jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

映倫,BPO,そして裁判所が手出しできないバーチャルの世界は,制御不能な無法地帯であることを再認識したい

映画の倫理審査を行う映倫映画倫理機構)というものがある。放送の倫理審査を行うBPO放送倫理・番組向上機構)というものがある。書籍の倫理規定は,日本書籍出版協会が出版倫理網領という基準を持っている。メディアは常に倫理という一線を引いて品位,尊厳を失わないように情報発信者と戦ってきた。メディアに関わる人は,多かれ少なかれ,倫理に対する教育や指導も受けてきた。仮に倫理に反する作品をメディアに乗せてしまった場合,所属する企業や組織そのものが摘発されて活動ができなくなる恐れがあるからである。コンプライアンス(法令順守)についても教育を受けるのが普通である。

 しかし,インターネット,特にSNSの世界には,倫理についての基準も教育も指導も,そして取り締まりもない。情報の発信者の実体すら匿名で掴みどころがない。情報を発信したパソコンやスマホを特定することも困難である。

 つまり,バーチャルの世界は,自由に犯罪をできる無法地帯である。このことを,もう一度認識すべき段階に来ている。ここで形成された考え方が,国や自治体などの組織を左右してはならない。真の意味での民意ではないと考えられるからである。

 ネットワークを使ったコミュニティーといえば,最初は「パソコン通信」だった。運営会社はNEC(当時の日本電気)や富士通など,コンピュータや通信の大手企業で,運用の制御ができた。参加する人もハンドルネームで呼び合っているため,個人を特定はできないが,コミュニティーに参加する時点で登録され,連絡先なども特定できた。

 ここに現れたのが「二チャンネル」という匿名のコメントサイトである。ほぼ個人が立ち上げ,匿名で情報がやり取りされる。まったくの無法地帯で,言葉による暴力にあふれていた。このころからすでに,無法地帯の弊害が語られていた。

 現在のSNSは,この拡大版である。パソコン通信ではコンピュータやネットワークなど,良く知った人がまとめ役となり,困っている人を助けるような場だった。しかし,二チャンネルが暴走したように,SNSも大暴走している。情報のやり取りをするプラットフォームを主にアメリカのベンチャー企業が提供し,そこにスマートフォンで簡単に参加できる仕組みを作ってしまった。ベンチャー自身が倫理の基準もなく,またそれを制限する仕組みも提供していないので,まさに倫理なき無法地帯になっている。ここにまた何の教育も指導も受けていない若い世代を引き込み,結果として犯罪の温床になっている。若い世代が犯罪の被害者になるだけでなく,加害者にもなれるような環境だからである。

 オレオレ詐欺が,レンタル電話を使って発信元を秘匿するよりもはるかに簡単に,実在するかのようなアカウントを使って直接詐欺行為を働いたり,闇バイトとして若者を引き込んだりする。

 仮想通貨も,無制限に発行できる闇通貨である。すでに第三国の資金調達手段として使われたり,犯罪のマネーロンダリングにも使われる。

 考えるに,プラットフォームを作ったベンチャー自身がすでにプラットフォームを制御しきれなくなり,暴走している。人間の尊厳を守るための倫理のない世界では,人間の価値すらなくなってくる。

 これをコントロールする方法は2つ。1つはプラットフォームをクローズすること,もう1つはAIによるプラットフォーム上での取り締まりである。

 1つのSNSが仮にクローズされたとしても,別のSNSがまた立ち上がる。ならば,ネットワークそのものを破壊しなければならない。しかし,これを誰ができるだろうか。

 とすると,AIがバーチャルな世界の「新倫理」をコントロールするような仕組みを作らなければならないだろう。一方で,生成AIが猛威を振るっており,こちらもコントロール不能状態に陥ろうとしている。

 筆者はすでに付いていけない世界なので,カモにならないようにできるだけ距離を置こうと思っている。もちろん,電話や訪問といった従来のネットワークについても気を付けなけらばならない。

 あとは,経済を立て直して,きちんと仕事をして人の役に立つ仕組みを作らない限り,犯罪とバーチャル世界に走る人が増えてしまう。SNSのスイッチを切ってもまた別のSNSが立ち上がる。あとはやはりAIだのみなのかもしれない。