久しぶりに鴻巣の免許センターに行く機会があった。単純に驚いたのが、窓口での支払いで現金を受け付けなくなったことである。調べてみると、令和6年(2024年)1月から、県証紙販売が終了して、クレジットカードやその他の電子決済のみになっていた。完全キャッシュレス決済である。
電子決済手段のない人は、センター内の端末でナナコカードを発行してチャージしてから窓口に並ぶ必要がある。チャージ金額が少なくても決済ができず、並び直しになる。
新規で免許を取得する人は、若者だったり、仕事で必要な人がほとんどなのでそれほど苦労はなさそうだが、ナナコ端末に並ぶ列には年配の方も見受けられた。なかなか大変な時代である。
確かに以前は、証書を別の窓口で購入し、提出書類に貼って窓口に出していた。証書の窓口が不要になり、現金の取り扱い事務もなくなって、結構なのだが、先に書いたように、決済手段がなかったり、チャージ金額が少なかったりすると手続きができず、並び直しになる。センター側の都合みたいな気にもなる。
一方で,更新講習のオンライン実施については,2022年に4道府県でモデル実施されている( ゴールド免許更新、講習をオンライン化 22年2月試行 - 日本経済新聞 (nikkei.com) 2021/12/9)。北海道、千葉、京都、山口が対象で,2024年末に全国で実施される予定と書かれているが,いまのところ連絡はない。オンライン化はあくまで講習のみであり、申請書の作成から免許証の発行に関して、運転免許センターや警察署などに出向く必要がある。
また,写真撮影から免許証の発行までには1時間ぐらいかかることが予想され,これまではこの1時間の間に更新講習を受けていた形だが,どこかで待たされるのかもしれない。さらに,相変わらず窓口の手続きが平日に限られているため,有給休暇を半日でも取る必要がある。郵送も,コストの上昇や信頼性の低下など,本当に信頼が置けなくなっているから,窓口への出頭はやむを得ない。とすると,マイナンバーカードへの一本化がベストな選択となると考えられる。
今回,免許センターを訪れたのがお盆休み期間の平日で,センターは稼働していたため,通常の3倍ぐらいの人が押し寄せたということを聞いた。特に更新手続きをする人は,入口前で何列にも並んで待っていたし,その状況は午後の遅い時間にも続いていた。
免許更新者のおそらく8割は,無違反,無事故で日本の経済を順調に回している人たちか,違反や事故と縁のないペーパードライバーである。その人の時間を無駄にすることは経済に対してマイナスになる。講習のオンライン化に続いて,申告,写真データのマイナンバーカードとの共有,郵送による送付をまず実現していただきたいし,マイナンバーカードとの一本化もありえる選択だと思うのである。