jeyseni's diary

「ジェイセニ」と呼んでください。批判ではなく提案をするのが生き甲斐です。

作って引き渡して終わり、では崩壊事故しかない--メンテみ含めた契約と予算、人的交流も必要

「子どもたちに誇れるしごとを」というキャッチコピーのCMがある。清水建設のコマーシャルである。いい言葉だなと思っている。

   形のあるもの、長く使うもの、そして格好のいいもの・・・いずれもモノづくりに共通する。インフラの建造物は基本的に力学の法則に従っているので、均整の取れた美しい形を持っているものである。トンネルの断面が丸いのも、吊り橋が滑らかな曲線で形づくられるのも、力学の法則である。

 しかし,残念なことに人間が作ったものには寿命がきてしまう。鉄は酸素によって錆び,コンクリートは水分と衝撃によってヒビが入る。見た目は大したことがなくても,ある日,突然折れたり崩れたりする。

 奈良時代の神社仏閣が現存しているが,基本は30~50年ごとに建て直しが行われている。一般住宅で30年,コンクリート住宅で50年なので,2世代持たせるのがギリギリである。

 道路,橋,堤防,上下水道なども50年が目安で寿命が来る。日本の場合,高度経済成長期に作られたインフラが,現在ほぼ寿命を迎えているということになる。下水管の破裂,堤防の決壊,橋の崩壊など,起こるべくして起こったと言っても過言ではない。

 しかも,経済が低迷したために,点検,メンテナンス,修理,交換が一切行われなくなった。不具合は事故が起きてから気づく。事故が起きてから一斉点検をする。しかし,その場では不具合をほとんど検出できないまま,数年後に事故が起きる。その繰り返しである。

    50年が経つと世代も代わり、責任の所在があやふやになる。同じ会社であっても、前任者尻ぬぐいはごめんだといった風潮もあるだろう。他社が手を出しても、元々の設計がいい加減だったり、受け側のスキルが足りない、外国人労働者しかいない、など、手の打ちようもなくなっている。個人宅だと,「点検商法」と呼ばれる屋根,壁などの点検と称して高額請求する詐欺商法がまかり通るようになる。

 人口減少で地方では交通インフラの衰退が進んでいる。鉄道も路線バスもタクシーも,乗客が減るだけでなく,運転者も成り手が減っている。車両が脱線したいすみ鉄道では,脱線した車両の撤去も行われず放置されたままになっているという。保線業務が行われなくなった線路の上を走ったためと言われている。石破首相のいう「地方創生」が,単なる町起こしレベルの話だとすると,空しく響く。間に合わないのである。

 まず,本当に無駄なものをただちに止めて,そこにかかっている人材,建材,車両,予算を必要なインフラの整備に回すべきだろう。もはや不要と思われるリニア新幹線,そして関西万博。ほかにもありそうに思う。

 地震災害の復興もなかなか進まない。地方のインフラの基本設計について,もう一度見直してはどうだろうか。地面を掘って埋めることばかり進めていては,結局は不具合にフタをしてしまうことになり,不具合が起きたときに被害が拡大する。地上近くにフタの開けられるボックスカルバートを軽く埋めて,そこにライフラインを通す,といった標準化が必要なのではないだろうか。道路の設計そのものも,街路樹をなくして二輪車レーンを作るなど,根本的な標準化を進めるべきだと考える。