jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

超軽量ノートPCと対照的に重いGIGAノートPC--持ち歩きに必要なスペックについて

久しぶりに家電量販店に寄る機会があった。パソコン売り場は,かつてはデスクトップPCと大型ディスプレイが中心だったが,いまやノートPCとタブレット一色という印象になっていた 

 中でも,以前は17型~19型で画面がツルツルの光沢液晶を搭載してテレビ視聴に適したような大型ノートPCが目立っていたが,今は陰を潜め,13型~16型のモバイルノートPCが主流になったように見える。高性能なグラフィックが必要なゲームPCはデスクトップPCが主流なのだが,別の売り場に棲み分けたように思えた。

 その中で,ちょっとこれまで気になっていたノートPCがあったので,実物に触ってみて驚いた。テレビCMで「学生生活にちょうどいい」と宣伝している富士通「FMV UH-X/H」である(神パソコン。FMV|富士通 (fmworld.net))。とにかくまずその軽さに驚いたのである。

 画面は14型で,重さが689gである。筆者が4年前に満を持して購入したマウスコンピュータのノートPCは,14型だが,重さが1.38kgある。つまりほぼ同じ寸法ながら重さが半分なのである。実際,持ち上げてみて驚いた。タブレットよりも軽い。

 ディスプレイが液晶パネルである点も驚きである。これだけ軽いのだから有機ELパネルだと思ったからだ。バッテリー容量が小さいわけでもなさそうである。

 ついでにと思って,店頭に並んでいる他のノートPCを片っ端から持ち上げてみたが,どれも1kg前後の重さがあり,このFMVは圧倒的に軽かった。しかも,曲げに対しても耐久性があるという。

 これまで,頑丈なノートPCとして先陣を切ったのはパナソニックの「Let's Note」シリーズで,軽量化を進めるためにマグネシウム合金でシェルを作る工夫をした。机ぐらいの高さから落としても壊れないというのが売りだった。これに続いて,カバンの中に入れて横から押されて曲がっても液晶が割れないという触れ込みでソニーの「Vaio」シリーズが登場した。液晶パネルを薄くして曲がっても使えるような設計だった。富士通の「FMV」シリーズも頑丈なノートPCとして有名だった。

 それぞれ設計思想はその後も引き継がれているが,頑丈性と軽量性を両方実現したのはなかなか素晴らしいと思う。どんな設計になっているのか,知りたい気持ちである。文字入力を頻繁に行う学生や社会人向けには,タブレットよりもノートPCだと思うし,携帯時に軽いに越したことはないからである。

 一方,同じ売場にあった「GIGA スクール構想向け端末」も触ってみた。ディスプレイサイズは11型~13型と小型になり,小中高の机に置いても邪魔にならないサイズが採用されているようである。ところが,GIGA端末を持ってみるとズシッと重いのである。スペックを見てみると,重さが何と1.2kgほどある。特に,ディスプレイ側が重いと感じた。

 学校では,ノートPCというよりもタブレットとして使う形が多いと思われ,おそらくメイン基板はディスプレイ側に入っているために重くなっていると思われる。したがって,ノートPCのようにヒンジだけでディスプレイを支えることができず,突っ張り棒のような仕組みを付けなければならなくなっている。これがさらにディスプレイ側を重くしているように思える。

 GIGA端末では,費用を抑えるためにOSがフリーのgoogle OSを使うケースが多い。このため,仕事で標準となっているMicrosoft Officeがダイレクトには使えない。どうせなら,やはりWindows OSで勉強するのが望ましいと思う。ただ,今の学校教育レベルでパソコンやタブレットを必須とするほどの価値があるのかどうかは疑問である。2019年に文部科学省が始めた構想だが,5年めでそろそろきちんとした評価が必要だと思う。すでにスマホレベルで相当高度なテクニックを身に着けている子どもたちに対して,GIGA端末は論外に思われているのではないか。本当にITに興味のある子どもなら,すでにビジネスノートPCでプログラミングや映像編集,そして情報発信なども行っていると考えれるからである。大学生向けと言われる「FMV神パソコン」は,実はIT好きの子ども向けなのかもしれないと思えている。