jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

実力者への推しは何を意味するのか--政治家に人格は求めないということなのか

個人批判は筆者の目的とすることではないが,昨今,ニュースで話題となる人物とその人をサポートする人たちの様子が筆者に理解を越えていることを,いちおう記述しておくことにする。

 「英雄は色を好む」と昔から言われてきた。代表的な英雄はナポレオンであり,色は女性のことであろう。権力,お金,政治,という世界で,いまだに男性が君臨しているのは,自己を肯定し続けられる精神とそれを支えるアドレナリンホルモン,そして得られた権力とお金がさらに求心力を増すというプラスのスパイラルを自ら構築するからだろう。宝くじに当たるなど,実力がなくても運で権力やお金を得た場合でも,男性は消費を好み,高級ブランドへと走り,周囲にお金をばらまき,特に女性を自分のモノにしようとする。そして,自分に従わない者を排除する。

 軍事政権では,粛清と称して抹殺も手段として選ばれる。かつての日本の武士政権もそうだし,現在でも軍事政権では密かに粛清が行われる。その手段が存在することで一種の恐怖政治が行われ,力で制御される。

 近代においては,窓際,イジメ,ハラスメントと,精神的な圧力が加えられる。自主的に組織から抜ける以外では,精神に破綻をきたして病気になったり,最悪は自らの命を絶つことにもなりかねない。そういう陰湿な世界になってきている。

 トップに立つ者の暴言が止まらない。知事,市長,政党代表,そして大臣までが,パワハラ,セクハラに走っている。それを市民,国民は基本的には批判していると思うのだが,その本人を擁護し,支持する人たちが山のようにいることに,筆者は不思議な思いがしているのである。

 リーダーに求められるのは人格?品格?性格?--なぜか違和感のある世界の2024年 - jeyseni's diary (2024/11/9)には,アメリカ大統領選挙で完全勝利したトランプ氏のことを書いた。専門家にも彼の行動はまったく予測ができないとのことである。

 同様に,まったく予測不可能なのが,東京都知事選挙で多くの票を集めた石丸伸二氏である。対談でも話をかみ合わせようとしないようで,今度は新政党を作ると言っているようである。まともな議論をしないことは,相手に対するハラスメントであると筆者は受け止めている。

 パワハラ問題で兵庫県知事をいったん失職した斎藤元彦氏に至っては,再度県知事選挙に立候補したことも筆者には理解不能なのだが,彼を支持する人がかなりいることにも不思議な気持ちになっている。

 東京都知事でも兵庫県知事でも,地方自治体のトップに立候補する人に意外な人物が多い。マスコミ出身者や作家,学者,会社社長,団体代表など,行政に関わったこともない人が突然登場し,人気投票のような選挙を経て選ばれることもある。実際の行政のテーマは,各自治体の議会で立案され議論した内容になるのだが,最終的には知事の個人的な発案で先行する。独裁制に近い運営が行われる危険性がある。

 政治団体はもっと厄介である。女性蔑視とも思える発言をした作家の百田尚樹氏と,パワハラ・セクハラなどモノともしない元名古屋市長の河村たかし氏が組んだ日本保守党も,今後どんな影響力を発揮していくのか得体が知れない。

 兵庫県知事選挙に立候補したNHK党の立花孝志氏の言動も,理解しがたい。東京都知事選挙での選挙ポスター看板問題や政見放送ジャックなど,法律すれすれの行為で世間を煙に巻いている。もともと,NHKの受信料を払わない,NHKを潰す,といったセンセーショナルな活動から始まってエスカレートしているのを感じる。

 こうして並べてみると,共通しているのがYoutubeをメディアとしたプロパガンダ(政治宣伝)を行っている点であることが分かってくる。つまり,公開の場で正々堂々とディベートするのではなく,ネットワークを通じて個人的に心理作戦を行っているのである。正直,個人的な心理作戦と言えば,これは極めて詐欺行為に近いと考えられる。おそらく,何らかの方法で組織票を構築し,その数に個人を引き込んでいくのである。

 世の中,「推し活」ばやりである。かつての「ファン」は,好きという純粋な気持ちで応援するというエンタテインメントだった。野球選手であれば「恰好いい」,アイドル歌手であれば「かわいい」というストレートな気持ちである。しかしこれがエスカレートして,一種の“投資”になり,その投資分を回収するのが当然といった気持ちになると,パパラッチや暴力などの犯罪行為まで生まれてしまう。現在の推し活も,そのギリギリの線にあるように思える。アイドルも命がけである。

 Youtuber政治家が過激な発言をしても,そもそもYoutubeを愛聴している視聴者の心理状態が,集団や組織,規則といった「かつての一般常識」をすでに受け入れない状態にある中で,支持へと変わっていくのかもしれない。いわばネットを通じた催眠術である。

 かつて,東京都知事選挙には,泡沫候補を言われ続けた候補者が登場しては消えて行った。本当に選挙の時にテレビでしか名前が上がらない人たちだったからである。ああ,また立候補したのね,といった捉えられ方をされていたと思う。しかしインターネット時代では,時間も空間も飛び越えて情報が入ってくる。こちらから検索すればいくらでも情報を入手でき,どんどんその世界に入り込んでしまう。まさに現代風に言えば「沼る」「沼にはまる」状態になっていく。個人で操作しているので,抜けることができなくなる。国民も市民もそういう精神状態になっている。いやすでに「国」とか「地方自治体」といった枠すら崩壊してきて,バーチャルな世界で暗躍する人が世の中を動かしている。他県を応援して特産品を安く得た上に税金まで軽減しようという「ふるさと納税」にはまっている人たちがいること自身も,筆者には理解しがたいところである。

 Youtuber政治家のサポーターは,支持をすることでどんな恩恵を得ようとしているのだろうか。結局,その地方自治体がどうなっても,国がどうなっても,自分たちには関係ない,自分たちの生活はすでにそこにはない,ということなのだろうか。なんだか一種の宗教的な体質を感じてしまうのである。

 「ハラスメントは許さない」という一線は,筆者は持ち続けたいと思っている。

【追記】

 兵庫県知事選挙は,斎藤氏が再選された。トランプ氏の大統領選挙勝利と同様,筆者にとっては納得のいかない結果である。県民の良識ある次の行動に期待したい。