スマートウォッチで健康管理する人が増えているというのだが、Apple Watchは本当はどの程度健康管理に使われているのだろうか。一時期流行ったSwatchみたいに単なるファッションなのではないのか。特に、若い人が使う場合、健康管理用とも思えない。腕時計で電話をするわけでもないだろう。すると、SUICAなどと連携して改札タッチ用なのだろうか。多くの人が身体をねじって左手首につけたApple Watchを右側のタッチパネルに当てているのを見ると、どうもスマートな感じがしない。
一日中身に着けることが健康記録になると思うのだが、筆者は寝る時は時計を外していたい。モノに引っ掛かるのが気になるからである。結局、この感覚がさらに拡大して腕時計をしなくなった。携帯電話を持ち歩くようになったからである。しかし、携帯電話で時刻を見ようとすると、ポケットから取り出す必要がある。かつてのガラケーにはサブディスプレイで時計表示できる機種があって便利だったが、スマホではさらに電源もオンしなければ時刻を確認できない。そして駅や街中の時計がほとんどなくなった。電車の行く先表示ディスプレイにも多くの路線で時刻表示がない。
そこで、健康管理と時計機能を持ったスマートリングの導入を考えた。おそらく、指輪型なら寝ている間もあまり気にならないのではないかと考えたのである。
ところが、日本の通販サイトやAmazonを片っ端から検索したのだが、時計表示ができるスマートリングが見つからない(2024年現在)。Amazonで1モデル、楽天で同じモデル1種だった。いずれも中国製である。そういえばスマートウォッチもほとんどが中国製で、Apple WatchとGarmin以外のブランドをほとんど見ない。カシオですら、G-Shockにこだわり過ぎているように思える。
ところが,中国のアリババが運営する通販サイトAliExpressを見てみると,一般的なスマートリング以外に,ディスプレイ表示の付いたスマートリングが見つかる。どういう基準になっているのかわからないのだが,同じように見える製品がさまざまな価格で表示されていた。
写真が派手なので,どうかな,と思ったのだが,3000円前後なので試してみることにした。到着したスマートリングで目的とする時刻を表示させたのが下記の写真である。
表示は7セグメントLEDで,数字,アルファベットのみ表示できる。通常は表示なしで,ボタンを1回タッチすると白文字で時刻表示,歩数計測の時には緑のLEDと数字表示,心拍数や血中酸素濃度を計測するときは赤のLEDと数字表示となる。まあ,それほど派手ではないかなという感じだった。筆者はいちおう指サイズを測って12号にしたのだが,薬指には少し大きかった。ただ,時計をさりげなく表示させるために,人差し指に着けてみた。こうすると親指でボタンをタッチして,横方向にさりげなく時刻表示ができた。
同じように,中国系通販サイトでアメリカで運営されているTemuにも,ユニークな製品が数多く販売されている。価格も異常と思えるほど安い。
今回,AliExpressでスマートリングを購入した際,驚いたのはその発送追跡が非常に細かく表示・確認できたことである。通関所に入った,通関中,通関を出た,客先国に到着・・・・など,10回以上も状況がメールで送られてきた。ちょうど同じ時期,まったく別の製品をAmazonで購入した。到着までの予定日数が2週間ほどあったので,間違いなく中国から発送されると理解していた。以前にも,2週間後の予定が1ヶ月以上かかってようやく到着したということもあり,また遅れるかもしれないと思っていた。実際,予定日が1週間遅れるという連絡があった。発送を追跡しても,3回ぐらい更新があっただけだった。今回もキャンセルかなと思ったら,最終的には予定より4日早く届いた。
Amazonは日本以外の製品の多くを国内の倉庫で保管している。このため,ほとんどの製品は翌日配送ができる。欲しいと思ったときに,すぐ翌日に手に入るという便利さでこれまで多用してきた。この場合は製品の問題はほとんどなかった。しかし,中国から直送される場合,製品が壊れていることが何回かあった。発送まで数日かかると書かれている製品は敬遠するようになっていた。
AliExpressは今回初めて利用したが,自動的なメール発信だとはいっても,信頼感のある対応だと感じた。同じように,先にTCLのNEXPAPERタブレットを輸入したTechInnも,発送履歴を細かく連絡してきていた。こういう辺り,Amazonよりもよくできているように感じた。
日本で面白いものを探すのに,かつては東急ハンズを物色していたが,店舗の閉鎖と経営の移譲でその後は足を運ばなくなった。同じように面白い製品が,100円ショップでも見つかるようになったからである。しかも圧倒的に安い。100円ショップも当初は安物が多かったが,現在のクオリティアップは目を見張るものがある。そこにはもう日本製の製品は皆無に近い。
スマートリングで,表面に時計表示があるものがあると便利だな,と思ったときに,該当する製品が中国の通販サイトで見つかった。しかも桁違いに安い。お試しでも買ってみようか,という気にさせられる。100円ショップの製品もそうだが,次々に新しい工夫を盛り込んだ製品が登場するのも,中国メーカーのすごさだと感じる。日本企業にはもはや,こういうバイタリティや素早い対応ができなくなっているのではないだろうか,と感じてしまうのであった。