「FileMaker と LLM の統合が PBL を革新します。フィールドワークにおけるデータ収集とその洞察が AI などのテクノロジーと容易に結びつくことで地域社会の課題を解決する鍵となります。」– 公立千歳科学技術大学 情報システム工学科 特任教授・博士、曽我 聡起 氏(Claris FileMaker — パワフルな業務アプリをローコードで作成、展開)--ファイルメーカーというデータベースソフトの最新版(FileMaker CloudおよびFileMaker 2024)がAIを使えるのでアップデートしませんか,というお誘いページにある文言である。
クラウド系は性に合わない--トラブル時の影響が大きく,AIの進展に伴う情報漏洩の危険度が急速に高まっている - jeyseni's diary (hatenablog.com) (2024/6/29)で,この最新版について触れた。現在,FileMaker 2023をこれまでのバージョンの感覚で評価中で(Filemakerの改悪?--アイコンが見にくくなり,データベースがすべて別ウインドウで表示される怪【いい点1件】 - jeyseni's diary (hatenablog.com) 2024/9/4),どうにも完全乗り換えに踏み切れないほど違和感を感じている。個人で使う情報整理ツールとしてのオススメの領域を越えて,業務ソフトへと突き進んでいるようである。
冒頭の文章は,すでに筆者の文章プレゼンテーションのルールを逸脱している。LLM,PBLと2つの略語が無解説のまま提示されているからである。おそらく,長文の一部を抜き出したものだろうが,他人に読ませるにはまず略語を元の表現と併記するか,日本での言い方を付記すべきなのだが,ここではそのルールが完全に落ちている。まさにAI時代の文章である(LLM=Large Language Models,大規模言語モデル,PBL=Project Based Learning,問題解決型学習,課題解決型学習)。
筆者がイメージする「探求学習」は,問題に向き合って「その解決法を頭で考える」ことだと思っているので,そこにコンピュータは登場しない。解決のための力技,繰り返し技を使う段階になって初めてコンピュータのプログラミングを考える。そのプログラミングも,いろいろな試行錯誤をする中でより高速な方法を採用するなどの工夫をすれば,探求の解決法とプログラムの解決法の両方を頭で考えることができる。
ところがAIを使うと,問題に向き合った段階でそのソリューションをAIが提示し,次の段階で答えを出してくる。頭で考えるというプロセスがなくなってしまう。
筆者がかつて,頭の半分をコンピュータに売り渡したと表現したが,それは解決法を頭で考えるところは人,その解決の力技を発揮するのはコンピュータ,と役割分担した話である。AIは人工知能というだけに,もう1人の頭脳であり,これでは100%AIに頭を売り渡した形になる。
「AIが,今のまま世界が持続するのは難しい」という判断をした,というタイトルの記事を見た(AIは「人類がこのままの生活を維持するのは不可能」と言っている (msn.com))。誰が考えてもそういう結論になると思うのだが,改めてAIが答えを出したとすると恐ろしい。持続するためのソリューションもAIは出せるはずだが,その選択を人類ができるかどうか。おそらくできないので,破滅の道をさらに突き進み,本当に破滅するのかもしれない。
衆議院の解散総選挙の真っただ中である。すべての党,候補者が「あなたの生活を守ります」「あなたの手取りを増やします」と言っているだけで,地球のこと,人類のことを少しでも訴える人がいない。生活を楽にしてやるから票をくれ,みたいな呼びかけに見える。かつての野党政権がもろくも崩壊したように,仮に自民党以外の政党による政権が発足したら,国家間の軋轢の中で日本は潰されてしまうだろう。争点が違うのである。
人間はどうもいい結論を出すことに奔走しすぎているように思う。ゲームであれば「上がり」を求めるし,戦いであれば「勝ち」を求める。人生の成功者,大金持ちも求める。ゲームで上がるためには,仕掛けを攻略し,敵を倒し,ゴールにたどり着かなければならない。そのプロセスの攻略法だけは熱中するが,単に自己満足にとどまる。しかしここにタイトルが付くと,将棋王,野球王,ゲーム王になる。何度も書いているが,エンタテインメントは経済というベースが充足した上になりたつべきもので,エンタメが目的となっては人類は食べるものがなくなり,絶滅するのである。
話をFileMakerに戻すが,筆者はAIに自分の頭の邪魔をされたくないと思っている。バージョンアップは考えていない。
筆者と同年齢,あるいは1回り上ぐらいの先輩世代の有名人が,結構なスピードで亡くなっている。人生100歳時代と言われても,健康寿命が80歳としてもあと10年ちょっとで役に立たなくなる。残念ながら,次の世代が大活躍して日本経済が安泰,世界が平和,という時代を実現できていないので,老齢にムチ打ってもう少しいろいろな活動をしなくてはならない。若い世代が,ゲーム,バーチャル,AIなど個人の世界に入り込み,企業などの組織が崩壊し,その生活の糧を詐欺や強盗などの犯罪で過ごそうとしている社会になりつつあるのが残念である。2024年も,ノーベル各賞に日本からの受賞者はなかった。日本の凋落ぶりについて中国メディアからのコメントも出ているが,他人から言われても否定できないほど,実際にその凋落ぶりは甚だしいと感じる。地に足を付けた仕事,モノづくり(工業),食糧づくり(農水業),エネルギーづくり(地球環境),そして人づくり(教育)という根本的な認識をしなければ,日本は壊滅する。