東京・秋葉原の電気街には,昔から電子部品店のほかにジャンク品ショップが多くあった。いちおう筆者が状況した40年前ごろとしておこう。壊れた製品をばらし,スイッチや回路基板,そこから外した部品,ケーブルなどを雑然と配置して販売していた。中には,怪しげな海外製品も混じっていた。何に使えるのか,さっぱりわからなかった。
現在はこうしたジャンク品ショップはおそらく減り,代わって中古パソコンや中古タブレット,そして中古スマホをガラスケースに入れて並べたオシャレな中古ショップが数多く存在する。かつての大手電機販売店にも中古品フロアを展開する店が多い。
それだけ需要があるのかどうか,やや疑問がある。仕事で使うパソコンが,OSが古くなってセキュリティー対策ができないことから手放すケースも確かにあると思われる。
しかし中には,中古ではなく「型落ち」という数世代前の機器を新品状態で販売している店も多い。一般市販品のようなきちんとした包装ではなく,簡易包装で並べている。販売ルートとしては,業務用コンピュータ専門の業者からの買い取りなのではないかと思われる。仕入れ値そのものも一般よりも低く,利幅も少ないが,数を集めることで成り立っているようである。
型落ち品の場合は,処理能力が落ちたり,メモリーが足りなかったりするし,OSのバージョンが低い場合はサポートが受けられなくなる。専用の業者にインストールを依頼することもある。しかし,一般事務用なら問題ないのかもしれない。
問題なのは,本当の中古品である。建前上は,メモリーはすべて初期化されてデータ漏洩はないはずなのだが,1台のデータを消去するのもそれなりに時間がかかる。それをしてまで売って利益が出るかと考えれば,単純なフォーマットだけで済ませている可能性も否定できない。性能偽装である。そこから個人データが流出する危険性もある。
かといって,物理的に破壊しても再生もできず,ただのスクラップになってしまう。液晶パネルの中の液晶は微量とはいえ危険な成分だと言われているし,複雑な部品は流用もできない。
ひょっとしたら,第3国に流出して軍事利用されていないとも限らない。昨今の自爆ドローンなど,1回きり使えればいいからである。
一般のエンジニアにとっても,おそらくもはやブラックボックスとなっているPCやタブレット,スマホも,特殊な知識のあるグループにとっては宝の山なのかもしれない。その生産国が現在,8割は中国であることを考えると,いくら生産しても問題ない,という状況が考えられる。もちろん何の根拠もあるわけではないが。
環境問題が叫ばれている現在に,これほど新古品や中古品が残ってしまうような量産をする必要があるのか,と思ったところから逆推論すると,おかしな疑問が出てしまったというわけである。空想であってほしいところである。