河川増水,内水氾濫,土砂崩れにもライフジャケットの備え(個人の意見)--水に足を取られても生き延びるために - jeyseni's diary (hatenablog.com) (2024/8/31)と書いたその日の午後,家でも防災の話になった。学校でも避難用のヘルメットなどを用意すべきだね,という話題になって,どれぐらいの価格なものかを調べてみた。
とりあえずAmazonでの検索だが,防災ヘルメットで検索して普通の半球型のヘルメットは2,500円ぐらいだった。一方,同じ検索結果で折り畳み防災ヘルメットも出てきて,こちらは約5,000円だった。
以前,学校現場でより軽くより薄く保管して使えるグッズとして,ウレタン製で通常は平らだが中央を押すと半球状になるように切り込みを入れた「防災ずきん」が紹介されていたが,こちらは3,500円という価格だった。
集団行動で生徒を守るという立場からは,学校側,ないし教育委員会側が備品として提供するべきアイテムの1つともいえる。実際,入学時に非常食や飲料水,防寒シートなどのセットを生徒に供与し,卒業時に持って帰るようにしている学校はある。しかし,おそらく1,000円程度のセットであり,防災ヘルメットの供与までは予算的に難しいと思われる。
年々身体が大きくなるので,学校側に備品として備蓄しておく選択もあるが,ヘルメットを使用するシーンは地震であり,生徒のすぐ手元に常備して個人個人がすぐに着用できるようにする必要がある。こうすると,今度は散逸,紛失,盗難などのリスクがある。とりあえず一次対応は机の下に身を隠すことと,避難時に座布団ベースの防災頭巾で建物の外に出ることを考えると,防災ヘルメットが必要なシーンはごく限られるのかもしれない。自転車通学している生徒は,とりあえず自転車用ヘルメットでも着用することで一次対応はできるし,少なくとも何らかの帽子をかぶることで被害を最小限に防ぐことはできるだろう。
そうすると,同じく価格が5,000円クラスになるライフジャケットを常備することは,なかなか現実的ではなくなる。地震で避難を余儀なくされるよりも,水害で避難しなければならないような事態が起きる確率はさらに1/10も少ないと思われるからである。
昨今,船に乗っての釣りや観光では,客にライフジャケットを着用することが2018年2月から義務付けられた(海事:ライフジャケットの着用義務拡大 - 国土交通省 (mlit.go.jp))。2011年に「12歳未満」の子供に着用義務が課せられていたのを拡大した形になる。ラフティングや川下りのような水に落下する危険のある船舶だけでなく,屋形船での飲食時にも着用が必要だという。なんだかちょっと興ざめしてしまうが,安全優先という形だろう。
一方,川辺や海岸でのレジャーでも,ライフジャケットを着用することが求められるようになっている。これもなかなか守られているとは思えない。親が率先して着用して子供にも着けさせ,またグループでもあらかじめ準備の申し合わせと現場での指導が必要なのだが,徹底は難しいとも思える。
クルマの乗車時に,ライフジャケットが必要になる場合が意外にも多い。アンダーパスで浸水に遭ったり,川へ転落するなどの事態が起きる確率の方が高い。エンジンが停まり,ドアが水圧で開かなくなり,パワーウインドウも動かない。窓ガラスを割って脱出するにしても,完全に水没してしまった状態では生命の危険の確率も高まる。当然,ライフジャケットを着用する暇はない。
ライフジャケット代わりになる身近にあるモノとして,ペットボトルの利用が紹介されている。いざというときには間に合わないが,知識,アイディアの共有はしておこうと思い,記述することにする。
mimi01.pdf (hyogo.lg.jp)(兵庫県警察--空ペットボトルを利用した簡易な救命具)がとりあえず参考になるだろう。2Lのペットボトルで20kgの体重が支えられるとされている。標準の60kgなら3本ということになる。500mLのペットボトルだと,大人で10本,子供で8本が基準になる。
方法として,紐を付けて準備しておき,緊急時に身体に結び付ける方法,空のデイパックに空のペットボトルをキャップを締めて入れて常備し緊急時に持ち出す方法,そしてTシャツの内側に入れて,キャップをシャツの外側から締めて固定する方法など,いろいろな人がアイディアを出している。
ペットボトル3本で命を救う。英国の学生がごみから作った救命胴衣 | 世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン | IDEAS FOR GOOD 海外でも同様の発想で,簡易なライフジャケットを供給しているようである。
感覚的には,釣り人やカメラマンがよく使っているメッシュジャケットの小さなポケット群に加えて,ジャケットの裏側に500mLペットボトルを前に4本,背中に6本入れて固定できるメッシュポケットを作るのはどうだろうか。普段着としても使えるし,いざというときに空のペットボトルを数分で装着して着用すれば,安全なのではないだろうか。
あるいは,大型の洗濯用ネットを用意し,500mLペットボトルが動かない程度の仕切りを縫って作る。ペットボトルを差し込み,ジッパーを一気に閉めれば安定した浮きが出来上がる。あとはこれを体に巻き付けて固定すればいい。
今日2024/9/1は防災の日で日曜日である。台風10号がいまだに迷走していつ大雨にならないとも限らない。少し防災を意識して,試作してみようかと考えている。
【追記】同日,さっそく洗濯用ネットを買ってみた。幅40cmの網目の粗いタイプで,横に4本を固定収納できそうだった。ただ縦が50cmもあり,無駄な空間ができるほか,仕切りを作るのに手でタコ糸を通すといった作業が必要と思われ,生産性が悪いことが予想された。
むしろ,サラシの布を2枚重ねて,一定間隔ごとにミシンで仕切りを縫ってしまった方が,作業性は上がると思われる。上記の海外でのアイディアは理にかなっている。
もう1つ検証として,普通サイズのデイパックに単純にペットボトルを詰め込んでみた。この場合,500mLボトル20本は簡単に入れることができ,いっぱいまで入れれば40本は入れられそうである。仮に20本入れた場合,残りの空間はできるだけなくなるようにした方がいいだろう。デイパックの中に水が入れば,その分が抵抗になるし,身体を浮かせる効果も減る懸念があるからである。
やはり,ライフジャケットのようになるべく身体に密着させ,身体の前後にバランスよく配置できるような形が望ましい。上記のサラシ布に10個セットしたものを上半身に巻き付けて固定する,といった形が,簡易ライフジャケットとしては最も安定するかもしれない。