jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

ディスプレイ付きスマートリング“推し”--ただし,電池寿命の点ではLEDではなく電子ペーパー方式を期待

日本の製品から多様性がなくなった--面白くて安く,多様なモノを産み出せる中国のすごさ - jeyseni's diary (2024/12/13)の中で,スマートリングの話題を取り上げた。筆者は,腕時計であるスマートウォッチが苦手なので,より装着感の自然なスマートリングへの期待を持った。

 しかし,指輪というのは独特のイメージを持つことも確かである。一般的に,左手の薬指に指輪をすれば既婚者であることをアピールする。それ以外は,ファッションリングならどの指にはめてもそれなりにアピールする。ただし,日本ではファッションリングを日常的に使っているのは,アーティストをはじめとしたいわゆる「業界の人」が目立つ自己主張をするためのアイテムとして使うケースが多いように思う。周囲を見ても,普段からファッションリングをはめている人は見かけたことがない。まして,男性では相当レアである。

 中には,1本の指に複数のファッションリングをはめたり,すべての指にリングをはめたりしている人をときどき見かける。しかしそういう人は服にもこだわりがあり,通勤スタイルの人にファッションリングはまず見かけない。

 そういう意味では,健康管理を目的としたスマートリングは,できるだけさりげないデザインであってほしいと思う。通常のエンゲージリングぐらいさりげない方がいい。

 一方で,スマートリングに時計表示機能を求めるなら,ディスプレイが必要になる。その流れで見つけたのが,上記のブログで紹介した中国製のスマートリングである。

 ただ,ディスプレイといってもLEDの8セグメント表示で,かなり目立つ。筆者は本当は「さりげなく」表示してほしいので,昔のカード電卓に使われていたような反射型液晶パネルや電子ペーパーディスプレイで表示させるのがいいと考えていた。リングの曲率も大きいので,フィルム型のディスプレイがいいだろうと考えたのである。しかも光らないのでさりげなく情報を見ることができるはずである。

 ところが現時点ではさすがにそういうスマートリングは作られていない。入手したLEDディスプレイ付きのスマートリングは,「さりげない」のとは反対だった。

 いろいろ試している間に,スマートリングにディスプレイいる?(答:いらないです) | ギズモード・ジャパン (2024/12/20)という記事を見つけた。ここで紹介されているのが,筆者の入手したスマートリングである。ギズモードの執筆者は「食指が動かない」と書いている。おそらくその1つの理由が,こちらのページに紹介してある製品写真が原因ではないかと思うのである。

 筆者も,最初にこの紹介ページを見たとき,ずいぶん派手だなと思った。ディスプレイが何でできているのかも書かれていなかったし,赤や緑のランプが見えており,これが常時点いているのならさすがに使えないかもしれないと思った。しかし実際は,数字や文字の表示の際に8セグメントLEDが光るだけで,普段は普通のリングである。ただ,時間表示のときは8セグメントLEDが白く光るだけだが,歩数表示に切り替えると数字表示に加えて緑のLEDが,心拍数の測定,血中酸素濃度の測定では赤いLEDも点灯する。これはなかなか派手である。

 一方,単に指に着用しているときは光らないのだが,リングの高さが約1cmあるため,マリッジリングのようなさりげなさはなく,どちらかといえばファッションリング的である。色は黒,シルバー,金の3色が用意されており,筆者はシルバーを買ってみた。ディスプレイやスイッチの部分が黒いので,全体に黒のモデルの方がよかったかもしれないが,黒い指輪をはめているというのもシュールな気がするし,金色の指輪はさらにごつい気がするので,シルバーでよかったと思っている。

 このスマートリングでもう1つ問題があったのは,スイッチの感度が結構高いことである。たとえば薬指にはめて表示を上に出すと,スイッチが中指に当たり,何かの拍子にいつもスイッチを押していることになる。スイッチがほかの指に触れないようにすると,今度は表示が隠れてしまう。中指でも同様である。このレイアウトであれば,小指か人差し指,あるいは親指にはめると,スイッチの誤動作がなく,右手で操作できる。ただ,人差し指や親指に指輪をはめる習慣が日本人にはほとんどなく,かなり目立つ存在になる。小指にはめるのも何となく違和感があるかもしれない。スイッチの感度を下げる,ダブルタッチで初めて機能する,などに仕様を変更した方が使いやすい。

 さらに問題点として執筆者が指摘しているとおり,バッテリーの持ちの問題も実際ある。一般のスマートリングは,1週間ぐらいは着けっぱなしにできるとされているが,このLEDディスプレイ付きスマートリングは,どうもバッテリーは1日しか持たない。これだけの体積の中に,回路,ディスプレイ,バッテリーを入れ込んでいること自体,すごい技術だなと筆者は評価している。LEDでそれほど頻繁に表示させることはないが,反射型液晶パネルや電子ペーパーならさらに消費電力は少なくて済むので,ディスプレイの方式を代えて再度製品開発してもらいたいと思う。

 また電子ペーパーディスプレイを使えば,高さをもっと低くできると思われ,さりげなさも演出できるし,表示時に光るという無作法もなくなる。さらに,外側全周を電子ペーパーで覆えば,ちょっとした模様を変化させるなどの遊びごころも入れられるだろう。

 スマートリングは日本でも韓国でもいろいろな製品ができつつあるが,1つ問題があるとするとSUICA/PASMOなどの交通系ICカードアプリと連動ができていないことが挙げられる。VISAタッチなど,一部の決済方法には対応しているが,電車の改札をスマートリングのタッチでできない点がネックではないかと考える。

 実際,Apple Watchなどのスマートウォッチを使っている人のうち,時計,スマホ着信,歩数,SUICA対応の機能は使っていても,健康管理に積極的に使っている人は少ないのではないかと思う。ベースが「時計」だからである。スマートウォッチで電話の会話をしている人も見かけない。一方で,スマートリングは純粋に健康管理用が中心だと思う。ディスプレイなしで1週間さりげなく指にはめて健康管理するという奇特な方にはオススメだが,筆者としては時計機能もやはりあってほしい。

 この中国製スマートリングは,この大きさの中に健康管理の機能を詰め込んだことに1つの可能性を示したと思う。しかも大手メーカー製よりはるかに低価格である。その企画力,技術力はすごいと思う。日本のメーカーでは,おそらく企画そのものが通らないだろうし,これだけの低価格で提供することもできないだろう。日本人の指にフィットするようなデザインを提供することもできないからである。

 日本の通販サイトだと6000円ぐらいで入手できる。試してみるにはちょっと高いが,数万円も出して健康管理するだけのスマートリングは,筆者には無用の存在である。日本で広めるなら,健康管理用ではなく,SUICA/PASMO対応機能を搭載して,さりげなく右手の指にはめて自動改札機を通過するようなものがあるといいかもしれない。ただし,現在,タッチなしで自動改札を通過できる次世代SUICAの開発が進んでいるので,スマートウォッチでも身体をねじらずに通過できる日も来るだろう。そちらが実現する方が早いかもしれない。