとWindowsだと画面の下,Macintoshなら画面の上にメニューバーがあり,その下にファンクションバーが並ぶことになる。実際のデータ表示領域が上下から挟まれてさらに狭くなってしまう。

 ワイド規格で期待していたのが,左右2画面表示である。書籍でも雑誌でも,印刷物は2ページを「見開き」で表示するのが普通だからである。ところがワイド規格で一般的な紙の見開きを表現しようとすると,画面はA3サイズが必要になる。一般オフィス用としては大きすぎる。しかも,メニューバーやファンクションバーで上下を挟まれるため,100%の大きさで全面を表示することができない。

 現在,このはてなブログを書いているが,実際に文字がスクロールしているのは画面の下半分だけで,上半分はブログのメニューやタブ,タイトル,書式設定バー,最下部にもファンクションボタンや文字数の表示,そしてWindowsのタスクバーが表示されている。わずか8行がスクロールしているに過ぎない。ここに画像をはめ込むと,画像すら一度に半分しか見えなくなる。

 PCではまだ画面サイズが比較的大きいのでガマンできるが,スマホタブレットだと実際の表示面積がさらに狭くなる。メニューバーやタスクバーの幅は,そこに表示されている文字サイズがPC用とあまり変わらないため,データの表示領域がより狭くなる。広告表示が画面いっぱいに出てきて作業が中断されたりもする。PCだと「邪魔だな」と思う程度で済んでいたものが,スマホで全面広告が表示されると正直腹が立ってくる。

 さらに困ったのが,車載ナビである。先日からさまざまな実験を繰り返していることはこのブログでも披露しているので,「ナビ」で検索していただけると出てくるのだが,最近流行りのディスプレイオーディオや新たに低価格のインダッシュナビを導入する実験をしている中で,液晶パネルのワイド規格問題と,メニューなどの表示領域問題が改めて浮き彫りになった。

 ナビ専用機は,とにかく地図をいかに見せるかに設計主眼が置かれているのを改めて感じた。実際のナビゲーションをしている際,画面全体に地図が広がり,余計な文字は表示されない。交差点名や次の行き先の矢印は必要に応じて表示される。その表示をオフにする設定も可能である。

 ところが例えばAndroidスマホと連携させたディスプレイオーディオだと,スマホでナビを動かしたのと同じように画面にさまざまな情報が表示され,地図の領域が狭くなる。行き先を設定してナビを始めると余計な情報が消えるが,ただ単純に地図表示をしたい場合にはたとえば行き先入力ボックスなどの表示は邪魔になる。これを消すのも面倒になる。

 さらに情報を地図と並べて表示させている場合,地図の面積はナビ専用機の全面地図表示に比べれば小さくなる。

 ということで,再度,元の古いナビ専用機に戻すことにしている。

 ちなみに,iPadのディスプレイは例えば10世代機だと2,360 x 1,640画素で,16:11という比率になり,「スクエア」に近い比率になっている。Macintoshも同様で,WindowsPCに比べると大きな印象だが,使いやすいと思う。仕事用のWindowsPCは,もう一度,「スクエア」に戻ってほしいと思う。

 もう1つの勘違いは,「対角◯◯インチ」という数え方である。同じインチ数でも,スクエアとワイドでは縦横比が違う。スマホの場合,ポケットに入れる必要があるので,幅は限界があるが,縦方向には延ばせるので,◯◯インチの数字はどんどん大きくなるが,実際は縦長方向に伸びているだけで,横方向の表示情報は変わらない。結局,折りたたみ式の登場はかつての「スクエア」への回帰のようにも見える。これが液晶パネルでなく有機ELパネルの登場でしか実現できなかったのは皮肉と言うしかない。ただ,現在のような折りたたみ式は,パネルにとっては過酷であり,筆者的には導入したくない。これは個人の感想である。