「ゴミ」をもう一度考えよう--川口のゴミ処理施設の火災に思う - jeyseni's diary (2025/1/12)。この火災の原因は,不燃ゴミとして出されたリチウムイオン製のモバイルバッテリーと言われている。この直後,1/29には,韓国の釜山空港で,機内に持ち込んだ荷物から発火して全機が燃えるという火災があった。こちらも,モバイルバッテリーが原因と考えられている。
リチウムイオン電池 相次ぐ発火事故 モバイルバッテリーなどの捨て方 使い方 買い方の注意点は? | NHK | WEB特集 | 事故 (2025/2/25)の現代クローズアップ+でも改めて取り上げられたが,結局は「捨て方がわからない」「捨てようがない」という結論だった。専門家という学者にコメントを求めても仕方がないといういつものパターンである。
リチウムイオンバッテリーの問題点として,回収してもリサイクルの道がないことをこれまでも何度も書いてきた。乾電池しかり,蛍光灯しかりで,飲料のビン缶,ペットボトル以外でリサイクルできているものはほとんどない。
この結果,燃えないゴミと有害ゴミの区別をつけることが難しく,リチウムイオンバッテリーが「燃えないゴミ」として捨てられ,そこで火災事故が起きている。
ビン缶,ペットボトルがユーザーの認識と善意で分別回収できているのは,自治体のゴミ収集がシステム化したことと,あとは「ゴミの量」の問題と思える。1週間経てば飲料ゴミは袋いっぱいになるので,毎週まとめてゴミを出すという習慣につながりやすい。
一方で,燃えないゴミ,有害ゴミは定期的に出てくるわけではない。場合によっては数年に1個しか出ない。充電池は500回も繰り返して使えるとすると,毎日充電したとしても2年は使えることになる。寿命になったかどうかを判断できるかどうかも怪しい。劣化した状態で充電をして発火するケースも多い。
必ずリサイクルしてくれる,ということであれば,家電量販店に足を運んでリサイクルボックスに入れるという行動も取れなくはないが,ここでもメーカー品以外は受け付けないケースばかりである。おそらく日本で出回っているモバイルバッテリーの7割は中国からの輸入品だろうし,さらにBluetoothを使った無線イヤホンやマウス,そしてブームとなったハンディ扇風機などでは,どこのリチウムイオン電池が使われているか分かったものではない。「できるだけ取り出して捨ててほしい」と専門家はコメントしていたが,素人に分解などできるものではないし,かえってショートさせて発火の危険を招くかもしれない。
どうせリサイクルに回らないものなら,次の優先事項は「火災を防ぐ」ことである。一般ユーザーは,過充電を防ぐ保護回路の有無や,劣化状態の判断など,まったくできずに,ただ少し性能が落ちたな,ぐらいの感覚で充電を繰り返す。夜間や外出中の充電も当たり前である。翌日,朝から使いたいのなら,寝ている枕元で充電するのは普通である。このときに発火による火災の危険性があるのを,防ぐ方法はない。
テレビドラマに「火災調査官 紅蓮次郎」というドラマがある。船越栄一郎さんが主演する火災現場での原因特定などのドラマである。彼らの任務の1つに,火事の初期消火と火事の発生そのものを防ぐための指導があるようである。
筆者も,昨年自治会の防災イベントに参加し,消防署の方から消火器の使い方,バケツリレーでの消化法,救急搬送用の担架の作り方,レジ袋を使って腕を吊る方法などを教えてもらい,ためになった。ただ,火事を起こさないためには,家の中のコンセントの正しい使い方,ホコリを溜めない掃除法,屋外に燃えやすい物を置かない方法など,個別の訪問指導も必要かもしれない。その際,モバイルバッテリーの安全な充電法も指導が必要だろう。
ならば,怪しげなモバイルバッテリーや,期限の切れたガスボンベなど,あきらかに火元になりそうなアイテムを引き取ってもらえるとありがたいと思ったのである。
ゴミ収集車や焼却場まで行ってしまうと,その途中で水に触れたり,ショックが加わったりして発火の危険が高まる。また焼却の手前で分離する際も,すでに発火しかけている場合もあり,プロではないゴミ焼却場職員が適切な処理ができるとは限らない。
消防署なら,可燃物の処理のプロなので,万一の発火にも対応可能だし,そもそも各家庭から危険物を回収した時点で火災の危険性をずいぶん減らせると思うのである。
地震に伴う火災発生は,ガス器具やIH器具のオートシャットダウン装置の普及でかなり抑えられてきた。しかし,モバイルバッテリーやガスボンベに対する事前の策はない。怪しいかどうかをプロの目で見て,指導をする体制があってもいいかなと考える。
こういう提案をすると,また詐欺まがいの点検商法に発展しないとも限らない。厄介な世の中である。